F組のメンバー達
「あぁ?てめなに中だこら!俺より遅れてくるとはいい度胸じゃねぇか!」
赤みがかった髪の男の子が肩を揺らしながらこちらに向かってくる。
「ひいぃぃぃ!!」
わからないけどものすごく怒ってる!
何もしてないのに!?
「おいこっち見ろ!」
「ごめんなさいごめんなさいごめ…ん?」
なんか目線が合わない。
思ったより下に…。
「ちっさ」
私の背が163センチくらいだから…150センチちょっとだろうか?
「てめぇ…。言ってはならねぇことを…」
「あっ!今のはちがっ!」
「テオくーん。あんまりいじめんといたりーな」
声のする方を見ると教室の奥に糸目の男の子が笑いながらこちらを見ている。
「ごめんなぁ、テオ君不器用やからこういうコミュニケーションしか取れへんねん」
面白いものを見るような目だ。
「あ?てめ、ソウマ!いらねぇことは言わなくて…うおっ!」
振り返って糸目の人のところへ歩いていこうとしていたが急に視界から消えるようにいなくなった。
そしてゴン!という音が鳴り机が倒れる。
「…がはっ!」
「ええ!?」
転んで机の角に頭打って自爆した…。
「くくっ…何やってんねん。ほんまおもろいなぁ」
おどけるように言うが気絶しているようで返事がない。
「ん?」
足元を見ると何か布のようなものが落ちている。
拾い上げるとハンカチのようで足跡がついている。
これを踏んで転んだのだろう。
「あ~、私のハンカチ~」
見るとピンク髪で長髪の女の子が眠そうな顔でこちらに向かってくる。
「これ、踏まれちゃったみたいだけど…」
そう言ってハンカチを渡す。
「え~?気に入ってたのに~」
とてもゆっくりとした口調はあまり残念そうには見えない。
「えっと…あなたもこのクラス?」
「え~?多分~」
そしてジッとハンカチを見つめる。
「あげる~。お近づきの印~」
「え!?これ気に入ってたんでしょ!?」
「あ、そうだった~」
そうしてハンカチをポケットにしまった。
この子、おっとりというより不思議ちゃんだ!
ソウマと呼ばれていた糸目の人がこちらに向かってきた。
「君、試験で最下位やったナギ・ミスティアちゃんやろ?」
「え"っ!」
ばれてる!
「僕、ソウマ・フォグライト。ソウマって呼んでや」
「はぁ…よろしく」
なんか胡散臭い。
「私、ミーネ・エレノア~」
手を差し出してきたので握手をする。
「よ、よろしく」
「そんで頭打って倒れてんのがテオ・ランプ君、いい子やから安心してや」
ほんとかなぁ…?
「あとは向こうで何も言わんと座ってるのがイリス・ルーン君」
見ると紫色の髪の毛で片目だけ見えるような長さの男の子。
「…どうも」
少しこちらを見て一言だけくれた。
結構気難しい人?
「えーっと…紹介ありがとう。ナギ・ミスティア…です」
うう、最下位とか言われたから自己紹介しづらい!
「そんでなぁ!」
と続けようとしたところ背後から声が聞こえた。
「もう時間だぞ、席につけー」
やる気のない声だ。
見ると茶色い長髪の女の教師が立っていた。
「担任のカミラ・リーンフォードだ。今日は顔合わせだけで5分もかけるつもりもない。遅かったら内申点響かせるから覚悟しろー」
「え!?は、はい!」
そうして気絶しているテオ以外が席へとついた。
「せんせー、テオ君が気絶しています」
「なんだ?水でもぶっかけとけ」
一瞥すると完全に興味を失ったようだ。
ちょ…この先生大丈夫なの!?
「全員そろってるな、じゃあ初日だが転校生を紹介する。入ってこい」
「ええ!?先生!そんな初日に…って…」
その顔はとても見覚えがあった。
「今日からF組になりました赤月渚です。あ、ナギ、このクラスでもよろしく」
あの先生…。
『これ以上驚くようなこともないはずだ…だ…だ…』
そんな声が木霊する。
「嘘つきーー!!」
私は叫び声をあげずにはいられなかった。




