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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
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第52話 かくれんぼ

「やっと帰って来たぞ!一瞬だったがな!」

「扉を維持するオレの身にもなってくださいよ!あの量の兵士を送るのは相当しんどいですから!!」

「すまんすまん!では早速我娘に会いに行くとするか!!」


帝国との戦争を終わらせて帰って来たオレは、アンファングの門の前で伯爵と馬車の中にいた。

ハクアはオレの膝の上にいる。

門の警備兵も、突然現れた軍隊に戸惑いながらも、門の中へ通していく。

本来なら勝利したということで、凱旋パレードのようにしても良かったらしいのだが、魔法で一瞬で帰って来たためできなかった。


「ゲストよ!お前の家はどこだ?!ソフィーアが出ていってから一度も会っていないのだ!早く案内しろ!!」

「まるでソフィーアが家出したみたいな言い方だな……こっちですよ!ちゃんと案内しますから、落ち着いてください!」


ソフィーアはあえて伯爵に家の場所を教えなかったのかもしれない。

この勢いだと毎日会いに来そうだ。

オレと伯爵は馬車を走らせ家に向かった。


「着きましたよぉー!ここが我が家です。」

「お、おっきぃー!!」

「おぉーっ!!ここがソフィーアが捕らわれている屋敷か!」

「なっ?!人聞きの悪いこと言わないでください!街に魔物小隊放ちますよ?」

「いや、すまんかった!だからそれだけは勘弁してくれ!」


戦争から帰ってから伯爵のキャラ変わってない?

ソフィーアに会えるからこうなってるのか?

オレ達は馬車から降り、玄関を開いた。

ドアの先にはルシールにレアとエルナが待っていた。


「「「お帰りなさいませご主人様!!!」」」

「ただいま!ってもしかしてずっと待ってた?」

「はい!こちらに着いたと連絡がありましたから。」

「別に適当で良いのに……」


オレがフローラに、伯爵が向かうことを連絡してから、ずっと玄関で待っていたようだ。

伯爵が一緒だからだとは思うが、貴族の家というわけでもないので、もっと適当で良いと思っていた。


「ソフィーアは?出掛けてるのか?」

「ソフィーア様はキッチンに居られます。帰って来られるゲスト様にお食事を作ると張り切っておられました。」

「ゲストだけか?私には?」

「それはわかりません。ですが、伯爵様が来られることは知っているはずです。」

「そうか!なら私もキッチンに向かおう!」


ルシールの案内に我先にと着いていく伯爵。

オレはハクアと手を繋ぎ、レアとエルナと共に、伯爵の後ろを着いて歩いた。


「そういえば、三人ともその服はどうしたんだ?揃えて買ったのか?」

「はい、ソフィーア様がまずは形から入ってはと、皆さんと買い物に行った際に購入しました。」

「良く似合ってるぞ!もちろんエルナもな!」

「えへへ、撫でられたぁ!」

「ず、ズルい!!私も!!」


メイドとして雇った三人は、ロングスカートタイプのメイド服を着ていた。

良くあるデザインのメイド服だが、とても似合っている。

エルナの頭を撫でてやると、ハクアも対抗して頭を出してきたので撫でてやった。

エルナとハクアは同い年くらいだろう。

仲良くしてほしいものだ。

二人の少女の頭を撫でていたら、キッチンに着いた。


「ソフィーアァァ!!ただいまァァ!!」

「お、お父様ぁ?!ちょっと刃物持っているのですから抱きつかないでください!!刺しますよ?!」

「おおっとすまない。可愛い娘に会って我慢出来なくなってしまった!」


伯爵はキッチンにソフィーアの姿を見つけた途端に、全力ダッシュ。

何者も撥ね飛ばす勢いでソフィーアに突撃して、抱きついた。

その時のソフィーアの右手には、包丁を持っており、咄嗟にソフィーアが引かなければ刺さっていたかもしれない。

ソフィーアの額には冷や汗だろうか、汗が浮かんでいた。


「ソフィーアただいま。留守中に問題はなかったかい?」

「おかえりなさいゲスト様!何もございませんでしたわ。あったとしても魔物さん達が処理してくださってるでしょうし。」

「だろうな。ここはどこの屋敷やお城よりも厳重だよ。」

「なので安心して生活できますわ。ゲスト様、お腹は空いていらっしゃいます?お食事にしましょ?」


ソフィーアが準備している料理を食べるために、ダイニングに移動、テーブルに着いて談笑を始める。

伯爵はキッチンから見えるソフィーアをずっと眺めている。

これ親子じゃなかったら、ちょっと気持ち悪い気がする。

いや、親子でもキツいか……

オレはハクアを隣の椅子に座らせ、料理が運ばれてくるのを待つ。

メイドの三人が料理をテーブルに並べていく。

ソフィーアも料理の腕をあげたのか、品数もなかなか出てきた。

メインは牛肉を長時間煮込み、ソフィーア特製のソースをかけられたものだった。

洋風の角煮みたいな見た目をしていた。


「おぉー!今日もご馳走だなぁ!ソフィーアにはいつも旨いもの食べさせてもらってるな!」

「ゲスト様にそう言っていただけて嬉しいですわ!」

「さすが我が娘だな!腕をあげたようだな!」

「さっそく食べましょう!ソフィーアの料理が冷めてしまう前に!」


ソフィーアも伯爵が来ることを知っていたため、多めに仕込んでいたらしく、ハクアも問題なく食べれる量があった。

食事の最中ではあったが、ハクアを紹介していなかったので、ソフィーアとメイド三人に紹介した。

獣人でなく魔物だということに驚いていたが、問題無さそうだった。

紹介している最中にリリスから連絡が入った。


(ゲスト様?なんか良い匂いするんだけど、なんか食べてる?)

(ソフィーアの手料理を食べてるぞ!)

(ズルい!!ボクも食べる!)

(今はダメだ!もうちょい待て!!)


オレは食事しながら冷や汗を流した。

あまり味を感じている余裕がない。

久しぶりの家に気が抜けたのか、リリスとフローラのことを忘れかけていた。

リリスはフローラに任せるしかないが、ステータスを考えると力で制止するのはフローラには無理だ。

早いとこ伯爵に帰ってもらうしかない。


(フローラ!絶対リリスを止めておけよ!もし出来なかった場合はどうなっても知らないからな!)

(一国の王女の一人に言うことじゃないですが、やりますよ!)

(今日を乗り越えたらあとは自由にしてていいからな!)

(わかりました!自由の為にがんばりましょう!!)


帝国にいた時は余程自由がなかったのだろうか。

自由にしていいという言葉に反応し、気力が増したように感じた。


「ところで伯爵様はご自宅に戻られなくて大丈夫なのですか?」

「あぁー、それは大丈夫だろう。まだ帰ってきてるとも思ってないだろうしな!」

「それはどうでしょう……ではごゆっくりしていってください!オレはちょっと席を外しますね。」


オレはハクアを連れて席を立ち、ソフィーアと伯爵を残して部屋を出て、リリスとフローラが隠れている部屋に向かった。

中では二人が退屈そうに横になっていた。


「おーい、大丈夫か二人とも!」

「暇過ぎてボク、干からびちゃうよ!」

「それは私もですわ!」

「いやぁ、悪いねぇー。伯爵の娘がウチで暮らしてるもんだからさぁー。」

「それがおかしい話ですわ!一介の冒険者がこんな屋敷に住んでて、貴族の娘が一緒に生活しているのですから!」

「話すと長いんだよねぇー。」


オレはこの屋敷でソフィーアと共に生活することになった経緯を説明した。

ロリコンエロ男爵の話からしたわけだが、女である二人には憤りを感じずにいられなかったようで、「首刈ろう」だの「即刻死刑」だの物騒なことを言っていたのはオフレコである。


「要はソフィーアちゃんがゲスト様に惚れたってことだよね?」

「そういうことになるのだと思うのですが、どうです?」

「知らん!惚れた晴れたの話はオレには見抜けん!!」

「「はぁー……」」


二人には溜め息を疲れてしまった。

フローラが軽く息を吸い、オレに何か言おうとしたタイミングで部屋のドアが開き、ルシールが入ってきた。


「ご主人様!伯爵様が屋敷を探索しております!ここから逃げないといずれ見つかります!」

「マジか?!さっさと逃げよう!」


オレ達は部屋を出て伯爵から屋敷内で逃げることになった。




もっと簡単な方法があるのを、変に焦ってるせいでゲストは忘れております!

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