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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
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第51話 片付けと帰還

戦場の片付けは憂鬱になる。

敵と味方の遺体を分け、遺品を集めて焼却。

埋葬する手間も時間もないため一気に焼却するしかないのだ。

そしてこれはアンデッド出現を防ぐためでもある。

人死にが多数起こった場所では、アンデッド系の魔物が出現しやすくなる。

遺体が残っていると更に出現率があがるため、すぐに焼却となるのだ。

もちろん普通の墓地ではきちんと火葬してから埋葬している。


「はぁー……けっこう大変だな……精神的にやられる……」

「まぁ遺体を運ぶなんて普通しないですからね……」


オレはグスタフ達と共に積み上げた遺体を焼却していた。

といってもやるのはグスタフで、オレは魔力が足りず、積み上げ作業に専念していた。


「それにしてもゲストがそこまで消耗するなんてね。そんな強敵いたの?」

「いたよ。オレ一人じゃ死んでたかもな。」

「マジで?」


オレがせっせと積み上げている横で、他の四人は手を止め固まった。


「手が止まってるよ!早く終わらせて休もうぜ!」

「ゲストが一人でかなわなかったって嘘よね?」

「ホントだから魔力つきそうなんだけど?」

「もし私達だったら……」

「瞬殺だな。」


グスタフ達はお互いに顔を見合せて、唾を唾を飲み込んだ。

あの時リリスに、グスタフ達が会わなくて良かったと思っている。

ろくに反応できずに首を刈られていただろう。

まぁ家に帰ったら会ってしまうのだが……


「私達、伯爵様の警護で良かったわね……」

「ホントホント!!すぐに死んじゃってたかもしれないし!」

「はぁー……だから手が止まってる!!早く終わらせないと帰ったらまた模擬戦でいじめるぞ!!」

「うわぁっ!いじめてるって自覚あるんだ!!」


四人の作業速度が戻り、さくさくと片付けが進んでいった。

戦争自体が、そこまで長くかからずに終わったため、日が沈む前に片付けが終わった。


「お兄ちゃん……お疲れ様……敵強かったの?」

「あぁ、すごく強かったぞぉー!何回も死んじゃうかと思ったくらいだ!」

「すごく強いお兄ちゃんでも?」

「あぁ、そうだ!」


オレとハクアは夜、テント内で、旅行の思い出を話すかのように、今日のリリスとの戦いを話していた。

一対一で全く敵わなかった時の話で、耳がペタんとなったり、キングが助っ人に来て飛び上がりと、ヒーロー物を見ている子供の様にはしゃいでいた。


「ゲスト、伯爵様が呼んでいるぞ。テントまで来てくれ!」

「わかりました。」


伯爵からお呼びがかかり、ハクアと共に伯爵がいるテントに向かった。


「伯爵様、お呼びですか?」

「あぁ、今日のキングの動きが気になってな。強敵が出たとか?」

「かなり強かったです!一人では負けてましたね。」

「それほどか……その敵は死んだのか?」

「いえ、生きてますよ。帝国軍と撤退していると思いますが。」

「そうか……偵察に出した者から妙な報告が上がったから気になってな。」


撤退している帝国軍に対して、王国軍は偵察を出していた。

妙な報告というのは、帝国軍がたまたま遭遇した盗賊の集団を、二人の女子が蹂躙したという報告だった。

心当たりがあるからか、一瞬焦りを顔に出しそうになったが、なんとか平然を保った。

後であの二匹に連絡しないといけないな。


「たぶん片方はオレが戦った女だと思いますよ。」

「やはりか……ゲストを追い詰めた者がいる以上、警戒を強めなければな。」

「それはもちろんそうですけど……強者の育成に力を入れては?」

「ゲストがグスタフ達にしているようにか?」

「はい!」


オレがグスタフ達に模擬戦をしながら、教えているのは伯爵も知っている。

そしてグスタフ達も徐々に成長し、レベル20を超える辺りにはきている。

この世界のレベル20は充分強者に入る。

しかし、オレやリリスのようなプレイヤーから見たら雑魚同然である。


「ゲストのような者が教えてくれるのは、ありがたいかもしれんが、普通の人は耐えられるのか?」

「その辺はちゃんと手加減してますよ!現にグスタフ達もついてきてますし。」

「そうか……じゃあ一度そういう機会を設けてみようか。ところで、この後私は王都へ向かわねばならない。ゲストも来るか?」

「行ってみたい気はするんですがねぇ……軍は魔法で帰すのですか?」

「ゲストが良ければそれで頼む。みんな早く帰りたいだろうしな。」

「わかりました。では出発の準備が出来次第ということで。その後は一度家に帰ってから王都に向かいますかね。」

「それでかまわん!私もソフィーアに会いたいしな!」


次の日の朝に魔法でアンファングに帰ることになった。

もちろん道中に合流したエルマー辺境伯も魔法で帰すことになる。

伯爵がいるテントから離れ、自分のテントに戻ったオレは、ハクアと一緒にそのまま寝た。

朝になると、みんなテントの撤去作業をしていた。

オレもそうそうに終わらせ、伯爵の元へ向かった。


「おはようございます伯爵様。準備はできましたか?」

「おはようゲスト。私は大丈夫だが、兵士達の報告待ちだな。すぐに終わるさ。帰ったらソフィーアの顔を見に、ゲストの家に行くからな!」

「えっ?!あ、はい!わかりました!」


もし家に来られたら、フローラとリリスがいるのがバレてしまう。

オレはフローラに連絡をとった。


(フローラか?今から『次元の扉(ディメンションゲート)』を使って帰るんだが、伯爵が家に寄ることになった!隠れていてくれないか?)

(いきなり連絡してきたかと思ったら、一大事じゃないですか!!とりあえず変装して隠れますわ!家に着いたら連絡してください!)


フローラとリリスは一度伯爵に見られていて、二人とも目立つ。

とりあえず保険として変装してもらい、家のどこかへ隠れていてもらうことにした。

フローラは大丈夫だと思うが、リリスが不安である。

戦闘力はとんでもないが、頭が弱い。

ゲームの頃に遭遇したときに、オレのアバター(今の姿)に惚れたらしく、それ以来ゲスト様と寄ってきては戦闘になっていた。

なぜ戦うのかはわからないが、それが楽しいらしい。

帰ったことを知って突っ込んで来ないといいが……


「ゲスト?どうした考え込んで。何か気になることでもあったか?こっちは準備できたぞ!」

「いえ、なんでもありません!ではアンファングへ帰りますか!『次元の扉(ディメンションゲート)』!」


オレは扉を開いて軍が入っていくのを見届けていく。

この後の伯爵来訪をどうやって平穏に終わらせるか考えながら。




新作をそろそろ書いてみたいけど、どっち付かずになりそう……

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