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格上の存在と少女との再会

 当初の目的は果たしたので帰ろうか、と出口に続く道を探している時。


 四人分の死体を見つけた。


 どれも鋭利な物で切り裂かれた跡があり、周りには肉と血が飛び散り、腹を切られた死体からは臓物が飛び出ていた。


 恐らくは才場がやったのだろう。


 死体を見れば皆、絶望と苦悶の表情を浮かべながら死んでいったのだろうとわかった。


 せめて葬いくらいはしてやろう、と死体を外に持ち運ぶ。

 服が血で汚れるが、この程度気にもならない。


 四人全員分の死体を運び込んだら次は店内から油とガスバーナーを探し出す。


 探し始めて数分、油もガスバーナーも思ったより簡単に見つかった。


 死体達をまとめて並べ、全身に油を注ぐ。


 バーナーが火を噴き出し、死体に燃え移るとあっという間に火は大きくなり三十分くらい経った頃だろうか、死体が炭化してきた。


 俺は神は信じないが、この人達の安らかな眠りを祈っておくことにしよう。


 手を合わせて祈りを捧げ、さぁ次こそは帰るぞと思ったその時。


「あぁ? おい、そこのテメェ」


 俺が振り向くと、さっきまではいなかった大柄の男が佇んでいた。


 才場よりも更にゴツい体躯と三白眼と言うのか、その鋭すぎる目つきがこちらを睨みつけていた。


「おい、そこのガキぃ。テメェにいってんだよ聴こえてんだろォ」


「……なんのようだ?」


 奴からはなんと言うのだろうか強者の風格のようなものが感じられる。


 まだ、敵対すると決まったわけではないが今のうちに『鑑識眼』を使っておく。


 ステータス

 ――才場 麟之助


 職業:重戦士

 レベル:10


 スキル

『剣術』Lv.3

『剛力』Lv.3

『身体強化』Lv.2

『物理攻撃耐性』Lv.1


 魔法


 ――


 ……強い。


 レベル差は三。

 まともに戦ったら勝てる気がしないぞ。


「ここにヨォ、俺の弟がいるはずなんだァ。

 しらねェかい?」


「弟……? いや、俺は……っ!?」


 才場 麟之助。

 才場、それは俺がさっき殺した男と同じ苗字。

 と言うことは、こいつが探している弟っていうのはつまり……。


「なんだァ? しってんのか?」


「……いや、しらねぇな」


「そぉかァ、ならしゃーねぇーなァ。ここら辺にいるのは間違いねェはずなんだがなァ」


「そうか、俺も才場と名乗る奴を見かけたら声をかけておこう」


「そうかい、そりゃァ……おいまてや俺ァ、テメェに自己紹介なんぞした覚えはないんだがなァ」


 ――っしまった!?


 焦るあまり、余計なことを口走ってしまった。


「どぉいうことだァ? もしかしてテメェ……

 俺のファンか?」


「は……?」


「だから、俺のファンなんだろぉ」


「あ、え、はい」


 何かとんでもない勘違いをしているらしいがここは乗っておくことにする。


「今は、色紙もペンもねェからサインはできねェが握手くらいならしてやってもいいぞォ」


「あ、ありがとうございます」


 才場兄の鋭い目つきの三白眼が少し緩んだように見える。


 彼の話に乗るように握手して、早くここから離れるために話しかける。


「あの……俺はもうそろそろ」


「ん、あア、すまねェな、引き止めちまって。弟にあったら俺のこと伝えといてくれェ」


「はい、わかりました。それじゃあ」


 俺は早足にその場から逃げるように立ち去った。



 ◆



「ハァ……ハァ……あっぶなかったぁ」


 今自分の出せる全速力でここまで走り続けたことで息も絶え絶えになっている。


 あそこで俺が才場弟を殺したのが分かったら絶対に戦闘になっていたはずだ。


 そう簡単に負ける気もないが、でも今の俺があれに勝てるとは思えなかった。


 ――やっぱりもっと強くならねぇと。


 そう、意思を固める俺をよそに何処からか戦いの音が聞こえてくる。


 ウォーウルフの咆哮、それも一体や二体なんてものじゃない。


 ここから場所はそう遠くはないはずだ。


 少しみてみるか、と好奇心の赴くままに足を運ぶ。


 そうして数分も歩いていると十匹以上のウォーウルフと一人の少女が戦っているのが見え始めた。


 しかも、その少女には見覚えがあった。


 あの時スーパーで俺が助けた金髪の美少女だ。


 彼女の方は戦闘に集中しすぎてまだこちらには気づいていない。


 ウォーウルフは一体づつ戦う分には大したことはないが量が量なので苦戦しているように見える。


 ここであったのも何かの縁か……。と少しだけ手助けしてやることにする。


「おい! 助力はいるか?」


「あ、はい! お願いします……って、えっ!? 」


 少女はこちらを見ると驚愕の表情を浮かべた。

 が、今は目の前の魔物達に集中して欲しい。


「前を向け。まだ戦いは終わっていないぞ。……背中は俺が守ってやるから、サッサと片付けろ」


「は、はい!!」


 こうして俺とパツ金少女の共同戦線が始まった。

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