伊豆の物語 二人セゾン
①声を掛ける者がいた やぁクルマに乗っていくかい 送るよ いや すぐ近くなので結構です クルマに乗った若い男は首を振りつつ離れていった まぁまぁ別荘地なので無理やり納得したらしい やれやれ人里離れた場所なので本来ならありがたい申し出なのだが 今回は場合が場合なので断るしかなかった 肉であれ魚であれ麺類であれ マトモ 失礼に当たるかも知れないが 山中の施設の食いもんよりマシなものを食わせる店は町中町の中心部にしかなかった 前回は肉だったから今回は魚がいいかも知れないな そう思って谷川筋の道を選んで進んでいた しかし既に1時間近く歩いていた ええ加減にせぇな ふと視線を逸らした時に前回は見そびれたらしい ふとした脇道の上方向にある旗印が目に留まった あじゃ あんなとこに何かあったっけかな 道を外れ脇道へと入り込んでいった 休憩所とある 何か食わせるものがあるかいな 店?のものらしき人に尋ねると 魚ヤマメならあるらしい ふと足元に違和感を覚えた 小さな人がいた やぁ あんちゃん歩くのが早くて途中で追い越されてまた追いつくのに大変でしたわ 肩でゼイゼイ息をしていた すわっ 全く気づかなかった 悪いことをした きまり悪かったまま 連れ立って店に入り込んでいって お座敷席に座り込んだ 間もなく運ばれてきた料理に食らいつく 小さな人 雄基は満足したらしく 後ろに手をついたまま腹を擦りながら 久しぶりです こんなに満腹になるまで食べられたのは ありがたい ありがとう これも フランクさんのおかげですね フランクさんについて行って良かった良かった なんと最初から 跡をつけてたらしかった 今更追求するのもなんだから いや 新しいところを開拓できて良かった と言って置いた すると次は肉なんかどうですかねと返しがあった やれやれまたついていくつもりかい 心のなかでため息をついた




