伊豆の物語 二人セゾン
②景色の中を泳ぐんです その方がずつと身体にいい またあなたですか まぁ昔みたいに ちょっと出かけてくるって言って 2年も留守にしてもらっては困りますが 医者だかカウンセラーだかの声に推されて ソトに出かけた 雄基も一緒だった と言うか ハッキリ言って雄基のたっての願いだった どうやら一人では外出の許可はもらえないらしい まぁ その辺はフランクも同じだったが なので今回は 堂々と外出出来る この間みたいなコッソリと一人で抜け出す という快感はないが まぁ しょうがない 舗装された本道を外れ ぐるりと戻ってくる感じになるらしい裏道砂利道へと踏み込んだ クルマが通れるかどうか危ぶまれるくらいの細道だった 獣道だな こりゃあ 後ろを振り返りつつ あの本道をまっすぐ行くと ジャワだかクメールだかの変わった建物が見えるんだが そちらへ行くかい? 雄基が尋ねる いや ソッチはどうも 建物よりも今回は自然の中がいい フランクはわざと振り切るようにして道を急いでいた 何か訳ありでいきたくなさそうな気配を感じ 雄基もフランクの跡をついて行った 突如ひらけた場所に出た 名も知らぬ色とりどりの花々が咲き乱れていた 二人は躍り上がるようにして花畑に踏み込んでいく それこそ泳ぎ渡るような格好になった 期せずして歓声が上がった




