悪戯心
――銀の聖盾
ランク:6
分類:防具
説明:聖なる力が込められた銀で構成された盾。魔なる者から受ける攻撃を軽減する。とても頑丈であり、ドラゴンにでも踏まれない限り滅多に壊れることはない。
――
鈴華が引き当てたのはランク6の盾だった。
俺の“死神の礼装”よりランクでは劣っているものの十分過ぎるくらいの性能を誇っていた。
鈴華は未だに盾を手に持ったまま固まっていた。
「そっちの盾もすごいな……」
「え……あ、はい。先輩のはどんなのだったんです?」
疑問を投げかけた鈴華に俺は“死神の礼装”を手渡し、説明欄にあったことを一言一句違わず伝えると……。
「はああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
驚きのあまり叫びを上げてしまった。
「何ですかこれ! いくらなんでもチート過ぎますって! これください、欲しいです!! いつも前衛で戦ってる可愛い後輩の為と思って!」
「嫌だよ、あげねーよ。それにお前、『闇魔法』持ってないじゃん」
「それ抜きでも欲しいんですよこれ!」
テンションが上がって若干早口になってきている鈴華を宥めながらもう一度真っ黒の外套を手に取る。
試しに一度羽織ってみる。
どういうことなのか、暑いとは全く思わないどころか丁度いいとすら感じる程の着心地。
ついでにこの外套の、気配を薄くするという能力も使ってみることにした。
気配を極限まで薄めるイメージをする。
「あ、あれ!? い、今、先輩が消えた!?」
――あれ、おかしいな……これの能力は説明した筈なんだけど……気づいてないのか?
この外套の能力を忘れたのか、どこに行ったんですか!? と困惑する鈴華にイタズラ心を刺激される。
俺を探しに行こうと部屋を出ようとした鈴華を先回りしてドアが開かないよう押さえつける。
「あ、あれ? ドアが開かない!! なんで?!」
まさかの事態に更に困惑の表情を浮かべる。
ガタッと椅子の動く音を出してやると次第に涙目になっていく。
これで調子に乗った俺は鈴華の肩をチョンチョンと突く。
鈴華は勢いよく後ろを振り向くがやはり人はいない――ように見えている。
今までに体験したこともない心霊現象に恐怖心が天元突破して、泣き出してしまった。
流石に罪悪感が芽生えた為、気配消失能力を解除する。
「い、いや、すまんかった。まさかこんなにも怖がるとは思わなくてだな……」
「うっ、うぅぅ!」
俺が姿を見せると、泣きながら抱きついてきた。
必死に言い訳するが、聞く余裕もないのか抱きついたまま離れようとしない。
余程怖かったんだろう……ほんとすんませんした。
幼い子供を慰めるように頭を撫でてやる。
数分もすれば状況の整理ができたのか目を赤く腫らしながらも涙は止まっていた。
「す、すみません、取り乱しました」
「いや、悪かった。ちょっとした出来心だったんだ。まさか泣くほどとは思ってもいなくて……」
「そのことはもう忘れてください!!」
鈴華は頬どころか耳まで真っ赤に染め上げて記憶の忘却を要求してきた。
――あれを忘れるのは流石に無理だろ。
「……もういいです」
拗ねてしまったみたいだ。
でも、鈴華が気にしないというのなら俺も、もう忘れてしまったことにしてやるのが優しさというものだろう。
「それで、どうするんですか……ポイントは結構ありますし、あれだけいいものが出るならガチャを頼るのも良いですし、ショップから普通に買うのもアリだと思いますけど」
「そうだなぁ。必需品とかはショップで買うしかないから多少はポイントを残しておかなきゃいけないが、やっぱガチャはやりたいよなぁ」
俺はまたショップからガチャを選択。
・ランク3以上確定武器ガチャ!
――一回10,000pt
・ランク3以上確定防具ガチャ!
――一回10,000pt
・ランク3以上確定魔道具ガチャ!
――一回10,000
・ランク4以上確定11連ガチャ!
――一回100,000pt
・ランダムガチャ
――一回2,000pt
――
高い、確かに高いが魅力的ではある。
ランク4以上確定の11連が100,000pt。
これに使えば俺の全財産の8割は消えてしまう……が、やりたい、回したい、と俺の体が疼いて仕方ない!
100,000pt使ってもまだ、最低限のポイントは残る。
なら、やらない理由はない!
「俺はやるぞ、鈴華」
「やっぱりそうですか、じゃあ私もやります」
まるでわかっていましたとばかりにすんなりと受け入れた鈴華は自分もやると言い出した。
俺も別にダメとは思わないので特に何かいうわけでもなく承諾した。
という事で、一人11回の計22回ガチャを回すことになった。
さあ、何が出るかな?




