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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
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第41話 集団転移

フェルマー候に、土砂の除去作業が終わったことを報告した。

所要時間が10分くらいだったので驚かれたが、それ以上にリュートの背中で作業を見ていたハクアが興奮していた。


「お兄ちゃんすごい!メラメラって真っ黒な火がドォーンってなってドラゴンさんもグォーって!!」

「そうかそうか!君のお兄ちゃんはそんなにすごいか!!」


フェルマー候も笑顔でハクアと話していた。

ハクアも興奮でものすごい饒舌になっていた。

それでとオレの腕にしがみついている辺りは、変わらなかった。

明るくなった頃見計らい、転移の準備をする。

といっても、オレは魔法を使うだけだが、兵士達はテントの片付けや、火の後始末をしていた。

全員の準備が整い、隊列を組んだ兵士達の前に立ち、オレは魔法を使う。


「『次元の扉(ディメンションドア)』!ふぅー、こんだけデカいとさすがに魔力が消耗するな。皆さん!なるべく早く通ってください。維持にも魔力を使うんで!」

「魔力が切れたらどうなる?」


先頭の兵士が興味本位だろう、聞いてきた。

オレはわざとらしく、笑顔を浮かべて言った。


「魔力が切れたら扉が閉じます。そして通過中の人は恐らく……真っ二つになるかと……あなたで試します?」

「い、いやいい……は、早く通るぞぉ!!」


先頭の兵士が焦りながら声をあげ、駆け足で通っていく。

オレがニタニタ笑っていると、ハクアに袖を引っ張られた。


「お兄ちゃん、意地悪した……」

「あんなこと聞くのが悪い!少し考えれば分かることだし。」


ハクアの頭を撫でながら、全員が通るのを見守る。

中間に差し掛かった辺りで、一際派手な馬車が現れる。

窓からフェルマー候が顔を出し、礼を行ってきた。


「いやぁーホントに助かった!キースリング伯爵殿にも礼をしないとな!ゲストよ、ありがとうな!」

「いえいえ!大したことではないですよ!帝国との戦争に影響が出ても困りますから!」


そういってフェルマー候を乗せた馬車も扉を通っていく。

何分かかっただろうか。

全員が通り抜けたが、さすがに魔力もギリギリで、危うくオレが通る前に扉を閉じるところだった。

扉の先の合流予定の村には、まだキースリング伯爵達は着いておらず、合流するまではゆっくりすることになった。

あまり大きな村ではないため、中には入らず、村の側の開けた場所を使い、休憩とした。

リュートに乗って戻っても良かったが、ちょっと疲れたのでオレも休憩することにした。


「お兄ちゃん……私……暇……」

「何かするか?といっても魔力が少ないから魔法では遊べないぞ。」


子供のハクアには、何もせずにゆっくり休憩することは、辛いようで、少しも休憩できぬまま、遊べとせがまれてしまった。


「あそこにゴブリンいる……あれ捕まえる?」

「遊ぶんじゃなかったのか?」

「遊ぶ!あれ捕まえる遊び!」


村から少し離れたところに、ゴブリンが10体ほどいるのに気付いたハクアは、子供とは思えぬ遊びを勧める。

子供とはいえ妖弧であるハクアも、将来的に九尾になるためにレベルをあげなければならない。

直接戦闘しなくとも、ゴブリン一匹なら対峙させても大丈夫だろう。

とりあえずゴブリン捕獲をすることにした。

作戦もなにもないが、鞭で痛め付けてテイムする、簡単な作業だ。


「ハクア、危ないから一定の距離は必ず取るようにな!幻覚魔法が使えるなら試してかまわないぞ!」

「うん……頑張って捕まえる!!」


暇潰しとはいえ、ハクアはヤル気満々だ!

オレとハクアは、ゴブリン達に向かって正面から突撃する。

一匹だけがハクアに向かうように、鞭で牽制し、オレはとりあえず一匹を半殺しにする。

テイムすると驚くほど簡単に受け入れ、残りのゴブリンも幸福した。

ハクアが対峙しているゴブリンは、そのことに気付かず、ハクアと白熱した戦い?している。

ゴブリンは、手に持っている粗末なナイフを振り回すが、それをハクアは、まるで舞っているかのように避けている。

ハクアも時折攻撃しようとはするのだが、仕方がわからないのか止まってしまう。

しかし、それも杞憂に終わった。

ゴブリンが一瞬動きを止め、ナイフを手放したのだ。

その隙を見逃さなかったハクアが、瞬時にナイフを手に取り、ゴブリンの股間の刺した。

見たいたオレは思わず押さえてしまった。

股間にナイフが刺さったゴブリンは、辛うじて意識を保っており、オレのテイムを素直に受け入れた。


「ハクア、魔法使ったのか?」

「うん……幻覚魔法で……苦手なものを見せた……」

「さすがにそこは妖弧だな!」


普通の子供なら、ゴブリンでも殺されてしまうだろうが、魔物で妖弧のハクアは戦闘ができるようだ。

それでもまだまだ子供でレベルも低いので、無茶はさせられない。

戦争が終わったら、母親を探すついでに訓練してやることに決めた。


「ハクアはお母さんみたいに、しっぽいっぱい欲しいかい?」

「う~ん……わかんない……でも強くはなりたい!」

「わかった!戦争が終わったら、訓練して強くなろう!」

「うん!頑張る!」


ハクアは、力こぶを作るようなポーズで、気合い充分なのをアピールする。

ちなみに今回テイムしたゴブリンも戦争に役立ってもらう。

捨て駒にするつもりはないが、数は多いほうがいい。

大抵の兵士は、人相手の訓練しかしていない。

帝国側を混乱させるには、簡単な作戦ではある。

この先の道中も、魔物を見かけたら積極的なテイムするつもりだ。


ゴブリンのテイム後、適当に身体を動かしたり、他の魔物を出して、ハクアと遊ばせたりして時間を潰した。

昼食の用意を皆が始めようとした頃に、ようやくキースリング伯爵達が合流した。

オレも呼ばれたので、キースリング伯爵、フェルマー候の元へ向かう。


「いやぁ、キースリング伯爵、助かった!ゲストを送ってもらって良かった!」

「いえいえ、解決できるものがいましたので、当然のことです。」


なんだか、困ったらゲストみたいな感じで、なんでもできる存在になってない?

さすがにできないこともあるぞ。

キースリング伯爵とフェルマー候の挨拶も終わり、今後の進み方の話になり、もともと予定された通りに進むことになった。

その後は一緒に昼食をとり、オレはキースリング伯爵の警護に戻り戦場に向かった。

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