第23話 模擬戦(対グスタフパーティー)
宣伝ってするべきでしょうか?
宣伝用のTwitterの垢作ろうかなぁ
オレは、結局ラーエルさんとよろしくしたあと、一緒にギルドに向かった。
腕にラーエルさんがしがみついているので、視線が絶えない。
いつも視線を浴びてる気がする……
ギルドに着いたので、ラーエルさんと離れようしたのだが、そのまま引っ張られてしまった。
「みんなおはよう!!今日も依頼頑張ってねぇー!」
「「「・・・」」」
ラーエルさんがギルドの扉を開け放ち、大きな声で挨拶する。
オレの腕にしがみついたまま……
他の冒険者の視線が痛い……
ゴリゴリマッチョの冒険者数人が拳握ってるんですけど?
大丈夫?これ……
ゲルトさんが出てきてオレと目があった。
「ゲストさん、何が……」
「察してください……昨日付き合ったら……こうなってました……」
ラーエルさんがしがみついているのも問題なのだろうが、妙に艶々しているのも気になったようだ。
オレは、ラーエルさんに早く仕事をするように言う。
「ラーエルさん、早く仕事に行かないとダメですよ!」
「うん、わかったよゲストくん!また後でね!」
手を振って執務室に入って行った。
ん?また後で?どういうこと?
よく分からないので、考えていたら、かなり強く肩を掴まれた。
「痛いっ!いてててっ!誰だよ!」
「ゲスト?どういうことかしら?ギルマスと一緒に来るわ、ゲストからギルマスと同じ匂いがするわ、教えてくれないかしら?」
振り向いたら、目から光が消えているフィリーネが立っていた。
全身に鳥肌が立った。
これは、どういう状況なのだろう。
あたふたしていると、ニーナもいるのに気づいた。
「ラーエルちゃんの機嫌がかなり良いし、艶々しているし、一字一句残さず説明してもらおうかしら!」
ドス黒いオーラを纏った女性二人に掴まれて、パーティー会議用の小部屋に引きずりこまれた。
こういう時の女性の迫力は凄まじい。
オレは、全て吐かされた。
全て説明し終わった後の二人の表情は面白かった。
二人とも顔は赤かったが、反応が違った。
ニーナはモジモジとしながら、チラチラこっちを見ていた。
フィリーネは若干、興奮したように、鼻息荒くしていた。
これは、どういう……
二人はお互いの顔を見て頷き、声を揃えて言った。
「「私とも!!」」
「おっす!ここにいたか!ゲストもか!今日は模擬戦してくれるのか?」
二人が言い終わる前に、グスタフが言葉に被るように入ってきた。
二人はすごい形相でグスタフを睨んでいた。
「な、なんだよ!俺なんかしたか?なぁ、ゲスト?」
「知らんわ!オレに振るなよ!」
「「ふんっ!」」
女性二人はそっぽ向いてしまった。
はぁー……女ってわからん……
週一で模擬戦する約束もあったので、仕方なく今日一日付き合ってやることにした。
「今日は、何も予定ないから、模擬戦付き合うぜ!」
「模擬戦だけ?」
ニーナが食い付いてきた。
これは、もしかするかもしれない。
もう失敗しないぞ!
「はぁ、しょうがない、ニーナのしたいことも付き合うよ!」
「ズルいっ!私も!」
フィリーネが負けじと乗っかってきた。
グスタフはなんのことかわからないようで、キョロキョロしている。
「わかったよ、フィリーネもな!」
「「やったぁ!」」
なんでこうなるんだ……
そういえば一人見てないやつがいる。
「なぁ、スヴェンはどうした?今日は来ないのか?」
「ん?いるぞ!ほら!」
グスタフの後ろから出てきた。
どうやら、女性二人の形相にビビって、グスタフの後ろに隠れていたらしい。
ちなみにこのスヴェン、女性冒険者の間でかなり人気らしく、オレなんか足元に及ばないくらい、経験豊富だ。
無口のくせに……
「じゃあ早速、訓練場に行くか!」
「おう!みっちりしごいてくれ!早く強くなりたいしな!」
グスタフの言葉に同意するように、みんなが頷いた。
オレ達はそのまま訓練場に向かった。
その際に、ラーエルさんが執務室から顔を覗かせ、オレに手を振っていた。
チキショー!今朝のことがちらついて、可愛く見えてしまう!
そっと手を振り返してあげた。
その様子を女性二人に見られたらしく、強めに蹴られた。
訓練場に着いたオレ達は、とりあえず一人一人がどの程度できるのか、見せてもらうことにした。
戦闘はレベルやスキルが全てではない。
レベルやスキルの他に、戦いの技術、センスが問われる。
ゲームで例えれば、レベルが高くともプレイする人間が下手くそなら、勝てる戦いも負けてしまうということだ。
要は戦う人間自身が上手いか下手かということだ。
それを見るために、一人ずつ戦う。
まずはスヴェンからになった。
「よ、よろしく……お願い……します……」
「うん、よろしくね!遠慮なくかかっておいで!」
グスタフが合図を出し、スヴェンとの模擬戦が始まった。
スヴェンはレンジャーと剣士のジョブを取っている。
両手に短剣を構えて、真っ直ぐ突っ込んで来た。
左右の短剣の突きが、規則正しいリズムで繰り出される。
オレは、短剣の腹、刃じゃない部分を片手の指一本で捌いていく。
スヴェンの表情に焦りが見え始め、突きのリズムがより単調になっていく。
オレは、顔色を変えないように捌き、最後には左右の短剣の刃を、両手で摘まんで模擬戦が終了した。
「はぁはぁ……全然……当たる気がしない……はぁはぁ……」
「うーん、スヴェンの左右の突きの鋭さは、なかなか良かったよ!でもリズムが単調過ぎていつ出るかわかっちゃうんだよ!フェイントを織り交ぜることができたら、もっと良くなると思う!」
「うん……ありがと……」
次の番のニーナを呼ぼうと、振り返ると、みんな目を丸くしていた。
「なんだよ!なんかおかしいか?」
「いや、ちゃんと教えていてビックリした。もっと適当かと思ってたよ!」
「いや、鍛えろって言ったのお前らじゃん!ビシバシへこむまでやらせてもらうからな!」
みんなの表情が変わった。
舐められてばかりじゃいられないってところだろう。
「じゃあ次は、ニーナ!」
「わかったわ!本気で殺りに行くわ!」
「おぉー怖いねぇ!」
またグスタフに合図を出してもらう。
ニーナは槍士と剣士のジョブを使う。
武器は槍だ。
オレも合わせて槍士をセットし、槍で相手をする。
ニーナは開始直後、正面から突きを放ち、それをフェイントに石突きで足払いをする。
オレは、足を一歩引き、足払いをかわした。
ニーナはかわされた足払いの反動を使い、一回転し、そのまま横凪ぎに槍を振るう。
オレは、地面に槍を突き立て、ニーナの槍を受け、突き立てた槍を利用して蹴りをニーナの腹に決める。
「ぐふっ、こっちは女の子なんだから、加減しなさいよ!っ痛!」
「いや、『手加減』のスキルは使ってるから!使わなかったら内臓破裂で死んでたかもよ?」
ニーナはギリッと奥歯を噛み締めていた。
ホントに手加減されていることが悔しいのだろう。
それでも負けじと槍を振るう。
ニーナは横凪ぎを多用していたが、リズムを変えるためか突きを入れてきた。
突きの鋭さかなりのものだった。
連続して突きを何度も放ってきたが、余裕でオレは捌き、オレが終わらせようと横凪ぎに槍を振るう。
ニーナはそれをさっきのオレと同じように、受け、蹴りを放つ。
だが、オレはその蹴りをかわし、ニーナの出した足首を片手で掴み放り投げる。
オレは追撃し、ニーナの喉元に槍を突き立て、模擬戦が終了した。
「痛っ!強すぎよ!真似てみたけど上手くいかないし!」
「あの蹴りは予想外だったぞ!槍の扱いもなかなか良かった!ただ攻撃の繋ぎ目で考えているのがハッキリわかるぞ!もっと流れるように攻撃しないとな!」
「わかった。今度は当ててやるんだから!」
「痛いの嫌いだから、当たってやらないよ!」
模擬戦が終わったニーナは笑顔だった。
自分の悪い点を指摘してくれる人はいなかったのだろう。
オレが指摘しているときは嬉しそうだった。
「次はフィリーネだな!」
「うん!私は魔法メインなんだけど大丈夫?!」
「そうか……わかったよ……フィリーネには魔法使いの上級ジョブの魔導師の力を見せてやるよ!」
穏やかな笑顔が魅力のフィリーネの顔が強張った瞬間だった。




