採取の依頼
--ナギside--
「むー…」
難しい顔をしながら掲示板見つめる。
「むむ…」
角度を変えてみてみる。
「むむむむむむ…」
ひたすらに見つめ続ける。
「ナギ、そんなに見ても依頼は変わらない」
少し呆れながら渚は指摘する。
「だってー!どれもただのバイトなんだもん」
ルカに薦められた掲示板を見てみると依頼掲載されていたのは3つあった。
パン屋の店番、新規開店した店のビラ配り、引っ越しの手伝い。
以上である。
どう考えても功績につながるとは思えない。
それ以前に全て学校外の依頼なので依頼人に感謝はされど評価には繋がらないだろう。
「はぁ…期待してたのになぁ」
ルカが意味深なことを言っていたからもっといろいろあるのだと思っていた。
小遣い稼ぎの場と言っていたしこういうものなのだろうか。
私が知らなかったくらいだし知る人ぞ知るみたいな感じなんだろうな。
「ナギ、落ち込んでいてもしょうがない。ないものはない。切り替える」
「まぁ…そうだね。結果的に何かにつながるかもしれないからね。ポジティブにいこう!というわけでどの依頼がいいかな?」
二人で依頼をそれぞれ見比べる。
渚は文字が読めないので雰囲気だけだ。
「ビラ配り…は心折れそうかな」
「じゃあ引っ越し?」
「えー?力仕事自信ないよー。店番の方がふれあいとか…ってなにあれ?」
「?」
掲示板から少し離れた右側の壁際に1枚の紙が転がっているのが見えた。
パッと見てゴミにしてはきれいすぎるし何か書いてあるようだ。
「取ってくる」
渚が拾いに行って紙を広げる。
すると驚いたように目を輝かせた。
「この紙…依頼みたい」
「えっ依頼!?…ってこれ!」
私も続いて覗くとある依頼が書いてあった。
「『2.イワラ洞窟内に咲く零輪の花の採取。魔法薬研究で使用する花の採取をお願いしたい。花の特徴は…』うん、やっぱり学校からの依頼だ!魔法薬の研究所って確かこの学校にあったはずだよ!」
なんということだろう、まさにこういうのを探していた。
「でもどうしてこんな場所に転がって?それに2ってなに?」
「多分掲示板から外れちゃってたんだよ!じゃなきゃこんなすぐそばになんて落ちてないって!2は…間違えて書いちゃったとか?」
私は興奮しながら渚に返答する。
「そう…だね?…ほかの依頼と形式も同じ」
手書きの依頼とにらめっこして表と裏を見たりしている。
「よし!じゃあさっそく依頼を受けに行こう!」
「…うん」
少し納得のいっていない渚と意気揚々と出発しようとするが、
「待ってナギ。これ、どこに受注しに行けばいい?洞窟の場所もわかってる?花の詳細も頭に入ってる?それと注意とか見逃してるところない?」
鋭い指摘に私はぴたりと動きが止まる。
「…わからない。全部」
「ナギ…」
とぼとぼと掲示板の前に戻って依頼を再確認する。
そして渚にもわかるよう依頼内容を端から読み上げた。
「うーん…見た感じ受注は細かいことは書いてないね。早い者勝ちみたいな書かれ方してる。直接持って行けばいいんじゃないかな」
「うん、問題なさそう」
渚も同意する。
「じゃあ早く行かないと!早い者勝ちなら先こされちゃう!」
「おー!」
そうして掲示板から去って洞窟へと行く準備を始めた。
「よし!ここだね!」
1時間後、私たちはイワラ洞窟を観察していた。
どの程度の大きさか心配していたけど人が10人横並びでいても入れそうなほど大きい。
「中、明かりがありそうだよ!渚、見たところ安全そうしこんなにいろいろな装備いらなかったんじゃないの?」
私たちの格好は学校で使うジャージとランニングシューズ、そして頭にはヘルメットをかぶっている。
持ち物はコンパス、ランプ、ロープ、スコップ、花を持ち帰るための袋、非常食、それをひとまとめにできるリュックだ。
「何があるかわからない。行ったことない場所、入念な準備は大事」
「そう?でも確かにないよりはあった方がいいか!早速中に入ってみよう!」
「おー」
二人は洞窟の中へと入っていく。
そこが立ち入り禁止区域だとは知らずに。
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誰もいなくなった掲示板の前にて、一人の教職員が掲示板の前でウロウロしている。
「あれー?おかしいな。レオナ先生に渡す書類、この辺りで落とした気がするんだけど…」
その教員が探しているのは一枚の紙。
片手には対となるもう一枚の紙を持っていた。
1.イワラ洞窟内に咲く零輪の花の採取。
難易度ランクA、推奨人数5人。
ロックドラゴンの寝床にて群生。
非常に危険のため準備は怠らないよう。
2枚目にて依頼内容の詳細を記載。
最初に書いたとき、渚が文字読めないのを忘れていて急に異世界後マスターしてナギに指摘する人になってしまってました。
肝が冷えましたね。
もしおかしな点などあればご指摘いただけると嬉しいです。
可能な限りですが対処したいと思います。




