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『錬金術』

 パスタができた。カルボナーラだ。


 我ながら結構な出来だと思う。


 リビングに皿を運ぶとさっきまでと二人の雰囲気が違うのに気づいた。


 それも、悪い意味じゃなく、いい意味で。


 綾辻の奴も、さっきまでより表情がやわらかくなっていた。


 これは鈴華に感謝だな。


「おーい! 出来たぞ。食べよう」


「はーい」


「ん!」


 二人は雑談をやめてテーブルに集まる。


 空腹の為か、綾辻は涎を垂らしながら目を輝かせて前傾姿勢になっている。


 がしかし、ここで一人食らいついてしまうほどでは無いのか、大人しく俺の号令をまっている。


「じゃっ、食おうか。いただきます」


「いただきます」


「いただきます!!」


 綾辻は猛烈な勢いで食べ始める。


「おい……しい! 美味しい!!」


 この後も食べる勢いは衰えることなく用意していたパスタ全てを平らげた。


 結構な量あったはずなんだがな……。


「ご馳走さま……黒っちは料理上手……だね」


「こんくらい誰でもできる」


 パスタは比較的簡単な料理だからな……。よっぽど料理下手じゃなければ失敗はしないはずだが。


「鈴華は料理するの?」


「え!? 私ですか? まあ、そこそこは……」


「むぅ……やっぱり」


「で、でも私も、先輩程上手くはないですよ」


 鈴華はまた謙遜する。


 そんな事はないと思うんだけどな……。


「姫菜さんこそ料理しないんですか?」


「私は……食べ専だから……」


「出来ないんですね……」


 綾辻は少し落ち込んだような様子になり、鈴華はどこか勝ち誇っている? ような気がする。


「じゃあ綾辻、今度一緒に練習するか?」


「ん!? いいの!」


「あ、ああ」


 綾辻は俺の言葉に反応して俯いかせていた顔をバッと上げると喜色満面の笑みを浮かべる。


「やる! ……絶対!」


 倒置法ですか? そうですか。


 それだけ嬉しそうにしてくれると嬉しいな。


 そんなこんなで楽しい時間は過ぎていき――夜。


「そういえばなんだが……お前、その銃は何処で手に入れたんだ? やっぱりショップ……いや、ガチャか?」


「ん……違う。 これは私が作った」


「つ、作った?」


「そう……私のステータス見たら……分かる」


 綾辻はステータス画面を見せてくれる。



 ステータス

 ――綾辻 姫菜



 職業:錬金術師


 レベル:6

 HP :120/120(20)

 MP :180/180(30)

 筋力 :12(2)

 耐久 :30(5)

 精神 :72(12)

 敏捷 :18(3)

 器用 :90(15)

 魔力 :48(8)


 固有スキル 

『性質逆転』


 スキル

『痛覚耐性』Lv.1

『恐慌耐性』Lv.3

『精神耐性』Lv.6

『大食い』Lv.6

『気配隠蔽』Lv.2

『気配察知』Lv.3

『狙撃』Lv.5

『錬金術』Lv.3

『レシピ』Lv.3

『解体』Lv.1


 魔法


 スキルポイント:0


 ――



「銃を作ったのは『錬金術』のスキルのおかげ……」


 そう言って綾辻は持ってきていたバックから鉄の塊を取り出す。


 手の平に鉄塊を乗せ、目をつぶって集中する。


 そして、それはぐねぐねと形を変えていき――。


「出来た……。これは急造だからあんまり出来は良くないけど、一応銃としては最低限の機能は備わってるよ……はい」


 綾辻は俺に出来上がったばかりの拳銃? を手渡してきた。


「俺は銃についてはあまり詳しくないんだが……こんなに簡単に作れるものなのか?」


「んん……いや、本当はこんな短時間で作れるものじゃ……ない。私も『錬金術』がレベル3になって初めてできるようになったし、『レシピ』が無かったら今も作るのは……無理。」


「ふむ……銃を作れるのはわかったんだが、弾とかはどうしてるんだ? もしかして、それも錬金術で?」


「ん……そう。材料はショップから買って、それを加工して使ってる」


 なるほどな。


「ちなみに『レシピ』っていうのはどういうスキルはなんだ?」


 銃はそのスキルがなかったら作れなかったらしいが、ただ単に物の作り方が分かるだけのものなのか、それとも俺が思うのとは違ったものなのか……なんにせよ聞いて見なければ分からないものだ。


「『レシピ』はさっきも言ったけど、銃を作るときに使ったスキル。作りたいものの必要な材料と……作り方……とかが分かるようになって、レベルが上がるほど説明が詳しくなる」


 ふむ、これでなんで綾辻が銃なんてものが作れたのかという謎がわかった。


 それならあと気になることは――固有スキル……か。


 そんな事を思っていると俺がそれを聞く前に綾辻は自分から説明しだした。


「私の固有スキル……『性質逆転』は物質の持つ性質を真逆のものに変える……そういうスキル。例えば……氷の冷たいっていう性質を逆転させて熱くする事も……できる」


「へぇ……」


「すごいですね」


 さっきまで黙っていた鈴華が口を挟む。


「それを使えば色々と出来そうですよね」


「ん……私もこれには、結構助かってる……。

 でも、MPの消費が……激しいから、あんまり使えない」


「たしかに、それだけのスキルならそのくらいのデメリットがあってもおかしくない……か」


 ――あれ? そういや俺の固有スキルはデメリットってないんじゃね?


 よくよく考えると、鈴華は一日一回しか使えないという制限がある。


 それに比べて俺の固有スキルは制限もデメリットもない。


 不思議なものだ。


 そもそも情報が少なすぎて固有スキルというのにどんな法則性があるのかも分からない。


 ということで、これは一旦放置しておくことに。


 取り敢えず俺たちはお互いに情報を交換する事に……というより、綾辻のは粗方聴き終わったので俺たちのステータスやら装備やらの話なんだが……。


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