↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5月2日書籍版発売!!元・魔王軍の竜騎士が経営する猟兵団。(最後の竜騎士の英雄譚~パンジャール猟兵団戦記~)  作者: よしふみ
『迷宮都市オルテガと罪科の獣ギルガレア』

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5242/5253

第四話    『迷宮都市オルテガと罪科の獣ギルガレア』    その千百九十四


―――皇帝ユアンダートも、『プレイレス』の人々と同じように優秀さを警戒した。

『十大師団』の将軍たちの実力を考えれば、当然とも言えるけれどね。

この優秀過ぎる将軍たちを管理するために、ユアンダートは兵站を掌握する。

官僚と会計将校たちによって、その全貌は隠されていた……。




「賢くはある。しかし、やはり帝国は巨大になり過ぎているとも感じるぞ。『十大師団』を重宝している割には、信じていないなどと。将軍を信じられない国というものは、脆さを持つものだ」

「いかにも、そうだろう。その結果、お前たちに負けている」

「思えば、メイウェイも冷遇されていたぞ。ユアンダートは何を考えているのか」

「奪った国の管理は、本来ならば帝国本国から派遣された帝国貴族がするものだ。アインウルフ将軍が統治すれば問題なかっただろうが……メイウェイは天才軍人だが、貴族ではないからな。帝国の官僚からすれば、狙いやすい相手だったのさ。皇帝ユアンダートも自分に近しい貴族が動けば、妨害もしないものだ。そういう力学を突いて、知的な強奪者は動く」




「―――ああ、実際その通りだったよ」

「メイウェイ、ようやく来たか」

「遅くなってしまったらしい。だがな、ストラウス卿。これでも、多忙なんだ」

「分かっているさ。任せ過ぎてしまってもいる」




「こちらの女性が、シドニア・ジャンパー少尉か」

「そうだ。なかなかの暴れ馬だが、優秀極まる」

「敬意を示せよ。協力してやるのだから」

「……兵士の給与を掠め取った会計将校であることは忘れがたい。しかし、優秀さは認めよう。盗み聞きするつもりはなかったのだが……私の甘さも、再確認できたよ」




「兵站を会計将校や役人に掌握されていたことを、もっと警戒して叩いておくべきったと思うぞ。会計将校であった私からのアドバイスだ」

「そうするよ。アインウルフ将軍が、私をイルカルラに置いた理由でもあるだろう。将軍閣下ご自身も理解はしていなかったかもしれないが、本能的に察しておられたか」

「イルカルラをお前が掌握してくれるかぎり、アインウルフは安心して突き進められたというわけだな。兵站を作ろうとしていたわけか、気付かずにやってしまうあたりは、アインウルフらしい。読めないところがあるが、それこそが強さか」

「将軍の期待に、応えられなかった自分が恥ずかしくもある」




「雪辱は果たしつつあるぜ。『トゥ・リオーネの地』を解放し、王になれ」

「……目指すよ。まずは、統治者あたりからだ」

「メイウェイさん、帝国軍に動きはありますか?」

「今のところは大人しいものだよ。『パンジャール猟兵団』の、竜による追撃が効いている。今夜の報復攻撃は、小規模なものになるかもしれん」




「ゼファーの背からも、見えたものがある。北からの戦力増強は、思っていた以上に多そうだぞ。ドゥーニア姫は、『プレイレス』を信じてくれたか」

「彼女の護衛の兵まで、削ってくれている……私だけに、戦利を得られてはたまらないと考えただけでもあるだろうがね」

「動機に多少の違いはあったとしても、結果は同じ。帝国軍を倒して、『プレイレス』もイルカルラの軍も、前進させやすくする。帝国を倒すためにな。言わんとすることは分かるだろう」

「分かっている。歓迎してあげたよ、『ペイルカ』の兵も、イルカルラからの援軍もね。イルカルラの巨人兵士諸君は、いくつもの港を奪い取ったようだ」




「ドゥーニア姫という女は、お前たちより兵站について詳しいかもしれないな」

「彼女はオレやメイウェイと異なり、幼い頃から女王になるように教育を受けていた存在だ。軍の指揮では負けるつもりはないが、政治的なセンスは彼女の方が我々よりも強い。イルカルラで補給の乏しい状況で戦ってきた点も大きいだろう」

「英才教育による素養を、兵站を極めなければ、生き抜ない。一切の余裕がない現場を経て、真の教養に変えたとなれば……面白い存在ではある」

「槍を交えれば、好奇心は消えるよ。彼女の軍は結束が強い。砂漠を……追いかけ回されながら戦えば、結束も強まる。これについても、私は経験があるのだ」




「頼り甲斐のある援軍が来たというわけだ。オレも後から会いに行こう。奪った港の利用法も決めた方がいいだろうからな!」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。