無事と応援
~ナギside~
爆発が収まると土煙が舞い上がり、泥があちこちに飛び散っているのが見える。
しかし私たちの周りだけは何ともなく、透明な魔法のシールドがジジ…と張られている。
カミラ先生が発動した魔法だ。
「お前ら、問題ないな?」
「…は…い」
壮絶な状況に私はが何とか声を出した。
周りを見るとみんなも呆然としている。
テオは意識はないが息はしていそうだ。
土煙がゆっくりと晴れていくと私達だけが残り、ネメシウスは姿を消していた。
「逃げやがったか…」
そう言うと先生はシールドの魔法を解除する。
「先生、あの…大丈夫ですか?首、やられて…」
渚が聞くとカミラ先生はバツの悪そうな顔でこちらを見た。
「あー、お前らに心配させるほどだったか。私は問題ねぇよ、止血も解毒も終わってる。それより遅くなって悪かったな。よく生きていた、お前らを見つけたときは心底ほっとしたよ」
「先生…」
「すぐに救護班が来る。傷があるやつは見てもらえ」
「テオ君は…」
ソウマがつぶやくように聞く。
「さっきのをぶっかけたなら問題ないはずだ、欠損してようが無理やり傷を塞ぐほどのもんだからな」
「え」
「内臓が消し炭にでもなってない限り再生するだろうよ」
「そんなに!?怖!」
爆発物を押し付けられたかのようにソウマはテオから離れる。
「致命的じゃないならそのうち目も覚めるだろ。まぁ救護班には見せなきゃいけないが…あ?どうした?」
気づけばミーネとイリスが手をあげていた。
「先生~その薬、私も欲しい~」
「…僕…も」
「持ってんのはあの一瓶だけだ。どこにも流通はしてないうえ金貨4枚相当の素材を使ってるんだが…」
「え~?買えないよ~」
「…」
そのやり取りに私は安心する。
「あはは、それより私は魔力を補充したいかも」
「私の魔力、あげれたりする?」
「え、どうだろう?でも渚の魔力を渡すって…なんかすごいことになりそうだよね」
「どういうこと?」
渚も笑いながら答える。
と、その時、
「うおぉぉぉ!!なんだこれ!体が思ったように動かねぇ!」
テオの声が急に辺りに響きだした。
「テオ君!」
「テオ…目が覚めた。よかった」
思った以上に元気そうだ。
「あいつは!?どうなった!倒したのか!?あ!センコーいるじゃねぇか!」
「あ、テオ君、目覚めて悪いねんけどあんまり近寄らんといて。やばい薬かけちゃったみたいやし」
「は!?どういうことだよ!説明しろ!」
「テオ君~元気だね~」
「傷薬…欲しかった…」
各々が好き放題にしゃべりだす。
「お前ら…直前まで死にかけておいてそれか。大物になるな」
仕方なさそうに先生はF組のみんなを見た。
「…と、お出ましだ」
先生がそう言うと上空からいくつもの箒に乗った人の影が見えた。
「あそこだ!」「カミラさん!」「状況は!?敵はいるか!」
ものすごい勢いで下りてきて10人ほどの人数が地面へ降り立つ。
全員騎士団のような格好で全身白いプレート装備だ。
「指示する!整列しろ!」
先生の一声でザッと整列する。
「失礼しました、カミラさん!遅くなり申し訳ありません!ただいま到着しました!」
「時間がない、2班に分けろ。A班はアルカディアの学校まで生徒の移送だ、怪我人優先で護衛をしろ!B班は残って辺りの調査だ!」
「はっ!」
そうしてすぐに半分が私達のところへ来て状態を確認し始める。
「怪我は?移送用の絨毯型の箒を持ってきている。古いタイプだから少し揺れるが問題ないか?」
「は、はい」
返事をする最中カミラ先生のところに耳を傾ける。
「結界を抜けられた。至急調査しろ、亀裂の可能性が高い」
「っ!すぐに!」
「ここを調べた後で私も向かう!連絡は怠るなよ!」
「はっ!」
あ、待って…
「先生!」
咄嗟に私が叫ぶとびっくりしたようにカミラ先生はこちらを見る。
「なん…はぁ」
ため息をつきながらこちらにくる。
「問題ない。あとで諸々時間を作る。お前らに聞くこともあるからな。だから心配するな」
子供をあやすように先生は言った。
「…わかりました」
そんなに不安な顔をしたいたかな…。
そうして私たちは全員学校へ運ばれることとなった。




