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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
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第19話 帰路

「ソフィーア嬢ちゃんやぁー。魔物も盗賊も来ないんで暇ではないかね?」

「そんなこと言われましても……何事も起きないのが一番ですわよ!」


オレは、あくびを噛み殺しながら、ソフィーアにごねた。

ヒルト村を、惜しまれつつ出発してから一日、馬車の後ろに繋がれ二列になって歩いてる、犯罪者達のおかげで、大分進行速度が遅い。

さらに、キングとメレメレが馬車の上で警戒、魔物が出てきても瞬殺するおかげで暇なのである。


「何もない旅もいいんだが、スリルは必要だと思わないかね?」

「それは、ゲスト様が強いから言えるのですわ!私達だけなら全員無事にとは、なかなかいかないですもの。」


そんなもんかと考えてしまう。

この世界のレベルが低いのはわかっている。

低い理由もわかるのだ。

命をかけてまで、レベルをあげる人はそういないのだ。

この国の最高が40弱、平均が10そこそこなのだ。


「もし、オレみたいな存在が悪人だったらどうするんだろう……」


オレはこの世界のレベルを知ったときから、危惧してたことをボソッと漏らしてしまった。

ソフィーアは気になってなさそうだが、オレとしては、いつか戦う気がしてならなかった。


「ゲスト様?」

「ん?どうした?」

「難しい顔してどうしたんですの?」


オレは考え込んでいたらしい。


「ソフィーア、オレのレベルは知ってる?」

「はい、噂で聞きました。レベル100だと。大抵の人が信じていませんが……」


しょうがないことだった。

レベル100など、存在したという話も記録もないのだから。

オレは、ソフィーアに考えてることを話してみることにした。


「ソフィーア、もし他にオレのようなレベル100が存在して、そいつがとんでもない悪人だったら、世界はどうなると思う?」

「どうって……レベル100がどのくらいの力なのか、わからないのですが……」

「そうか……」


無理もないか。

彼女は戦闘に関しては全くの素人、戦闘のジョブはレベル1だろう。

考えてみたら、この世界の人がわかるはずないか。

レベル100の半分すらみたことがないのだから。

ちょっとだけ見せてあげることにした。


「じゃあ、ソフィーアにレベル100がどうすごいかみせてやろう。」

「わぁ!楽しみですわ!」


お気楽なもんである。

ちょっとビビってもらうとしよう。


「じゃあ、魔物を一匹出すからね!レベル100とはいかなくても、テイムするのに70は必要な魔物を!」


オレはメインの移動手段になりつつある、ドラゴンのリュートを出した。

ソフィーアはカタカタと震え出す。

外からは悲鳴が多数聞こえる。


「あははははっ!!みんなさすがにビビっちゃうか!」

「あ、あ、当たり前ですわ、ド、ド、ドラゴンは一流のぼ、冒険者のぱ、ぱ、パーティーが、いっぱい強力してやっとで、ですのよ!」


ソフィーアは吃りながらもしゃべったが、カタカタ震えていた。

グスタフ達もそうだったが、ドラゴンの脅威にさらされることは普通はない。

仮に迷い混んだドラゴンがいたとしても、レベル30がいいとこだろう。

徒党を組んだ冒険者達でかなりの犠牲を払いながら追い払うのがやっとである。

そんなドラゴンよりも強いリュートが現れれば、恐怖しないわけがない。


「リュート、しばらく飛んでていいよ!」

「わかった!」


馬が恐怖で言うことを聞かなくなってしまったので、精神強化の魔法をあけたり、後ろで気絶した犯罪者達が引きずられたりしていた。

暇だった時間がとても面白い時間に変わった。


「ところで、さっきの質問だけど、レベル100が悪人だったらって質問!」

「えぇ、こんな人が暴れだしたら止めようがありませんね……国は簡単になくなってしまいそうです……」


理解してもらえたようだった。

ただこれについては、オレが直接戦うという対抗策と、魔物達がチームの組んで戦わせるという対抗策がある。

相手もオレみたいなテイマーだとしんどいが、戦士、魔法使いなどのジョブであれば対抗できる自身はある。

この先出てくればであるが。

こちらで出会った人くらいは守りたいよな。

考えるというのは、そのまま睡眠に繋がってしまうこともある。


「ソフィーア、リュートが空で見てるから誰も来ないと思うから寝るな!」

「ちょっと!起きててくださいよ!私だって!!」


オレの意識はソフィーアの言葉を最後まで聞くことなく切れた。

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