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伊豆の物語 二人セゾン
⑦あなたがフランクさんでしたか 雄基がお世話になりました 雄基からお話を伺っております 私 雄基の叔父の雅基と申します この度は いや 雄基が色々とおしゃべりを 雄基の話を聞くだけでも大変だったでしょう あの例の死神の話とか 私もよく聞かされていました アレは多分 自分が言うのもなんですが 小脳の異常 つまり腫瘍でしたか が見せていた幻覚ではないかと思っていました 私には何も見えなかったので ただ古い建物だったので 水蒸気 やら リネン室やらも有りましたから 自然現象で異常な大気状態があったのかも知れないとはおもいましたが かも知れませんね いやいや 色々とお世話になりました レコードはいりませんか 雄基がもしフランクさんが望むなら差し上げるようにといっておりましたが まぁ フランクさんは欲しがらないであろうともいっておりましたが だとするとフランクさんに差し上げるものが何もない ソレが残念とも いやお気遣いなく もう充分ですから 雄基さんからは ものでは買えないほど大切なものを頂きました ソレでソレだけで充分です 面立ちが雄基と似通っていたその叔父貴は大変恐縮していた




