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12章 王国離脱編 2話 謎の動きと迫る気配

アクセスありがとうございます


 力尽きていた俺は、不意に目が覚めて呟く・・・。


「暑いな・・」


 コタツの中で寝ている感覚のように全身に熱がこもっている感じだ・・上半身を起こすとその原因が判明する。人族より体温が高いリル達に囲まれて寝ていたからだ・・もちろん着ていた衣服は全て脱ぎ捨てている。


「よっと・・」


 雑魚寝状態で寝てる4人を踏まないよう脱ぎ散らかした自分の服を探しながら荷台の中に張ったテントから出て夜風を浴びながら深呼吸をして外へと出る。


「・・さすがに寝てるよな」


 焚き火の炎は元気よく誰もいないのに周囲を優しく照らしている。無人となり置かれたままの野外イスの1つに俺はゆっくりと座り足元にあった薪をいくつか投げ込んだ。


 パチパチ・・パチッ


 小さく爆ぜる音を聞きながら、アイテムボックスにある水筒を取り出し果実水を飲んで喉を潤した。


「この風景だけなら、キャンプしているだけなんだけどな・・」


「・・キャンプ・・ですか?」


 野外イスに深くもたれかかっていた俺は、顔を上げて後ろを見るとアメリアが立っていた。


「アメリア・・起きてたんだね?」


「うん・・このような経験は数える程だから・・となり・・いい?」


「もちろん、どうぞ」


「ありがと、ハル」


 胸元があいた寝間着のアメリアを初めて見た俺は、少し釘付けになってしまった・・ギルドの制服か私服を見た程度で、気にして見たことがなかった。


「・・・・」


「どうしたの?」


「ん?・・いや、なんでもないよ・・うん」


「ねぇ、ハル?さっきのキャンプってなに?」


「あぁ、聞こえてたんだ・・キャンプっていうのはね、この世界で言う野営みたいなことかな」


「この世界?」


 そいえば、アメリアには俺が異世界から来たことを伝えてなかった。ちょうど良いタイミングだと思い、俺はアメリアに俺の過去の話を簡単にだけど告白した。


「・・そんなことがあったんだね・・」


 アメリアの瞳には涙が浮かんでいて、頬には流れた形跡を見つけてしまう。


「もう過ぎ去った過去のことさ・・今は、俺の近くにみんながいてくれる。それだけで俺は幸せなんだ」


「・・私なんかが入っても良かったのかな・・」


「当然だよ、あのときアメリアに出会って教えてくれなかったら、カラを助けることもできなかった・・あの日から俺とアメリアとの関係は始まっていたんだよ」


「うん」


「まぁでも、一時的に忘れちゃう大失態をしてしまったけどな・・ごめんねアメリア」


「いいの・・思い出してくれて、こうして一緒にいてくれるから」


「ありがとう・・」


 アメリアは、瞳にたまった涙を拭き取り笑顔で俺も見つめてくれる。


「そ、それとなんだけどね・・」


 急にアメリアが周囲を見渡し、何かを気にしているようだ。


「どうしたの急に?」


「あのね・・あんなことみんなとしてるの?」


「あんなこと?」


 アメリアは、俺から視線を外し馬車の方へと視線を向けたことで俺は彼女の意図を理解する。


「あぁ・・アレのことか・・うん。みんなとはもうシテるよ・・もちろんアリスとは絶対シテ無いからね」


「そそ・・そうなんだ・・」


「俺のこと幻滅したかな?・・ごめんね。もちろん強制的にはシテないよ・・ちゃんと合意の上だから」


「うん、それは、カラさん達から聞いたからだいじょうぶ・・」


 そんなやりとりをしていると、タントの幕が捲られる音が聞こえ誰かが出て来る。


「起きてたんですね・・」


 テントから出てきたのは、ラニアだった。


「ラニア、ごめん起こしちゃったかな?」


「いえ、焚き火に薪を追加しようと思っていましたから」


 そんな働き者のラニアに手招きして、対面で膝の上に座らせる。


「・・ハ、ハル?・・アメリアさんが見てるから」


「良いじゃん、ラニア」


「・・もう」


 俺とラニアのイチャラブ状態を口を開いてジッと見ているアメリアが初々しくて可愛いと思ってしまった。


「あの、アメリアさん・・私とハルは、普段はメイドと主としての関係ですが、2人きりでは恋人以上の関係なんです・・」


 聞かれてもいないことを口にするラニアは、照れ臭さを隠すかのように俺に身を委ね首元に顔を押し付け隠れる仕草をするも、アメリアに聞こえないほどの小さな声で囁いた。


「ハル、もうみんな待ってるよ・・アリスちゃんは疲れて寝ているけど、アメリアだけなかなか寝てくれなくて・・」


 そう求めるラニアの頭を撫でながら俺はアメリアに告げる。


「アメリア、そろそろラニアとテントに入るけど・・」


「わ・・わたしは、もう少しここで夜風に当たっています」


「そっか・・いつでもテントに入って来て良いからね」


「・・うん。ありがとう」


 それとなく誘ってみたけど、やんわりと断られたためラニアと2人で大型テントへと入って行くとラニアに首に腕を回されて、そのまま倒されると寝ていたはずのカラやアルシア達が動き出して順番に俺に覆い被さり、久しぶりに身体を1つに重ね合った・・。


「はぁ・・はぁ・・相変わらずの底無しじゃな・・」


 ぐったりとしたシェルが恨めしそうに俺を見上げているため、彼女の長い銀髪を撫でて腰回りに腕を回し持ち上げ抱き寄せる。


「・・さすが伝説のフェンリル様だ。みんなは気を失っているのに・・なら良いよね?」


「ま・・待って・・お願いだから・・ハル?・・これ以上は・・・・あっ」


 シェルだけ寝ることなく起きていてくれたため、延長戦を開始してカラ達と同じようにシェルも気持ち良さそうに深い眠りについてしまった・・・・。


「・・・・さすがにこれ以上は寝不足で明日に影響しちゃうな」


 再びテント内に脱ぎ散らかしていた服を拾い集め、着ながらテントから出るとアメリアの姿がなかった・・。


「アメリア?」


 慌てた俺は解除していた気配探知スキルを発動し、アメリアの気配を探すとリル達が寝ている荷台に気配を捉えることができて安堵し、俺は溜息をついてから荷台の中へと入って行く。


「荒れてるな・・・・」


 アメリアは、リル達の抱き枕状態となり苦しそうな表情で寝ているその端のスペースに俺は身体を捻じ込ませゆっくりと意識を沈め眠りについた・・。




 深く暗い中へと意識を落としていた俺は、ザラザラとした感触に意識が戻される。


「・・・・んっ・・」


 目を開けると、目を瞑りペロペロ頬を舐めて銀髪を揺らすリルの顔が目の前にあり、そのまま頬から額あたりから頭の方へと移動していき桃色の突起物が視界に入ってきた。


 そのままリルの謎の行動を放置していると、次にクウコが同じようにシテきてミオとミリナも同じような行動をして俺の頭あたりに4人が寄り添うように寝ている。


「なんなんだ・・」


 朝からよくわからない現象を体験し外の大型テントからラニア達が活動する音が聞こえ、野営の朝を迎えた後は朝食を済ませ撤収した後に野営した痕跡を除去して出発する。


 街道を走り、ラニアと御者を交代した俺の横にはリルとクウコが長い髪を風になびかせながら揺れる御者台で立ち俺達を察知した魔物や周囲にいる魔物達を殲滅してくれている。


「・・リル、クウコ・・相変わらずのチートだよなその能力は・・」


「そう?」


「そうかな?」


「そうだよ!」


 自覚がないリルとクウコは、楽しそうに謎の何かを対象物の魔物に放ち絶命させている。この能力が敵側だったら、陣地に近づいて行く途中にいつの間にか全滅させられている悍しい状況だ。


 おかげで、敵意を剥き出しにする山賊も例外ではなく、俺達を取り囲むため配置についた場所でそのまま絶命し魔物の餌に成り代わるだけだ・・。


 その自動排除状態を気配探知スキルで把握する俺は、ペースを落とす事なく街道を走ることができた。そして思っていいた以上の移動距離を稼ぐことができた俺達は、都市ニシバルに向かう途中にある村が見える場所で2回目の野営をすることに決めた。


「今日は、ここで野営するよ〜!」


「「 は〜い!!!! 」」


 荷台から元気の良い返事が聞こえ、ゆっくりと馬車を止めた俺はいつもの手筈通りに野営の準備を進める。そして、野営地の周囲を確認するため1人で徘徊していると遠く離れた王都方面から小規模の人の気配が集団で移動しているのを捉えた。


「・・俺達の追撃部隊か?」


 距離的には数日あるけど、念のため今夜は隠密スキルの有効範囲を広げ野営していることを眩まして夜を過ごすことに決めたのだった・・・・。

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― 新着の感想 ―
[一言] 追いかけてきているのは、王国に残された女性陣だったりして。
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