9章 イシタ公国編 1話 移動と強化①
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王都に所在する冒険者ギルドが早朝に所属する冒険者パーティを率いて、予定より早くイシタ公国へと向かって行った。
あの大規模な夜戦から時間がそんなに経っていないはずなのに、ギルドの対応が速すぎると違和感を感じながら出発の準備を整える。
「さぁ、出発だ!!」
エリーナ達がイシタ公国へと向かった日の昼過ぎに、俺達も家を出発し街道を順調に走り野営を繰り返し7日程が経った。
(さすがに、真衣達に疲れが見えてきたな・・)
召喚組の真衣達は、マリアやミオ達のこの世界で育った子達と違い馬車の旅に慣れていないようだった。俺は、御者台にいるラニアの隣に座り最寄りの街までを聞いた。
「ラニア、ここから近い街までどれくらいかかる?」
「そうですね、明日の昼には着くと思います」
「明日の昼か・・少し急ごうか?」
「わかりました」
ラニアは馬車の速度を上げ、急ぐことに同意してくれる。その分、襲撃する魔物との会敵し攻撃までの時間が短くなるため、気配探知スキルで周囲の魔物の動きを把握する。
(今のところは、問題なさそうだな)
街道を走り続け夕方になってきたため、俺とラニアの判断により街道脇にある空き地で野営することにした。
「みんな、今日はここで野営するよ。明日には・・えっと、なんて街だっけ?」
「フリューです」
「そうそう、フリューって言う街に着くから。そこで宿で泊まって、移動の疲れを癒そう」
ミオとミリナ達に野営の準備を任せた俺は、琴音と美音を連れて魔物避けの香を周囲に置気に行く。
「琴音、美音」
「「 なぁに?? 」」
「2人のジョブは何?」
「琴音は、魔法剣士かな」
「美音は、魔法師だよ」
左右で歩く琴音と美音は前に出て、後ろ向きで歩きながら教えてくれた。
「そっか、なら2人の得意魔法は?」
「おにぃ、琴音は火魔法かな?」
「にぃに、美音は治癒魔法だよ」
琴音は少し自信がなさそうな感じだったが、美音は得意げな顔をしている。
「なるほどね・・強化スキルとか持ってる?」
2人の話を聞くと、どうやら召喚者組は召喚時に身体強化スキルを貰っているらしい。それと、スキル配分で琴音は瞬足スキルを持ち、美音は魔力自動回復スキルを選んだと言っている。
「琴音は、剣士寄りだから攻撃向けスキルの向上が優先だね。美音は、治癒魔法の強化を優先か」
「おにぃ・・もしかしてアレをやるの?」
「アレって?」
「にぃに、アレだよ!マリアさんが言ってたやつ」
「あぁ、そうだね。夕食後にでもやろうかと思っているよ」
「「 そう、なんだ・・」」
琴音と美音は、歩きながら俯いてしまっている。
「2人が嫌だったら、止めるけど」
「「 嫌じゃないよ!! 」」
魔物避けを置き終わり、野営場所に戻るとテントも設営が終わりラニア達が夕食を作っていて、俺達の帰りをマリアが気付き顔を向ける。
「お帰りなさい」
「ただいま、マリア」
「ハル、みんなにクリーンをかけてもらってもいい?」
「いいよ」
ラニアのキリがいいところで調理を止めて、皆がテントの中へと入って行く。しばらくしてテントから顔だけを出したマリアに呼ばれてからテントの中へと入って行く。
「な、何度見てもこの光景は凄いな・・」
「ハル、そんな見られたら恥ずかしいから早く・・」
マリアが恥じらいながら苦情を言ってくるため、手早く済ませることにする。
「生活魔法、クリーン!」
テントの中に優しい風が吹き始めるとともに、対象者の皆が水色の光に包まれていくのを見守ること数秒で魔法の発動が終わり、スッキリとした顔をしている。
「ありがとう、おにぃ」
「あいよ」
琴音の礼を聞いて、外へ出ようとしたら誰かが背後から抱き付いてきた。
「ん?」
「にぃにのエッチ!」
「美音・・しょうがないだろ?みんな裸になるんだから。クリーンは、別に裸になる必要は無いんだぞ?」
「・・知ってるよ。にぃにだから、みんな見せてるんだよ?」
「マジ?」
「マジマジ」
後ろから抱き付き、したから見上げる琴音は、もちろん裸だ。異世界で妹と関係を持ってしまった俺は、この光景を受け入れてしまている。元の世界なら絶対にあり得ないはずなのに。
「いいから、早く服を着ろよ。いろんなところが当たっているし、俺の身体は綺麗にしてないぞ」
「にぃになら、なんでも受け入れるよ」
「美音、さすがに俺も・・だからな」
「俺も、なぁに?」
そんなやりとりを美音としていると、真衣が美音を注意してくれた。
「美音ちゃん、ハルが困っているでしょ?それよりも早く服を着てね」
「は〜い!」
真衣から注意され美音はスッと離れ、置いてある服のところへ戻って着替え始める。美音以外は着替え終わりテントから出て夕食の手伝いへと向かう。
テントの中は俺と美音だけになり、着替え終わった美音がニヤニヤしながら近づいて来たため俺は急いでテントから出る。
「ハルさん、夕食ができました」
俺が美音から逃げるようにテントから出ると、ラニアから声をかけられた。
「ありがとう、夕飯にしよう」
それから、イスを並べて暗くなる前に夕食を食べ終わった俺達は、焚き火を囲みまったりとした時間を過ごしている。
周囲は静かで、聞こえるのはマリアとアイナの会話と焚き火が出す音ぐらいだ。すると、真衣と愛菜が立ち上がり続いて琴音と美音が立ち俺の前に来る。
「どうした?」
「ハル、その・・アレを頼めるか?」
「・・そうだったね。その前に、真衣と愛菜に聞きたいことがあるんだ」
俺は、真衣と愛菜に琴音達と同じよ質問をした。真衣は槍使い。いわゆるランサーで愛菜は剣士。剣聖だの賢者とかの上級ジョブは男子が全て持っていて、真衣達にチートジョブの恩恵はなかったようだ。
(女神は、女嫌いなのか?不公平じゃないか・・)
「りょーかい。だから勇者と別行動が多かったんだね。4人ともテントに行こうか?」
「「「「 うん 」」」」
先に真衣達をテントに入れて、俺は最後に入るその前にアイナとアルシアに告げた。
「アイナ、アルシア。2人にもスルから、後から入って来いよ?」
「「・・・・・・」」
2人は無言だったが、頷いて了承してくれた。
そしてテントに入ると、順番を巡って4人が譲り合っている。
「最初は誰かな?」
「ハル、まだ決まってないんだ」
真衣がそう言って、それからも互いが譲り始め終わりが見えない。俺は、少し溜息をついて一方的に順番を告げる。
「最初は、真衣からな。次に愛菜。そして、琴音と美音の順番。最後に外にいるアイナとアルシアだから。
最初が真衣と言ったため、真衣が目を見開きジッと俺を見つめている。
「真衣、諦めて俺のここに座って」
俺は、テントの奥であぐらの姿勢になり、太腿を2回叩き真衣に座るよう促す。
「・・うん」
真衣は小さく返事をして、素直に俺の足の上にゆっくり座るが緊張しているため背筋がピンッとしている。
「仕方ないな」
そう呟きながら真衣の両肩に触れて、背中を預けるよう手前に倒し身体を密着させ両手を握り耳元で呟く。
「真衣、はじめるよ」
「ハル、やさしくシテ・・」
「あぁ、俺に身を委ねて」
「うん」
俺は、重ねた両手から微量の魔力を操作し真衣の魔力と繋がれる調整を始めるのだった・・・・。




