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11章 王都逆襲編 19話 あらぬ容疑、そして連行・・

アクセスありがとうございます。


 ドンッ!


 背中を蹴飛ばされた俺は、アメリアが座っていた窓口近くの転がり壁を蹴って受け身を取る。


「いってぇ〜」


(やっぱ、ここのギルドに来ると必ずトラブルに巻き込まれるな・・)


 立ち上がり、俺を蹴飛ばした奴を探そうとするも立っているのは制服姿のアメリアとミオ達4人だけで、さっきまで取り囲んでいた冒険達は全員床に倒れ意識を失っていた・・。


「あれ・・やっちゃったの?」


「ご主人さまを害する者は、排除しました・・でも、1人だけ逃してしまったようです」


 ミオが申し訳なさそうに呟く。


「4人でこの人数を瞬殺ね・・・・それで、俺を蹴った奴は?」


「ハル、こいつだったぞ・・ウリウリ・・」


 アルシアが細剣の鞘で倒れた男の後頭部をグリグリ押し付けている。


「アルシア・・」


「ハル、大丈夫なの?」


 アメリアが心配そうに傍に寄って、なぜか全身をペタペタ触っている。


「大丈夫だよ、これぐらい大したことないよ」


「・・そう?ならいいけど・・そうだ、着替えて来るから待ってて」


「うん。待ってるよ」


 アメリアは、小走りに事務所の奥へと姿を消して行く。


「さてと・・みんな、久しぶりだね」


「 ご主人さま、ずっと探していたのですよ・・それで、王都が魔物に襲撃されていると聞いて今日戻って来たら全てが終わっていまして・・」


 ミオが涙目で俺の左手を掴み見上げて言う姿に、まだ子供っぽさが残っている。


「ごめんな、ミオ・・気付いたらどこかの野原に居たんだよ・・」


「そうですか・・あれ?この香りは・・」


「あぁ、偶然だけどリルとクウコの2人と再会したんだ」


「やはり、リルちゃんとクウコちゃんのモノだったんですね・・でも、2人はどこに?」


「2人は、宿屋で留守番させているよ」


「そうですか・・」


 立ち話もと思い、アメリアが来るまで冒険者達が寝転がっていないテーブルのイスに5人で座る。


「それよりもさ、王都の南の先にある村で買った家が貴族の物になってたんだよ・・」


「「「「「 貴族のモノに? 」」」」


「そ〜なんだよ・・街にくる前に寄ったら、家から知らないメイドが出て来てそう言ったんだよ・・ここは公爵家の別邸だ!って」


「ハル、それは少し変だぞ・・」


「変だよな、アルシア・・家がいきなり貴族の所有物にされてるなんてさ」


「いや、そうではなくてな・・あの家は、ハル家で間違いないハズだ・・」


「ん?どう言うことなの?」


「それはな・・・・」


 バタン!


 不意にギルドの出入り口ドアが乱暴に開けられたことで、大きな音に反応しドアの方向を向いたため俺達の会話は中断された。


「動くな!ギルド内での乱闘通報を受けて参った、騎士団副団長ヨルン=スクートだ!」


 ドアを乱暴に開けた正体は、騎士団の副団長と名乗る金髪の青年だった。


 その副団長騎士の背後には、10 人の騎士が逃走出口を塞ぐように立ち並ぶ。


「なんか、面倒なのが来たな・・」


 そう呟いていると、騎士に守られながら男冒険者がゆっくりと顔を覗かせ俺達を見て指を差す。


「あ・・あいつです!あの男が俺らの仲間を・・」


「はぃ?・・俺か?」


 蹴飛ばされた被害者の俺が、犯人扱いされている。


 副団長が俺を見ながら歩き間合いをとり止まる。


「・・君が、あそこに倒れている男達と揉めたのかな?」


「揉めたというか、あの男に背中を蹴飛ばされただけなんだけど」


「・・・・それだけで、彼らがああなるとでも?」


 俺を疑いの目で見下ろしている。あの目は、俺が1番嫌いな目だ・・。


「さぁ、仲間内で揉めたんじゃないのか?冒険者ならよくあることだし、あいつだけ無傷ってのも変だろ?」


 騎士団に通報した男冒険者に俺は指差した・・。


「ううむ・・・・」


 副団長は、俺と騎士の横に立つ冒険者に視線を交互に移していると・・。


「どうして、騎士団がギルドに?」


 争いごとに不干渉のギルド職員達の中でも、業務が終わり着替え終わったアメリアがホールに出て来て副団長の前に出てくる。


「貴方は?」


「ギルドの受付担当のアメリアという者です」


「なら、ここで起きた状況は見ていましたか?」


「はい。彼らが、ここに座る帝国冒険者を一方的に手を出していました」


「なに?・・君は、帝国冒険者なのか?」


「まぁね・・帝国のソロ冒険者だよ。今日は、活動登録に寄っただけなんだけど・・」


 胸元にしまっている帝国ギルド発行の冒険者カードを見せる。


「確かに・・これは帝国が発行しているモノに間違いはないな・・」


 俺が提示したカードを見て、副団長は納得してくれている。


「わかった・・こちらとしても帝国側と揉める案件は避けたいのが本音だ・・」


 これで終わる流れのハズだったけど、あの通報者が余計なことを口にする。


「待ってくれ、その男は女達と繋がっているんだ!」


 この言葉にギルド内の空気がピンっと張り詰めたような感じになる。


「それは、本当かい?帝国冒険者殿」


「・・旅の道中で出会ったから初対面では無いな」


 副団長は、深く溜息をつき俺を見て告げる。


「そうか、関係があるのならば、詰所に来てもらう必要があるな・・もちろん来てくれるかな?」


「はぁ・・断っても強制的に連行するんだろ?」


「結果的には、そうなるから素直に来てくれる方が君の為にもなる」


「・・わかった。俺1人でいいんなら行くよ」


「ありがとう、それでは今から来てくれ」


 俺は立ち上がり、先に歩く副団長の後をついて行く途中にアメリアに小さな声で伝える。


「南門の宿屋街の一番端のボロい宿屋の2階5番部屋にリルとクウコが待っているから、みんなで迎えに行って欲しい」


 アメリアは、無言で頷き了承してくれた。


 そして俺は、ギルドを出る前にミオ達を見て笑顔を見せる。彼女達ならきっと後から隠れながら追跡してくれることが手に取るようにわかるから・・。


(あんまり派手に暴れるなよ・・)


 そう思いながら俺は、騎士達に囲まれて詰所のある場所へと歩いて行ったのだった・・・・。

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