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11章 王都逆襲編 21話  勇者と王族の見えない思惑

アクセスありがとうございます


 薄暗く湿った地下道を数人の歩く音が重ねり響き渡る。


 ここを通るの何回目だろう・・。


(また、やっちまったな・・王都は敵だらけなのに)


 それにしても、今回は手足を拘束される様子はなく、ただ囲まれただけでいつでも逃げるというとが可能な状態だった。ただ、今回は明確に人質を取られているから下手に動けないことに変わりはない。


「また地下牢の独房に投獄なのか?」


「・・そんな、効率の悪いことはしないよ。何も言わず、ついて来ればわかるさ」


「あっそう・・拘束もされないんじゃ、いつでも逃れるんだけど?」


「あぁ、それなら気にしてないから好きにていいよ・・僕達から逃げた時点で、2人の命は無いから」


 副団長ヨルンの抑揚のない声は、これでまで出会った奴とは違うタイプだと俺は認識し警戒することにした。


「だから、あえて2人の姿を俺に見せたんだな・・」


「ふふっ・・正解だよ・・おしゃべりはここまでにして、ここからはこれを被ってくれるかい?」


 副団長は、隣の騎士から手渡せれた麻袋を俺に差し出してくる。


「お前らの組織は好きなんだな、麻袋を頭に被させるの・・」


「動きを制限するには、コレが手っ取り早いからね・・さぁどうぞ・・」


 選択肢が無い俺は、副団長ヨルンが差し出す麻袋を受け取り溜息をついた後に麻袋を頭から被る。


 視界を奪われた俺は、背中を押され再び歩き出す。そのまま騎士の誘導に従い曲がり角を何回か左右に曲がり最後に階段を上がったところで止まるよう指示される。


「この先は、大きな広間に出るんだろ?」


「へぇ、よく知っているね?」


「当然だろ?・・俺は経験者だからな」


「なるほど・・」


 副団長ヨルンとの短い会話を終わらせると、扉が開く音が聞こえた後に歩かされ止められた。


 周囲の音を探るも、とても静かな状態で自分の呼吸が聞こえるほどだ・・。


 グッと両肩を押され、強引に両膝を地面に付けさせられた姿勢となる。


「おい、自分で被り物を取っていいぞ」


 右側から聞こえる副団長の声で、俺はゆっくりと被っていた麻袋を取り正面の壇上に立つ2人の存在を視界に捉えた。


 そこには、3人の少女と勇者沖田が俺を見下ろしている。


「だろうと思ったよ・・」


 そう呟きながら、俺は1人の少女に視線が釘付けになった・・。


「お・・おまえは・・」


 あの頃から少し大人びた顔になった少女の顔が少し歪む。


「そうか、おまえだったよな・・俺を森に棄てろと言ったの・・」


 そう呟いていると、沖田が王女3人の前に立ち告げる。


「椎名、生きていたんだな・・おまえ」


「あぁ・・俺は、そう簡単に死なないよ・・それで、俺に何か用なのか?もう眠いんだけど・・」


「そんなことは聞いていない。ここに連れてこられた理由わかるか?」


「理由?・・・・そんなの知るわけないだろ?俺は、この国から出るんだから放っておいてくれないか?」


「なに?・・王国から出る気なのか?」


 沖田は、嬉しそうな表情に変わっていく。


「あぁ、もう王国に未練は無いからな・・家も貴族野郎に取られたし、俺からお前らにもう絡むことは無いよ」


「そうか、それについては歓送しよう・・でも、その前にお前に役立ってもらうことがあるからな」


「・・・何をやらせる気なんだ?」


「それは、明日になってからのお楽しみだ・・アイツを拘束して、部屋に閉じ込めておけ!」


 沖田の指示に、副団長ヨルンと部下の騎士達が俺の両手を背中に回し拘束具を取り付ける。


「大人しく、ついて来い!」


 背中に回せれ拘束された腕を掴まれ強引に押させれ大部屋から連れて行かれる途中に、沖田の後ろに立つミリアとマリアに視線を向けるも彼女らは一度も俺と視線を合わせることなく正面をジッと見つめているだけで、ただ1人ミリアとマリアの間に立つあの女だけは、俺をジッと睨むような瞳で見ていていた。


 ドスン・・・・バン!


 受け身を取れないままベッドに倒され、足も動かせぬよう拘束具を乱暴に付けた後に、部屋のドアが乱暴に閉められた。


「独房よりは、マシな環境だな・・」


 うつ伏せから仰向けに寝返り、月の光が差し込む窓を見上げながら呟いた。


 いったい明日になったら何をされるのだろうか、見当もつかない。それに、王族のミリアやマリアも素っ気ない様子で、一度も目を合わせてくれなかった。


「まぁいっか・・」


 そう呟きながら、目を閉じてリルとクウコに念話を繋ぐ。


『リル、クウコ・・』


『・・・・ハル、もう少しで着くよ』


『リル、着くって?』


 コンコン・・


 部屋の窓から音が鳴り、目を開け視線を向けると4つのケモ耳が影となって窓越しに見える。


 バキッ


 鍵がかかっていた窓を窓枠ごと外し、リルとクウコが窓を押しながら部屋に入り後からミオとミリナが入ってきた。


 ゴトンッ・・バフッ・・


 床に窓を置いて、リルとクウコがベッドに飛び込み抱きつきケモ耳の先が鼻先を擦りくすぐったい。


「「 ハルッ!! 」」


「リル、クウコ静かにな・・」


「「 ご主人さま 」」


「ミオ、ミリナ・・」


 胸元で顔をスリスリするリルとクウコとは違い、ミオとミリナはゆっくりとベッドに上がり俺の横へと寝転んで密着してくる。


「今夜は、このまま寝ようか?」


「「「「 うん 」」」」


 この部屋で監禁されているとはいえ、この4人が傍にいれば問題ないだろう。そう判断し今夜は狭いベッドで寝ることを決める。


 その前に部屋のドア前には土魔法アースウォールで強固に塞ぎ、外から部屋に入れないようにして久しぶりの獣人シスターズとの同衾を楽しんだのだった・・・・。


 


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