04.ステータスもすごいです。
体に力が宿っていくのが分かる。体の光が収まるまでレベルアップの余韻に浸った。
「すごいな…少し前の俺とは別人みたいだ」
魔法の石版を取り出し、ステータスを確認することにした。
オルト・クラーク
Lv2 → Lv8
HP:23/38→ 161/192
MP:16/16→128/128
攻撃:14→62(+15)
防御:12→60(+5010)
魔力:6→30
魔防:6→30(+2510)
敏捷:9→34
右手:学校支給の剣
左手:モンテウスの盾(呪:毒、痺)
頭:
腕:
体:学校支給の戦闘服(上)
足:学校支給の戦闘服(下)
飾:
スキル
【毒耐性】:Lv7→Lv8
【モンテウスの盾】:Lv1
レベルアップによる基礎ステータスの伸びは分かるが、それ以上に装備による防御、魔防の上がり方が異常だ。
「5000て…どういう次元のステータス何ですか…間違いなくこの盾の上昇値なんだろうけど桁が二桁も違う」
確かにホブゴブリンの攻撃では力負けしていたが、ダメージが入っていた様子はなくゴブリンの攻撃ではほとんど衝撃を感じなかった。それと…。
コイツはモンテウスって名前なのか?覚えとこ。
次に装備とスキル欄をチェックする。モンテウスの横に(呪)と入っているのが確認できる。さらに毒、痺。
「この呪いがゴブリンたちにダメージを与えていたのか、でも毒は分かるけど痺は体の動きを拘束する状態異常だったはず、俺は一回も痺れてないんだが…」
スキル欄では取得後はじめて【毒耐性】のレベルが上がった。さらに【モンテウスの盾】という盾の名前がそのまま記載されたスキルがある…。
内容を確認すべく指先でスキルをタッチし詳細を開く。
【モンテウスの盾】:Lv1
【呪の衣】:解放条件(呪:毒、痺)
盾に近づく者全てに状態異常:毒を与える。体力が減ると状態異常:痺を与える。
【侵食】:解放条件Lv1
盾が攻撃を受けると一定のダメージを与える。
スキルを確認して痺れない理由は何となく分かったが、またしても不明点が増えた。解放条件とかスキルの中にスキルがある謎。
「んん〜、よく分からん。とりあえずまたコイツが喋った時にでも聞いてみよう」
徐ろに取り出した汗拭き用の雑巾で盾の汚れを拭っていく。盾の表面は湖の中にいたせいか苔みたいな物がへばりついている。かなり汚くなっているが、何故か錆びは綺麗に消えていた。それにあんなに激しい攻撃を受けていたのに傷はどこにも見当たらない。
「今日はありがとな、何回も助けてくれて…」
俺はその後も感謝の意を込めて、汗拭き用の雑巾で盾を拭いた。
「日が暮れちまったな…」
少し休憩を挟んだあと、学生一行を探したが見つけることができず、徐々に暗くなっていく森の景色を眺めながら途方に暮れる。
「今日はあそこで寝るか」
俺は探索の途中みつけた、小さな洞穴で寝ることにした。盾で洞穴の入り口に蓋をし、非常時用の乾パンで腹を満たす。
「このパン、味ないな。アイツら飯食ってるかな…ララさんが居るから大丈夫だと思うけど…」
アイツらとは協会に残してきた孤児たち。俺はシスターララと俺、子供達の11人で暮らしている。俺が居なくても協会にはシスターララがいるし、俺が協会に帰れないことは何度かあった為、あまり気にすることはないのだがこういう日はどうしても心配になる。だが、今日は色々な事があり過ぎで疲れ過ぎた。
「寝るか」
◇
「どうして助けなかったの!?どうして見捨てたのよ!」
「エミル…」
学生一行の中に帰ったクレイグは引率の先生にオルトが呪われた湖に落ちたと、事故だと報告した。
これを聞いたエミルは怒りと悲しみで我を失い、湖に飛び込もうのしたのでクレイグが力づくで止めることになった。
「なんで…オルトくん…」
「お前…そこまでオルトのこと…」
オルトのクラスの担任であるミラーは事故現場に赴き、状況を確認していた。
「ここから落ちたんですね…ふふふ…ククク予定通りです…」
柵もない湖の縁に立ち、集中力を欠いたオルトが足を滑らし落下したとし、湖に落ちた時点で死亡したと判断したミラーは急遽、学生たちを帰路に付かせた。
学生一行は来た道から戻って行った為、先まわりしようとしたオルトに出会うこともなく…。
オルト死亡?から2週間後。
商業都市ヘロニス、王国随一と評される経済都市。街から東西南北に伸びる大きな街道は物流を良くし、人を増やす。商売に納税の義務を設けず、様々な店が自由な商売を行う。そのかわり監視も厳しい。街の外側には街道沿いに4つの砦を設け、周囲に気を配り。街の入口には警備兵、街の中には常に巡回兵が見回っている。だが、その高い治安のお陰で人々が安心して暮らせている。
今もなお人口は増え続け、街は広がりを見せている。
「じゃあ、エミル行こうか」
「はい…お父さん…」
私は王都へ向かうことになりました。理由は宮廷魔術士になるのに魔導学校に入学することになった為です。君がいなくなってから10日後、私たちはトアの森とは別の森で卒業試験を行い昨日、無事に卒業することとなりました。
「エミル、お前はこの街にいたら先へ進めない。そのうち自殺してしまいそうな気もする、オルトくんを忘れろとは言わん。だが、オルトくんの分も精一杯生きるんだ」
「はい…」
涙が勝手に流れてくる。お父さんが君の話しをする度に、君が死んだのだと現実を突きつけられるようで悲しい。
認めたくないのに、周りが認めさせようとしてくる。
私の中にはまだ君の笑顔が溢れているのに、楽しそうな表情とかちょっとエッチなことを考えていそうな表情とか時々思い詰めるように悲しい表情とか、どれも好きだったのに…君はもういない。
君がいなくなると私は空っぽになるんだね。
困ったな…涙が止まらないよ…。
◇
今日も今日とて探索日和です!
俺はあいも変わらず迷子です!
「頼むよ、なんかこの森を脱出できる手掛かりか何かないのかよ」
もう、あれから2週間がたっていた。
魔物を倒すことにも慣れ、レベルも3つ上がった。ただ、ここの魔物がそれほど強くないからか、いくら魔物を倒しても4日前からレベルが上がる気配がない。
「あの木良さそうだな…」
しばらく歩いていると目の前に大きな樹木が見えてきた。途中、ゴブリンが3体ほど現れたが盾の力で瞬殺した。
ゴブリンを倒したあと、盾を背中に背負い樹木をスイスイと軽快に登っていく。レベルアップの恩恵で力がついた為、木登りも楽になった。
てっぺん付近に辿り着くと、辺りを見回してみる。ここ2週間はずっとこの作業を繰り返している。
「うーん、やっぱり永遠に広がる森だな…ん?」
遠くの方に、紫色の煙が上がっているのが見える。
「あれは…呪われた湖だ!戻ってきた!」
『やっとここまで戻って来たわい、全くとんだ方向音痴に使われておるわ、儂』
あ、モンテウスさん久しぶり。
5/7改稿
エッチこと→エッチなことを
治安は厳しい→監視は厳しい




