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9章 イシタ公国編 4話 王国地方都市フリュー①

アクセスありがとうございます


 真っ暗で何も無い世界から、何かを感じて本能的に意識が覚醒し光と音をの世界に戻される。


「ご主人様、起きて・・朝ごはんできたよ」


 この世界に俺を引き戻したのは、黒髪オッドアイの猫人族少女のミオだった。


「・・おはよ、ミオ」


 俺を見つめるミオのケモミミも撫で、気持ち良さそうに目を細め委ねているのを見て満足した俺は撫でていた手を離し立ち上がる。


「行こっか、ミオ」


「はい」


 外に出ると皆が朝食を食べていて、俺は空いているイスに座りラニアが持ってきてくれた朝食を受け取りミオと2人で食べる。


 俺はふと食事中のみんなの表情を見ると、特に召喚組の真衣達に疲労の蓄積が感じ取れるため次の街で少し休養が必要だと考えた。


 それから朝食を摂り終え一息ついた後にテントを片付け、野営地を離れ街へ向けて出発し街道をひたすら進み続けるが、長い旅のため最初より口数が減り静かな時間が多い。


 俺は荷台から御者台へと移動し、ラニアの隣りに座る。


「ラニア、そろそろかな?」


「はい、あの裾野を超えると地方都市フリューの街並みが見えてきます」


「わかった。フリューの宿屋で休もう」


 それから近づく裾野を眺めながら街道を走ると、都市ニシバルより少し規模の小さい街並みが見えてくる。


 ここは王国領土内のため、俺とラニアそしてミオとミリナ以外は、隠密スキルの練習を兼ねて姿を消させてから街の門へと向かうことにした。



「次の馬車!こっちへ」


 俺達の順番になり、馬車を門兵の前へと移動させる。


「身分証と1人につき銀貨1枚が必要だ」


 御者のラニアが身分証とを見せている。


「王都の商人か・・後ろは?」


「護衛の冒険者とその奴隷です」


 門兵が荷台の後ろから中を覗き俺と視線が重なる。


「おい、3人だけか?」


「あぁ、俺とその奴隷2人だけだ」


 俺の奴隷とと言う言葉に、ミオとミリナが嬉しそうな顔をして俺を見ているが今はスルーして、胸元にあるギルドカードを門兵に見せた。


「てっ・・帝国の冒険者・・なのか?」


「まぁ、そうなるね」


 門兵は何かぶつぶつ言いながら、ラニアの方へと戻って行く。


「銀貨4枚払うか?」


「はい」


「たしかに・・馬車は入って左の方にある預かり所を利用してくれ」


「わかりました」


 ラニアは門兵の指示通りに門を通過すると左に曲がり預かり所へと移動させ停止すると、隠密スキルで隠れているメンバーが荷台から降りて店横から裏路地へと向かう。


 馬車預かり所の男から宿の場所を聞き、通りをゆっくり歩いていると隠密スキルを解除したメンバーが自然に合流し宿屋に辿り着く。


「店の男が言っていた宿屋は、ここかな?」


「そう見たいですね」


 ラニアと見上げる宿屋らしき建物の入り口には、ベッドが描かれた看板が軒先にぶら下がっている。いつものように俺が先に入ると、カウンターがある受付で何かをしている女性が足音に気付きこちらを見る。


「いらっしゃい!団体さんかな?」


「はい。この人数なんですが、今夜泊まれますか?」


「・・普通のパーティーより多いね。しかも男は貴方だけ・・うちなら2部屋で受け入れ可能だけどどうする?」


「2部屋ですか・・」


「この街にうち以外の宿屋で団体客を2部屋で受け入れる宿屋は無いよ?」


「ホントに?」


「冒険者パーティーは多くても6人だから、貴方のパーティーみたいな団体を想定した部屋をどの宿も準備してないと思うよ」


「ですよね・・それならお願いします」


「ありがとう、1泊金貨4枚で食事込みだからね」


 営業スマイルの彼女に金貨4枚を手渡し、部屋の鍵を2つ受け取り奥の階段へ行こうとしたら呼び止められた。


「ゴメン待って!代表者の身分証を見せてもらってなかった」


「あぁ、そうでしたね」


 俺は受付まで戻り胸元からギルドカードを取り出し彼女に見えやすいよう提示する。


「ありがとう・・って帝国の冒険者?貴方もイシタ公国に?」


「えっ?・・その予定です」


「気をつけてよ・・ここだけの話しだけど、隣町にはイシタ公国で負傷した騎士や冒険者で溢れ返っているそうよ。もしかしたら、この街にも流れてくるかもって商人ギルドの職員が言ってたから」


「そんなに酷い状況なんですか?」


 今まで黙って聞いていたマリアが急に口を開く。


「そ、そうみたいよ。怪我人の殆どが騎士で、それを冒険者達が運んで来ていたと聞いたわ。しかも、街全体が野戦病院と化してるみたいよ」


「そう・・ですか」


「で、でもね!王都から来た勇者様のおかげで危機は乗り越えた見たい。しかもその勇者様は若くて男前って聞いたから一度でいいから会って見たいわ」


 勇者の言葉から興奮しはじめた彼女は、頭の中が勇者一色となり恍惚の表情で腰をくねらせている。


「あ、ありがとうございました。部屋で休みますね」


「んぁ〜勇者さまぁ〜」


 俺の声が届かなくなった彼女を放置して、俺達は階段を上がり3階の部屋へ入ると、ラニアに地図を床に広げるよう伝える。



「はい。少しお待ちください」



 宿屋の勇者ゾッコン彼女の話を聞く限り、戦況は好ましくなく勇者頼みの状況だと判断する俺はこれからの行動を考え直す必要があると思いラニアの準備が終わるのを待つことにした・・・・




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