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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
49/55

第49話 決着

お待たせしました。

祭礼やら持病の発作やらで更新できませんでした。

徐々にペースを戻します。

「まさかキングを装備するとは思わなかったな!」

「はいっ!それに籠手の形状をボクの意思で変えられるみたいですよ!!」


オレの腕には、半透明の綺麗な籠手が装備され、様々な形状に変わりながら、オレと会話していた。

スキル『武具化』は、テイムしている魔物を武具にして装備することができるスキルだ。

たまたま発現した際に、キングが一番近くにいて、オレの腕に触れようとしたため、籠手に変化したようだ。

武具化した魔物のスキルは、そのまま使用可能で、籠手の状態のキングのスキル、『超硬化』も使用できるのだ。

さらに、ステータス向上効果もあり、魔物のステータスの1割から2割向上する。


「これならやれそうだな!防御は任せるぞ!」

「はいっ!しっかりサポートしますね!」

「ふぅー、ふぅー、ウガァー!」

「来るぞ!」


リリスの背後に土埃が起きるほど強烈な踏み込みから、一直線にオレに突進。

すれ違い様に、大鎌の刃を斬りつけ、走り抜ける。

オレは腕を前に出し、大鎌の刃を受け止める瞬間、キングが形状変化し大きな盾になり、『超硬化』でリリスの一撃を弾いた。


「おおっ!!けっこう良い感じだな!」

「そうですね!このまま一気にいきましょう!!」


オレは左手に業火炎獄、右手に鞭を持ち、本来のスタイルにキングを装備してリリスを迎え撃つ。

オレは黒炎で、周囲に被害が出ないように、リリスとオレ達を囲んだ囲んだ。


「さぁ、そろそろ終わりにしようぜ!お前もその状態しんどいだろ?」

「ふぅー、ふぅー……」

「行くぞ!!フンッ!」


鞭で足元を狙い、リリスの行動を阻害し、黒炎で作った翼で接近、『超硬化』を業火炎獄に剣先に付与し、上段から一気に振り下ろす。

リリスもそれに反応し大鎌で受けようと動くが、オレの右手の籠手をキングが形状変化させ、触手のようになりリリスの両腕を押さえオレの一撃が直撃した。


「ウギャァー!!」

「よしっ!やっとまともに入った!!狂戦士は防御が低いから、聞いたはすだ!」

「どんどんいきましょう!!」


リリスの叫びと共に鮮血が舞った。

片膝をつき、息が上がっているリリスに容赦なく猛攻を仕掛ける。

キングが触手状になれることを知り、鞭を持つ意味がなくなったので鞭をしまい、剣を右手に左手は素手で突撃する。


「おとなしくさせないとな!意識を刈り取るぞ!」

「はいっ!顔面パンチやりましょう!」


接近したオレに、リリスは左から右に大鎌を振るう。

オレは左腕の盾に変化した籠手で受け、リリスの鳩尾を思い切り蹴りつけた。

リリスは軽く浮き、地面に降りると踞った。


「ぐはっ!ぐぇぇ!!おぇぇ!」

「あはは、可愛い女の子にさせちゃいけない姿だな……見なかったことにしてあげるよ。」


リリスは周囲を吐瀉物で汚すが、すぐに身体を起こし立ち上がった。

大鎌を前に出して構えているが、少し怯えているようにも見えた。


「これ以上はオレもキツいから、終わりにしようぜ!うぉー!」

「ふぅー、ふぅー、ウガァー!」


リリスは大鎌の刃先を地面に刺し、ガリガリと削りながら一直線に突進してきた。

オレも業火炎獄を黒炎で纏い、左腕の籠手をメリケンサックのような形状に変化させ、接近した。

リリスはオレの目の前で大鎌を振り上げ、土埃を起こしオレの視界を奪おうとするが、オレもほぼ同時に黒炎で壁を作り、土埃を防いだ。

土埃の影から追撃しようと、大鎌を降り始めていたリリスは、黒炎の壁に直撃し、両手を焼いてしまい、大鎌を落としてしまう。

オレはその隙を逃さず、左手で拳を作り、籠手に『超硬化』を使いリリスの顔面にストレートを放った。

左拳が綺麗にリリスの顎に入り、頭を揺らす。

脳が軽くピンボールのように揺れ、リリスの意識は落ちた。


「綺麗に決まったからさすがに終わりだよな?もう立たないよな?」

「大丈夫だと思いますよ!殴った感触からも、意識がないのは確実でしょう。」

「それでも女の子の顔を殴るのは、気分悪いな!」


オレはリリスの首もとに手を当て、脈をあるのを確認、生きていることがわかった。

同じ転移者、プレイヤーとして殺すつもりはなかった。

狂戦士のジョブを代えればまともになるかもしれないし、情報共有もできる。

それにこの先何かが起きる場合の戦力にはもってこいだ!


「さて、オレも疲れたぞ!魔物小隊の奇襲はどうなったかな?それ次第で戦争は終わりなんだが……」

(ご主人様?大丈夫でしょうか?何故か敵軍の応援がなかったので、敵本陣制圧致しました。)


気になっていたタイミングで、スペンサーから連絡が来た。

オレとリリスの戦闘中、魔物小隊はそのまま本陣を制圧してしまったらしい。

来ると践んでいた敵軍の応援が来なかったようだ。

オレはリリスを背負い空を飛び、敵本陣へ向かった。


「何故、この女を連れていくんです?殺さないのですか?」

「敵の王女の友達みたいだし、同じ転移者としても話聞きたいしね!」


籠手状態のままのキングに、リリスが落ちないように、触手状に形状変化させて固定してもらった。


敵本陣に着くと、王女のフローラ、その他側近や貴族、近衛兵が縛られていた。

オレは王女フローラの前に降り立ち、リリスを降ろした。


「リリス?!」

「動いちゃダメですよ!ご主人様、どうされますか?」

「う~ん、とりあえず伯爵様に報告かなぁー。」


オレは腕組をして悩んでいると、フローラと目があった。

潤む瞳に力強い意志が見られ、その美貌にはどの男も堕ちただろう。

オレも思わず目をそらし、あらぬ方向を見ていた。


「リリスは?!リリスは大丈夫なのですか?!」

「あぁー、生きてるから安心して!オレと戦ったからこうなってるだけだから!」

「良かった、ただ一人の友達を失ったかと……」


この王女様、ぼっちだったのかよ!!

美人すぎて女友達できなかったのか?

ふんわりとした青髪ショートカット、小柄ながらに包容力がある豊満で暴力的な胸、今は凛々しい表情をしているが、何より柔らかな笑顔。

オレもこんなお姉ちゃんが欲しかった……


「ところで、今は王国側はオレしかいないから話すけど、この後どうする?連行したら良くて人質または捕虜、悪くて処刑だろうけど……さすがに処刑はないか!そこまでバカじゃないだろうな。」

「ど、どうするとは?連行しないのですか?」


連行すれば、フローラにとって悪いことしか待っていないだろう。

そしてリリスは危険人物として処刑も考えられる。

それはできれば避けたかった。

オレはフローラにだけ聞こえるように耳元で言った。


「実はオレもリリスと同じなんだよ。できれば同郷を死なせたくない。だからこのまま逃がすことも考えている。」

「えっ?私達を逃がす?」

「撤退してくれれば、オレ達王国側は追い払ったという事実だけでも残るだろう?それで充分だろ!それに帝国も何か起きてるんだろ?」

「な、何故それを?」

「いや、簡単だろ!帝国側の小隊の指揮官を見れば。」


帝国軍の小隊の指揮官はどの隊も、心此処に在らずな様子で、まるで操られているようだった。

それに指揮官からの指示も、突撃の一言のみ、とても正常に見えなかった。


「そこまで知られているとは、ではこのまま逃がしてくれるというのですか?」

「もちろん条件はつけるよ!オレが帝国に入国する際の手続きの免除と、王女フローラ様が欲しい!……というのは冗談……でもないけど、帝国内での行動の自由かな!」

「は、はい!わ、わかりました!帝国の出入りの手続き免除と、私ですね!」

「いやいや!王女様のことは冗談だってぇ!!欲しいけど貰えないから!!」

「ぼ、ボクもゆ、許さない、からね、」


フローラはオレが冗談で言ったことを真に受け、顔を赤くして話を進めようとする。

周囲の男達は、オレが冗談だと言ったところを聞き逃さなかったが、フローラの一言にてんやわんやだ!

さらに、皆が騒がしくしたおかげで目を覚ましたリリスも、参戦した。


「リリス!!良かった!」

「ボクは許さないよフローラ!ゲスト様はボクのだからね!」

「「えっ?」」


あれだけ戦ったあとのリリスの一言に、一瞬の間静まり返った。





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