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9章 イシタ公国編 6話 王国地方都市フリュー③

アクセスありがとうございます


「お待たせしました〜今晩の夕食は、お肉料理がメインとなります」


 リリスが運んで来た料理は、メインが肉料理と言ってもほとんどが肉料理だった。頼んでもいないのに、人数分のエールが運びこまれ上機嫌になったシェルが飲み続け巻き込まれるように皆がエールを飲み始める。


 俺は、エールをに見続けるように見せて、アイテムボックスへと流し込んでいる。周りのみんなはガチで飲んでいるため顔を赤くしテンションが高い。もちろんあのアイナも普段より喋り上機嫌だ。


 ただの夕食が宴会に様変わりして酔っ払いの集団と化した皆は、飲み慣れないエールをたくさん飲んでしまったため千鳥足で階段を上がり、ギャーギャー騒ぎながら部屋へと帰って行く。


 途中で酔い潰れたミオとミリナは、アイナとリンに抱き抱えているような感じで引きづられながら連れ帰って行っている。


「みなさん、夜は静かにしてくださいね。他のお客様もいますので〜」


「「「「  は〜〜い!!!! 」」」」


 リリスの言葉に上機嫌で返事をする彼女達は笑顔で手を上げて階段を上がって行く。1人残った俺は、リリスの様子を見ながらジョッキに残ったエールをゆっくりと飲み干して席を立つとテーブルを挟んでリリスが立っている。


「どうかした?」


「・・いえ、お酒に強いのですね」


「まぁね。それじゃ、オヤスミ」


「ごゆっくり・・」


「もう抜きにくるなよ」


「いやん・・イジワル」


 リリスと別れ階段を上がり部屋に入ると、酔っ払いの集団がベッドで寝ている。


「酒臭え部屋だな・・」


 このままじゃ寝れないと思い部屋の空気を浄化し無臭となったところで部屋のドアを閉めると、ドアの音で目を覚ましたのか、カラが起き上がり俺の腕を引っ張りベッドへと倒しこまれる。


「ん〜ハル」


「カラ・・寝るよ」


「ヤダ・・」


「ヤダじゃないよ」


 パチっと目を開けたカラが、俺を見て口を開く。


「ねぇ、私にもスキル教えて欲しい・・このままじゃ」


「そうだね。カラは受付嬢の前に冒険者を少しやっていたよね?」


「ちょっとだけね・・」


 そのままカラと手を繋ぎ彼女の魔力を調べる。


「手を繋いでどうするの?」


「カラの魔力を調べる」


「調べる?・・んぁっ なにコレ?」


「俺の魔力をカラの指先へ流して、カラの魔力と繋げようとしているんだ。そのまま受け入れてみて」


「んっ・・ちょっと、くすぐったいよハル」


「そのまま我慢してみ・・んっ」


 モゾモゾしていたカラが漏れ出す声を我慢できず不意に唇を重ねてきた。少し驚いた俺は、カラに流した魔力量を増やしてしまい感度が超敏感になってしまったカラはグッと身体を俺に押し付け足を絡めてくる。


んん(カラ)


「ぷはっ・・ダメッ!きちゃう・・大きいのがきちゃう!!」


 その言葉をきっかけにカラは全身を仰け反り硬直したまま意識を失ってしまい、足元が急激に濡れてくる感覚があったため生活魔法クリーンで綺麗にしてあげて眠りについた。



 目を覚ますと、目の前に涙目になったカラの顔がある。


「・・おはよ」


「・・・・」


 カラは何も言わず上半身を起こしベッドの隅で座っている。


「おにぃ・・昨日は凄かったね」


 耳元でささやく琴音の言葉に昨夜のことを思い出しカラを見つめていると、視線に気付いたのかカラがゆっくり振り向き俺と視線が重なると声を出すことなく口を動かす。



 バカッ・・・・


 きっとそう呟いたのだろうと察した俺は、ゴメンっと口に出す前に視線を外されてしまいタイミングを失った俺はそのまま飲み込んでしまう。


 すると廊下を歩く足音が聞こえこの部屋のドアが開かれると、アイナとリンが入ってきた。


「ハル、起きたか・・」


「朝早いなアイナ・・なんかあった?」


「少し街の様子をリンと見てきたのだが、どうも様子がおかしい。負傷者を乗せた馬車が数台街に入ってきて一か所へ集められているようだ」


「負傷者が?・・イシタ公国から後送された感じ?」


「間違いないと思う。なぁ、リン?」


「ハルさん、それに同行していた王国騎士に後方部隊で見かけた顔が数人いました」


「そうか・・ほぼ確定だな」


 アイナとリンが今朝の街の状況を教えてくれる。すると階段を急いで上がる足音が近付きノックもなくこの部屋に入ってきた。


「お客さん!」


 突然部屋に入ってきたのは、リリスだった。


「どうしました?突然・・」


「本当に突然だけど、部屋を空けてくれませんか?」


 突然の退去を求められた俺は、彼女に理由を聞く。


「えっと連泊しようと思っていたんだけど、どうしてなの?」


 リリスは視線を一度床に向けてから俺を見て告げる。


「・・王都から来た騎士達の指示なの・・それも騎士団長の命令で」


「はぁ?騎士団長の命令?」


 リリスから騎士団長の命令だと言われ、あいつに所在がバレたのかと不安が過ぎる。


「はい・・でも、この宿にいる方全員が対象なので。お客さんだけが対象ではないです・・そこは安心してください」


「そうか・・でも、いきなり出ろと言われても」


「ですので、朝食を食べられてからお願いします。昼からこの宿は負傷者を受け入れなければなりませんから」


「わかりました。昼までには出ます」


 リリスは申し訳なさそうに深く頭を下げて階段を降りて行く。それを見送った後に隣の部屋で支度をしているマリア達をこの部屋に呼ぶようリンに伝えて、この部屋に全員が揃う。


「みんな、急遽だけどこの宿が利用できなくなった。だから、これから街で必要な買い出しをして次の街に向かうから」


 たまたまこの部屋にいなかった真衣が俺に聞いてくる。


「ハル、突然どうして?もう少しゆっくりするって聞いていたけど・・」


「ごめんな真衣。さっき宿の人に言われたんだ。原因は、王国騎士団長の命令で一般客を追い出して負傷者を収容しろってさ」


「そんな・・急に横暴を・・」


「なんでだろうね・・きっと負傷者を収容する場所が足りなくなったんじゃないかな?」



 そう言って彼女達を納得させた後は、支度を済ませ下の食堂で朝食を食べた後に買い物をするため宿を出た・・・・。


 

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