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新たなる魔法

「次はお前だ」


「おいガキ……テメェも魔法師だな」


 ゴリラ魔法師――才場が問いかける。


「……それがどうした」


「いや、なんでも……」


 沈黙が流れる。


 しかし、互いに目をそらすことはしない。


「[影縛]」


 まずは俺が先手を打つ。


「遅え。[加速]」


 才場はその巨体を縛ろうと近づく影を悠々と避け、『時空魔法』の[加速]を使う。


 この魔法は敏捷値に補正をかける類のものなのか才場のスピードは俺と同じ魔法師とは思えないほど素早い。


 俺は才場を近づけまいと[雷球]と[影縛]を連発するがどれも当たらない。


 どれもこれも全て交わされる。


 ついに才場は俺との距離を詰め、懐に入り込んでくる。


 俺に攻撃を避ける術などなく横薙ぎに払われた剣閃によって腹を切り裂かれる。


 肉が抉れ、鮮血が舞う。


 ――痛い、けどまだ我慢できる。


 俺に一撃を加えたことで気が緩んだのか追撃はまだない。


「[影……縛]」


 この距離なら外さない。


「!? [加速]」


 才場は[加速]による一時的な超スピードで[影縛]を回避した。


「くっ……そが!」


 切られた腹が痛むが『自己治癒』のスキルによって徐々に回復して言っているのがわかる。


 あと数分もあれば完治する。


 なるべく攻撃を喰らわないように立ち回らなければ。


 俺も才場も互いに睨み合い、次の手を読もうとする。


 才場はとにかく[加速]が厄介だ。

 となると、あれを使うのがいいかな。


「[加速]!」


 才場が動き出した瞬間。


「[暗闇][暗視]」


 二つの魔法を発動させ、更に奪ったばかりの『気配隠蔽』も使用する。


 自分の今できる限界まで気配を薄くする。


 暗闇の中で才場の舌打ちの音が聞こえてきた。


 才場はこの暗闇の中では何も見えないが、俺は[暗視]の効果で才場の居場所が丸見え。


 ――この瞬間、俺の勝利が確定した。


「[影縛]」


「なっ!? くそ!!」


 [影縛]に捕まったら魔法師である才場の筋力値じゃあもう何もできない。


「[雷球]……死ね」


「ガアアアァァァァァァ!!」


 五月蝿い、汚い、醜い悲鳴をあげる。


 もがき苦しみ、のたうち回った後に死亡。


 魔法師だからかやはり耐久値が低いのだろう。それなりのレベルがあったのにも関わらず[雷球]の一撃で死んでしまった。


 この時、もう既に俺の傷は塞がっていた。


 《固有スキル:『復讐』が発動しました。

 対象から一つスキルを奪取出来ます。選択してください》


 奪取可能スキル一覧



 固有スキル 

『魔法簒奪』


 スキル

『刀術』Lv.2

『魔力操作』Lv.1

『魔力感知』Lv.1


 魔法

『時空魔法』Lv.1

 [加速]

 [遅延]

 [収納]


 ――


「固有スキル……」


 詳細を確認してみたが、殺した相手の魔法を奪うというものだった。

 俺は『復讐』スキルで他人のスキルや魔法を手に入れることができるが、ひとつだけしか奪えないのが欠点だった。


 ここでこの固有スキルを手に入れることが出来れば魔法もスキルも欲しい……そんな状況になった時に便利だろう。


 という事で、俺が選んだのは固有スキル『魔法簒奪』だ。


 《対象から『魔法簒奪』を奪取しました》


 ステータスを確認すると固有スキルの欄に『魔法簒奪』が追加されていた。


 《固有スキル:『魔法簒奪』が発動しました。対象から魔法を奪取しました》


『魔法簒奪』が固有スキル欄に加わったと同時に発動した。

 思わぬ収穫だったが、どうやら『時空魔法』をも奪取出来たようだ。


 更に、『復讐』では一つしか奪えない魔法も根こそぎ奪えるらしく、[加速]、[遅延]、[収納]の三つが『時空魔法』の欄に追加されていた。


 誤算は誤算でも嬉しい誤算だ。

 特に[収納]の魔法は本当に助かる。


 早速、とばかりに[収納]と唱えると空間が歪み目の前に黒い穴のようなものが現れる。


 試しに床に落ちていた釘を入れてみると、吸い込まれるように入っていった。


 黒い穴に手を突っ込んで釘を取れ出そうとすると手の中に釘が引き寄せられるのが感じられた。


「なるほどね……」


 次は食料やスマホ等の入ったカバンを入れる。

 まだ容量はまだあるようだ。


 そこら辺に置かれているものを片っ端から[収納]空間にぶち込む。


 結構な重労働に体が悲鳴を上げもう限界……と思ったその時。


 容量の限界に達したのかそれ以上何も入らなくなった。


 中は相当な広さになっているらしい。


 でも、この容量の限界はどんな基準で決められているのかはよくわからない、


 ――ん? いや待てよ。


「詳細みればいいだけじゃん」


 ステータスを開き[収納]欄に触れると詳細が現れる。


 [収納]

 無機物を収納する異空間を作成する。

 MP量に比例した大きさの異空間を作成する。

 異空間内は時間が停止している。

 異空間への扉は自身の周囲十メートル以内であればどこでも開閉が可能。


 ――


「最初っからこうしてればよかった」


 疲労で重く感じる腕をさすりながら愚痴をこぼす。


「まあでも、目標だった武器の調達は完了……か」


 さっき[収納]空間にいれたものも中には武器になり得るものはいくつもあった。


 草刈り鎌、ネイルガン、角材、バール、ハンマー、スコップ、シャベル、斧、丸太、といったところか。


 これだけあれば十分な筈だ。


 [収納]を使って丸太を敵の頭上に落とす、なんてやり方も面白いかもしれない。


 新しい魔法を試しながら、帰るとしようかな。



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