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真実の打ち明け

移動中、私たちは10人は乗れるであろう絨毯型の箒に全員乗せられていた。

「絨毯型ってすごいね。楽々だよ!」

「大きい」

渚と私は景色を見ながら乗り心地の良さに感動する。

「なあ」

ソウマの声に振り向くとみんなが神妙な面持ちでこちらを見ていた。

「な、何?みんな」

「?」

そしてここにいるメンバーにしか聞こえないようにソウマは口を開く。

「うん、ちょっとええ?今の内に渚ちゃんに聞きたいことあんねんけど」

「…」

無言で渚の前に出る。

「待って、渚は…」

聞きたいことはなんとなくわかる。

でもそれを言ってしまうと今回の騒動の原因が渚にあることになって…。

「ナギちゃんにも関係あることやろ?っていうかやっぱりナギちゃんは事情は知ってんねんや」

「う…」

知っている事実を看破され言葉を失ってしまう。

「…一応口止めはされてる」

渚が言うとテオはため息をつく。

「ここまで来たならもう変わんねぇし無関係でもないだろ。つーか今聞かなきゃ納得できねぇし後で知ることだろ。吐いちまえよ」

「でも…だったら私が」

「ナギちゃん~それはダメ~。渚ちゃんが言わなきゃ~」

「…聞く権利…ある…」

ミーネとイリスも加勢しだす。

渚が話す以外にはどうにもならなさそう…。

「ナギ、大丈夫。問題ないから」

渚は迷っている私の肩をつかみ、前に出た。

そして話し始める。

「私は…あの包帯男の言ったようにこの世界とは別のところ、異世界から来た」

「異世界~?」

ミーネが聞く。

「そう、異世界。あ、異世界からと言ったけど、私にとってはむしろここが異世界。物理法則が全然違う。簡単に言うと、私の世界は魔法の概念がない」

「は?魔法がない?意味わかんねぇ、どういうことだよ?」

「そのままの意味。こうして飛べもしないし杖で炎を出すこともできない。魔力が存在しない」

「生活…は…?どうやって…」

「科学技術が発達していた。電気を使って光を、ガスを使って炎を出す」

「そらすごいな…」

「先生を撃った拳銃や最後に使った手りゅう弾が爆発するのがわかったのはそのおかげ。見たのは初めてだけど」

「…」

「多分襲ってきたのも私がいるせい…だと思う」

「…」

「なんでこの世界に来たのかはわからない。急に送り込まれてそうなった。その時にナギに助けてもらってレオナ先生を通じて学校に通えるようになった。それで今の私がいる」

「…」

「記憶喪失って嘘ついてたのはごめん、話したかったけど話すなって言われてた」

無言でみんなは聞き続ける。

「あ…」

それに耐えられなくなって思わず口を開いてしまう。

「でも私達、あんなよくわからないのが来るのなんて予想できなくて。渚が悪いんじゃないの。黙ってたのは悪いんだけど…。とにかく、渚のことは…」

これまで通り一緒に…!

「あー、やっぱそうなんや。すっきりしたわー」

「え?」

「んだよ、じゃあ別んところから来た以外大した情報ねーのか」

「あ、あれ?」

「異世界~行ってみたいな~」

「あの…」

「僕は…魔法ないの…。行きたくない…」

「…」

思っていた糾弾は行われずホッとした空気が流れ始める。

「ナギ?どうしたの」

渚まで首をかしげている。

「え…だって渚が原因って聞いたらみんな怒るかもって…」

するとみんなは呆れたようにこっちを見た。

「え、怖、怒るわけないやん」「襲ってきたやつが原因に決まってんだろ」「ナギちゃんひどい~」「…」

「あ…あの…」

恐る恐る渚を見る。

「ナギ、みんなのことそんな風に思ってたの?」

「うぅ…ごめーーん!!」

急に叫び出した私に対して箒を操縦してる人もびっくりしてこっちを見た。

ごめんなさい。



そのやりとりの後、10分ほど移動すると見たことのない場所へ降ろされた。

少なくとも学校ではない。

「あれ?あの…ここアルカディアの学校じゃないですよね…?」

「ああ、上の命令でね。治療はここで行う。それに君たちを帰すことはできない」

「え?それって…」


「おい!どういうことだよ!」


すぐ後ろでテオの叫び声が聞こえた。

「何!?」

振り返って見るとソウマがグルグル巻きに縛られていた。

「言ったとおりだ。しばらくここに滞在してもらう」

「ふざけんな!だとしてもこんなことする必要ねぇだろ!怪我人もいるんだぞ!」

「問題ない。医師は連れてくる」

「んなこと言ってんじゃねぇ!」

テオは今にもとびかかりそうだ。

「わ、わからんなぁ、僕は怪我してへんねんけど」

「君たちは極秘事項を知った疑いがある。いずれにせよこのまま帰すわけにはいかない」

「どういうこと~?」

「巻き込まれた…のに…?」

「巻き込まれたからこそだ」

わけが分からない。

なんでこんな…。

「黒髪の長髪…赤月渚は君だね。君はこっちへ」

「私…?」

そう言って一人の男に連れて行かれそうになる。

「渚!渚をどこに…きゃあ!」

渚以外の全員が魔法で縛られていく。

「んだこれ!」「え~?」「…」


「ナギ!みんな!ちゃんと説明を…!」

「君もか…しょうがない。アロ・スレッド、バインド」

「むぐっ!」

渚も縛り上げられてそのまま担がれる。

「渚!渚ー!」

「怪我をさせるつもりはない。どうかわかってくれ」

そうして渚はどこかへ連れていかれてしまった。

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