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龍翔記  作者: GIN
535/693

0535話 門前の戦い その7

大柄な格闘家の攻撃を槍の柄で受け止めようとするリサ。


だが、体格差からくるパワーの違いは歴然としていた。


槍ごと後方にふっ飛ばされるリサ。


空中で一回転し、膝を付きながらもなんとか体勢を戻す。


距離を詰めてくる格闘家はそのままリサに向かってパンチを繰り出す。


格闘家の手甲とリサの槍の穂先が激しくぶつかる。


互いの攻撃がぶつかったことでボウッと風が巻き起こる。


その風が消えた後に倒れていたのはリサだけだった。


「ぐっ……」


なんとか上体を起こすリサ。


大柄の格闘家はニヤニヤと笑っていた。


ダメージによりヨロける身体に鞭打ち、リサはなんとか立ち上がる。


だが、槍を支えにしなければ体勢を保てないほどにダメージは深刻だった。


「ほう……まだ立てるのか」


「……あ、当たり前だ」


強がるリサだが、実際には立っているのがやっという状態だ。


「わ、私だけ……負けるわけに……は、いかないのでな」


「あーん?」


リサの言葉に改めて周囲を確認する大柄の格闘家。


そこには真っ二つにされた短剣使い、さらに矢が心臓に刺さり絶命している短剣使い。


そして倒れてピクリとも動かない2人の魔法使い。


「……やられちまったのか」


この時間を使って槍を構え直すリサ。


「チッ、さすがのオレ様も4対1だと分が悪い……ここは退くか」


大柄の格闘家の言葉に反応したのは近くにいたイヴだ。


「あん?、4対1ってどういうこった?」


「オレ様の仲間が全員倒されたんだ、次は全員をオレ様が相手することになんだろ」


「はん!」


イヴは大げさに息を吐くとリサに向かって言う。


「あんなこと言ってやがるぜ……どうだい?、手助けが必要かい?」


その言葉を目をつぶったまま聞いていたリサ。


「……まさか、この程度の相手、私一人で十分お釣りがくるさ」


カッと目を開き、槍を構え直すリサ。


「だろ?、んじゃ、あたいは周囲をヤツラの相手をするよ」


「ああ……頼む」


イヴとリサのやり取りを黙って聞いていた大柄の格闘家。


プルウルと身体を震わせているのは怒りだろう。


「ふざけやがって!、オレ様を一人で相手するだと!」


そう叫びながらリサに向かって拳を振り下ろす。


その攻撃を広報に跳んで躱すリサ。


「さっきの攻防でボロボロじゃねぇか!」


「ふん……こ、この程度の怪我が……なんだというのだ」


「チッ!……チョコマカと……次の一撃でぶっ潰してやる!」


ドスドスとリサに向かってくる格闘家。


蜥蜴人リザードマン流秘術:身体潤化モイストボディ


自らに身体強化を施したリサに対し、大きく振りかぶって右ストレートパンチを繰り出してくる。


「やれるものなら……!」


そのストレートパンチを身体を右向きに半身してギリギリで躱すリサ。


そのまま右足を軸に一回転する。


「やってみろ!」


回転の勢いのまま槍の石突で格闘家の鳩尾にぶつける。


「ガハッ……!」


鳩尾は鍛えようのない部分だ。


胸筋や腹筋を鍛えることで若干ながらカバーすることはできても完全に防ぐことはできない。


そしてその筋肉の壁で囲まれた僅かな隙間を見事に突いたリサの一撃。


攻撃が当たった衝撃に息が止まってしまう格闘家。


そしてリサが攻撃を続ける。


再び右足を軸に素早く反転する。


蜥蜴人リザードマン流槍術奥義:一牙槍いちがそう


リサの槍が格闘家の脇腹に刺さる。


「ぐぅぅ……」


槍が刺さったことで思わず声を漏らす格闘家。


「そ、その程度の鈍らな槍でオレ様の筋肉の壁を突破できるものか!」


そう叫んだ格闘家だが、続けて苦悶の声を漏らす。


「ぐぁぁっ」


格闘家の脇腹にリサの槍の穂先が深く刺さっているためだ。


「な、なぜ、オレ様の筋肉の壁が……」


筋肉の壁と言っているが特殊なスキルなどではなく、限界まで鍛えられた筋肉のようだ。


単純だが、その分厚い筋肉は実際にこの格闘家を守ってきたのだろう。


だが、その筋肉の壁はいまあっさりとリサの槍によって突破されている。


なぜリサの槍が筋肉の壁を突破できたのか。


その理由は筋肉と骨の隙間を突いていたからだ。


脇腹を守る筋肉とその下にある肋骨。


その2つが合わさって格闘家の脇腹を守っていただろうが、リサが突いたのは肋骨の隙間だ。


そこは筋肉の下に骨がなく、結果的に肉だけで槍を受け止める形になる。


もちろんそこを突いたのは偶然ではない。


正確無比な槍捌きによって、自分が操る穂先を格闘家の肋骨の隙間に通したのだ。


グッとさらに槍を押し込むリサ。


「ぐぁぁっ!」


あまりの痛みから思わず膝をつく格闘家。


「これで終わりだ」


槍を引き抜くと、頭上で素早く回転させるリサ。


蜥蜴人リザードマン流槍術奥義:二斬槍にざんそう


「ぐぁぁっ!」


格闘家は顔面を押さえて倒れ込む。


顔面もまた筋肉では守れない箇所だ。


リサの二斬槍にざんそうによって両目を斬られ、さらに縦にも一筋の傷が走る。


「ヒッ、ヒィィィ!、み、見えない……なにも!」


眼球を斬られたことで戦意を喪失したのか格闘家は何かを叫びながらその場で暴れている。


「……」


リサは槍の石突で格闘家の後頭部を打ち、意識を失わせる。


そうして周囲に目をやると、こちらに向かって親指を立てているイヴの姿が目に入ったのだった。

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