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道中、属性と魔法

--渚 side--

「な、渚、もう少しかな?」

「ナギ、声震えてる。多分まだ半分くらい」

洞窟内を歩いて10分。

全長は500~600メートルほどと書いてあったらしいのですぐに着くと思っていたが、かなりゆっくり歩いているのでそこまで奥まで進んでいないだろう。

「えー?まだ半分?思ったより薄暗いしちょっと怖いんだよぉ…」

ナギは私の裾を軽くつかんでいる。

実際奥までしっかり見えるわけではなく、進んでいくのに困らない程度に等間隔で明かりがついている。

「この壁の明かり…何でついてる?火でも電気でもない」

「え?知らない?火の鉱石を入れてるだけだと思うよ」

「火の…鉱石…?」

私が疑問符を浮かべるとナギはリュックからランタンを取り出した。

「えっと、この中にも入ってる石みたいなの。あんまりよくわからないんだけど火の魔力を通しやすくなってて中の魔力が残ってる限りずっとついてるんだ。だからこんな風に魔力を流すと…」

ナギはランタンをグッとつかむ。

「??」

しかし何も起こっている感じがしない。

「うー…ごめん、もうちょっと待って」

10秒ほどするとぼんやりと石が光り出して周りを照らし出す。

「すごい!」

「良かった、点いた!流した魔力も多くないし光ってるのは2,3分くらいかな」

「そう…あれ?でも洞窟照らしてる鉱石、なんでずっとついてる?燃費がいい?」

「えっとそれは…わからない」

「…」

パイプのようなものでつながっているみたいだし多分あれに何か仕掛けでもあるのだろう。

私たちは歩くのを再開した。


「そういえば火の魔力って言ってたの、他にも魔力の違いある?水の魔力とか」

「うん、あるよ!属性があってね、火、水、土、風、雷、無の6つ!無は属性というより純粋な魔力だから別なんだけど、そこから頑張って変化させるの」

「おー、ナギが賢く見える」

ナギの頭を撫でる。

「えへへ。言ってることは初等部でやる内容だけどね…」

「私は知らなかった。だからもっと教えてほしい」

「うん!いいよ!私も頑張らなきゃだからね!」

「頑張る。さっきも今も魔法を使えるナギはすごいから」

「…そうかな?」

私の言葉にナギは少しうつむく。

「どうしたの?」

「えっと…私、そんなにすごくはないよ。さっきもそう、魔力を籠めるのにかなり時間かかってたでしょ?人によってどの属性が伸ばしやすいとかはあるみたいだけど私の場合どの属性もこんな調子で…」

どうやらナギの魔法に関しての実力はかなり下の方にいて気にしているらしい。

「ナギ。私は感動した。だから時間とか実力とか関係ない」

「…ありがとう」

そんな話をしているとランタンの光が消えだした。


「あ」

そう言えば私は魔法を使えるのだろうか。

そもそも元の世界にそんな概念存在しなかったし使えない可能性も…。

いや、使えなければ一番なんて言ってられない。

何としてもできるようにならなければ。

「ナギ、ランタンつけるのやってみてもいい?試して見たい」

「いいよ!底をつかんで魔力を流すだけだから!」

そう言ってランタンを手渡してくれた。

「魔力とか使うの初めて。コツとかある?」

「あぁそっか!えっと…私の場合、自分の胸の中にあるものを外に出す感じでやってる。そのあと頭の中で火をイメージしてるよ」

「内から外、火をイメージ…」

目を閉じて集中する。

「…?」

何だろう、元の世界では感じなかったものを感じる。

体の中のエネルギーみたいな…。

深呼吸しながらそれを感じているとどんどん大きくなっていっていく。

これが魔力?

その一部を火に変化させるようにイメージを繰り返す。

「いけそう?」

ナギが心配そうに聞くと私は頷いた。

「うん、魔力流す」

その言葉の後、変化させた魔力を一気に掌へと開放した。

「あ…!」

「なに!?」

私の周囲に風が吹き、少し地面が揺れている。

その拍子にガシャンとランタンを落としてしまった。

一瞬、辺りが急激に明るくなり、パキンという音が鳴り響いた。

「渚!大丈夫?」

ナギが近づいてくると私の手をつかんだ。

「つっ…!」

指先に痛みが走る。

軽い火傷をしているのか少し赤くなっていた。

「ごめん、こんなことになるなんて…すぐ戻って手当を!」

「大丈夫、大した怪我じゃない。それより…」

私はランタンを拾い上げる。

見ると石が粉々に割れていた。

「…弁償する」

「いいよ、気にしないで。石は大銅貨3枚くらいだし」

「それってどれくらい?」

「えと、パン2枚分くらいかな」

…今度ご飯を奢ろう。

「行こう」

ランタンをリュックにしまってナギの手を引く。

「ほんとに大丈夫なの?」

ナギはその場から動かず心配した目で見ている。

「…問題ない。花を摘むくらい余裕」

「でも…」

「心配ならすぐ済ませて帰る。報酬は私のもの」

「えー?待ってよー!」


そうして私たちは洞窟の奥へと進んでいった。



話進めるときナギ視点か渚視点かで毎回悩みます。

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