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9章 イシタ公国編 7話 王国地方都市フリュー④

アクセスありがとうございますー


「本当にすみません・・こんな形になってしまって・・」


「しょうがないですよ。王国騎士団長からの命令なら従うしかないですもんね・・」


 宿を出たところで、リリスが見送りに来た、彼女から出る謝罪は俺ではなく、連れ添っている彼女達へと知りながら俺が対応する。


「また泊まりに来てくださいね・・」


「この街に立ち寄ることがあれば」


「絶対にですよ」


 最後の誘いだけは、俺に向けているのだろうと感じさっさと買い物へ行くことにした。


「ラニア、蓄えが少ない物を優先的に買おうか?」


「はい、そうですね」


 ラニアと買い物について歩いているが、ヒシヒシと感じる視線を背中に感じ振り向くとリリスが宿屋の前でまだ見送っている姿がある。俺が振り向いたせいなのか笑顔で手を振り何か行っているが遠くて聞こえない。


 そのまま通りの角を曲がり、やっと彼女の姿が見えなくなり心が安心する。


(やっとリリスから離れることができだけど、また出会いそうだな・・)


 商店が集まった通りに来たところで、買い物をラニアに一任し俺は自由に商店を見て周り気に入った物を購入していく。


 もちろん、アイナや真衣達にも単独行動をしないことを条件にお金を渡し欲しいのを買うように伝え別れたが、ミオとミリナは俺についてくるようだ。


「おっ?あそこに出店があるじゃん」


 歩く先にある広場に立ち並ぶ出店を見つけ、俺の足は自然と向いていた。


「美味しそうな香りですぅ〜」


「そうだね、ミオお姉ちゃん〜」


 後ろを歩くミオとミリナが鼻先を前に出しクンクン匂いを嗅いで、チラッと俺を見ては目を瞑り再び匂いを嗅ぐ仕草をしてチラッと俺を見る仕草を繰り返している。


「・・わかってるよ2人とも。あの肉串がいいんだろ?」


「「 はい!! 」」


 笑顔になる2人を連れて、肉串を売っている出店へと向かった。


「あの・・」


「いらっしゃい!うちのは、うまいよ!」


「・・焼き上がってる肉串を全部ください」


「へ?・・・・」


 俺の買い占めに店主が状況を理解できない顔で俺を見つめている。


「あ〜すいません。その焼き上がっている肉串を全部売ってください」


「お、おぅ・・全部?全部な全部!っなら、銀貨1枚だ」


 俺は銀貨1枚を支払うと、店主は5本ずつに分けられた袋を10袋受け取りミオとミリナに手渡した後に今日の在庫分を全部売ってくれるか聞いた。


「それと、今日ここにある在庫分も全部売ってくれませんか?」


「ざ、在庫分もか?」


「はい、この子達の好物なんで」


 店主は、ミオとミリナをチラッと見て口を開く。


「いくら支払える?」


「そうですね・・在庫の数にもよりますが、言い値でいいですよ?」


「ホントか?」


「はい」


 ソワソワしている店主は、決心したようで震える唇をなんとか動かし値段を言う。


「き、金貨1枚でどうだ?」


「金貨1枚?・・なら5枚で」


「5みゃい?・・キンカ5マイ?・・金貨5枚!それだ!」


 想像を遥かに超えた金額に決まり、店主の手が震えているが素早い動きで箱に入った在庫分の肉串を先に手渡してくるため、そのままアイテムボックスに収納していく。


「お、おまえさん箱は?」


「あぁ、ポーチに収納したから問題ないですよ。はい、金貨5枚ね」


「た、たしかに・・じゃぁ、今日は閉店だから」


 店主は片付けを済ませると、どこかに帰って行った。


「ご主人さま、行っちゃいましたね。肉の人」


「だね・・とりあえず、あそこに座って食べようか?」


「「 はい!! 」」


 元気な声で返事をするミオとミリナを広場の隅にある石垣に座らせ肉串を食べさせる。夢中で頬張る2人の隣に座り街並みを眺めていると視界にマリアの姿を捉えると、その後ろには護衛をしているかのようにアイナとリンがついて歩いている。


「元は王女様だから、地方都市の店が珍しいのかな・・」


 そう呟きながら3人の姿を目で追って時間を潰していたが、人混みへと消えていったため溜息をつき空を見上げていると不意にミリナに声をかけられる。


「ご主人さま?」


「ん?どうしたミリナ」


「おかわり」


「はいはい、どうぞ」


「「 ありがと 」」


 ミリナとミオにもう1袋ずつ手渡し、そっと2つの水筒を足元に置いてやる。


 食べ終わった2人の汚れた口を拭いた後に足元にある水筒の水を飲ませ、買い物の続きを始めた。ある程度見回って欲しいものを買った俺達は、みんなの状況を念話で確認する。


『みんな、俺だけど・・買い物の方はどうかな?』


『おにぃ、琴音達の方は終わったよ。ラニアさんの方もね』


『りょーかい』


『ハル、こっちも終わりました』


『ありがとう、アイナ。みんな終わったみたいだから、馬車預かり所近くで合流しよう』


 念話スキルで次の集合場所を決めた俺は、商店を出て集合場所へと向かう。人通りの多い通りを歩いていると、途中で冒険者パーティーとすれ違う瞬間に気になる言葉が耳に入り、ミオとミリナの手を掴んで引き返し後をつけ会話の盗み聞きをはじめる。




「・・でも、本当にネルサの治癒魔法がなかったら、俺達全滅だったよな?」


「だよな・・本当に感謝してるぜ!ネルサ様」


「・・もう、そんなに褒めても何も出ないわよ2人とも」


「なんだ、ちょっとは期待していたんだけどなぁ〜アッハッハッハ!・・でも、運がよかったな。パーティー全員が生きているんだ」


「そうだな・・他のパーティーは、ほとんど全滅か壊滅状態だった。あの地面を覆い尽くす程の魔族を目の前にして、死を覚悟した時に王国から来た勇者様に助けられたんだ。もう奇跡って言葉しか浮かばないぜ」


 どうやら、前を歩くパーティーの話を聞く限り、イシタ公国の戦場にいた冒険者のようだ。そのまま俺は、適度な距離感で歩き会話の続きを聞く。


「でも、イシタ公国の冒険者達も王国領土まで避難させてくれるとはな・・」


「これも、あの勇者様の意向らしいわよ」


「本当かネルサ?」


「本当よジリアス。誘導してきた王国騎士が言っていたもの」


「でもな〜あの横柄な王国騎士が本当のこと言うのか?」


「何よ・・クロウも私のことを信じないの?」


 そんな会話を聞いていた俺は、何か足りないと思い背後から冒険者パーティーに声をかけてしまう・・・・。


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