伊豆の物語 二人セゾン
③かと思えば 雄基の具合が悪い日や天気があまり良くない日は 勢い建物の中に屯することになる 部屋内 ベッドサイドから動かない 動けない時もあった 雄基は叔父貴 なんでも 父方は11人兄弟らしく そのなかの一番年下の 叔父貴と仲が良いらしく 年も近いせいか 様々な品物を実家から送って貰っていた 特にレコードを数多く所持していた フランクも音楽のご相伴に預かることが多くなった 興が乗ると雄基は饒舌になった 広く浅く 様々な方面に興味があるらしく 話し疲れて咳き込むまで話が止むことはなかった この間なんかこうだ 死神と仲良くなった という 死神? まぁまぁ 古い建物だから何かしらでそうではあるが 何だって死神 まぁ誰かしら死に人が出るから 待機しているとかいっている 話ができるのか そのそいつとは どんな格好だ 鎌でも持ち歩いているのか いや 人型ではないな あれはそう 煙のようなもの 黒い霧のような現れ方をする 何だそら そいつが喋るのか そう そいつが喋る いつの間にやら現れ また予告なく消えていく 何も喋らないことの方が多いな どんな時に喋るのか パターンが読めない それはオレでも見えるのか さぁ どうだろう オレが見えた時は フランクお前さんにも教えるよ と話をしている間に 現れよった 何処に あそこのかいだんのところから フランクはぱっと振り返った ドアに背を向けて座ってたからだ 開いたドアの真正面の奥が階段だった ほら 彼処 雄基が指を指す フランクには 見えなかった いや おどろおどろしい話なので 黒とは言わないが白い霧のようなものが見えた気がした ソレも言われてみたら そうとも見える というだけのことだったが 何かの自然現象だろう だが 雄基は死神がそこにいると言う フランクは肩をすくめてみせるほかなかった




