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5月2日書籍版発売!!元・魔王軍の竜騎士が経営する猟兵団。(最後の竜騎士の英雄譚~パンジャール猟兵団戦記~)  作者: よしふみ
『迷宮都市オルテガと罪科の獣ギルガレア』

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第四話    『迷宮都市オルテガと罪科の獣ギルガレア』    その千百六十五


―――相変わらずソルジェは戦闘に関しては、とても賢くなれる人物だった。

エルフの漁村の隠し方を知れば、どれだけ有益なのか。

帝国軍から見つからずに、補給の拠点を作れるかもしれない。

使い道は実に多く、とてつもなく実用的なものだった……。




「あの漁村でしか使えないわけでは、ないのだろう?」

「たしかに。秘術のひとつではありますが……ストラウス卿のお役に立てるのならば、伝えておきましょう。あの呪術は、エルフの住民たち自身の魔力を消費しているものです」

「ほう。では、戦士たちでも使えるのか?エルフでなければマズイ?呪術の魔力消費そのものは、魔術に比べれば多くないはずだよな?」

「結論から言えば、人間族の戦士であっても使えます。土地とそれなりの因縁がある者の方が、強くはなるのですが」




「何が、必要なんだ?」

「その土地で育った、穀物です。主食でもいい。あの漁村の場合は、小麦と網にかかった魚を使っていますね」

「そんなので、村ごと隠せちゃうの?すごく、便利だね!」

「それなりに有能な呪術師がいれば、難しいものではありません」




「ソルジェ兄さん、その」

「じつは、メルカも」

「ああ。存在を隠す呪術を、使っていたんだな」

「そうなんだ。たぶん、似てる呪術だよ。私たちの場合は、花だったけど」




「メルカのそれが私には察しがつかなくもないですな。とにかく。土地に因縁の深い供物、それを使う身を隠す呪術は、かなり古くからあるものです」

「これも、祭祀を使うのか?」

「左様。土地と村人の絆を、まずは強める。これがなければ、村人たちさえ村に戻ってはこれませんからな」




「選ばれた者でなければ、基本的に近づけなくなる呪術か」

「ストラウス卿の魔眼には、効きが悪いかもしれませんがね。主に視覚を狙う呪術なのです。三大属性で言えば、『風』を多く使った『空白化』の呪術……霧を、呼び出すのです。水、あるいは雲をもとにすることが多い」

「あの漁村では、海か」

「メルカでは、雲ですね。丘陵を走る雲海に、都市を隠すための呪術の霧を、それで作っていました」




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