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最強の相棒はスライム  作者: ニコラス
17/55

第17話 襲撃です!!

「ご主人様?ちゃんと考えてます?」

「むぐっ、ちゃ、ちゃんと考えてるさぁ」


オレは、戻って来たキングに話を聞いた。

どうやら犯人はこの村の領主のようだ。

村の人が頼んでも事件解決するはずないよな。

頼った人が犯人なんだから。

ただ相手は貴族、迂闊に手は出せない。

潰すのは簡単でもその事後処理が、どうしても面倒だからだ。

この村の場合、領主いなくなっちゃうんだよ!

代わりは来るだろうけど、それまでが大変だろうし。

どうやって制裁するか考えていると、一人の少女に声をかけられた。


「あなたがキングさんの主人ですか?この度は助けて頂きましてありがとうございます。」

「いやいや、実際に助けたのはキングでとメレメレでしょ?お礼はそっちに言えばいいよ!」


綺麗な少女だった。

腰まで伸びた、綺麗な薄いピンクの髪、白い肌、微かな膨らみがある胸元、すらりと伸びた脚、まだ幼さが残る綺麗な顔、誰が見ても美しいと表現するだろう。

その後ろには、慌てて村に飛び込んで来た騎士が控えている。


「あぁ、騎士さんが青くなって騒いでたお嬢様ってキミか!」

「あら、それは見てみたかったですわね!紹介が遅れましたわ。私は、アンファング領主、ブルクハルト・キースリングの娘、ソフィーア・キースリングです。」


ご令嬢らしい美しい所作で頭を下げる彼女。

オレも慌てて紹介する。


「オレは、Cランク冒険者、ゲストです!以後お見知りおきを。」

「もちろんですわ!出会ってしまったのですから、たくさん頼らせてもらいますわ!」


助けてあげたせいか、すごい信用されてる気がする……

実際はキングとメレメレのお手柄なんだが……


「それで、ゲスト様はこの後どうされるのですか?」

「どうするって、ここの領主に何かしてやろうかと思ってたのですが、良い案がなくて……あと事後処理が面倒で……」


ははっと軽く苦笑いしながら答えた。

それに対してソフィーアは惚れてしまいそうな笑顔で言った。


「大丈夫ですわ!代わりが来るまで、お父様かお兄様が統治すればいいだけですわ!」

「それホントに勝手に決めて大丈夫?怒られない?」

「捕まえるのですから怒られたりしないと思いますけど。」


小さな胸を張るソフィーア。

まぁ殺すわけでもないから大丈夫か。

そう割り切ることにした。


「じゃあ、襲撃することになるけど、目的は領主の捕縛、交渉するつもりもないから正面突破ね!」

「それはいいのですけど、人数は大丈夫なのでしょうか?戦えるのはゲスト様とキングさん、それに私の騎士、少ないと思うのですが……」

「あぁー、領主の家に突っ込むのはオレとキングだけでいいや!騎士さんはソフィーアちゃんを護衛して待ってて!掃除が終わったら呼ぶから!」


みんな不安がってたので、オレは軽く移動する。

軽くといってもただの村人では見えない速度で。

村人には瞬間移動したように感じただろう。

今度はソフィーアの後ろに着き、頭に優しく手を乗せる。


「大丈夫だ!ちゃんと全員捕まえてやるから!それにオレは負けないよ!」

「そうですよ!ご主人様はすごく強いですから!」


オレとキングはソフィーアに笑顔で答える。

ソフィーアの顔は耳まで真っ赤になっていた。

騎士さんの目尻がピクピクしてる。

ちょっと睨んでるような気もする。

オレ何かしたか?

まぁそんなのは置いておいて、早速領主の家に行くことにした。


「おぉーい!!ロリコン領主!!会いに来てやったぞぉ!!」


オレは、領主の家の敷地の外、門から大きな声で叫んでやった。

門番の顔が険しくなっている。

雇い主を侮辱されたわけだし、しょうがない。


「おい!坊主!その辺にしとかねぇと俺達、お前を連行しなきゃならないぞ!」

「連行って、少女達を誘拐してた領主だからしょうがないか。」

「な、なんだそれは!!誰から、はっ!!」


この門番も手を貸してたんだな。

とりあえず全員捕縛しなきゃだからなぁ。


「あ、おっさんも何か知ってるんだね!じゃあ見逃せないなぁ!」

「や、お、俺は何もっ!うっ!」


オレ、左手で拳を作り、門番の鳩尾に一発入れる。

周りから見れば門番がいきなり倒れたように見えただろう。

オレは、加減をするために、腕だけで打ったからだ。

大体の格闘技は、腕だけで打つことはまずない。

腕の力に腰の回転、肩の入れ方、足の踏ん張り等、様々な力を利用することで、強力かつスピーディーなパンチを打つことができるのだ。

ならなぜオレは、腕だけで打ったのか、それはレベル差を考慮してのことだ。

単純に相手の強度と、オレの力の差があるのだ。

ゲームのときですら、レベル10そこそこのキャラはレベル100にはワンパンで即死だ。

それがこっちの世界でも同じであるなら人が簡単には殺せてしまう。

故に手加減が必要なのだ。

腕だけのパンチを鳩尾にくらった門番は、口から涎を垂らし、白目を剥いて気絶してる。

これ、大丈夫かな?死なないよな?

人を殺したかと思った次の瞬間、頭の中で女性の綺麗な声が響いた。


(スキル『手加減』を取得しました。)

「えっ?なに?」


オレは一瞬の出来事で何が起こったか理解しづらかったが、新たなスキルの文字が浮かび、取得したのを理解した。


「キング、新しいスキル取れたみたいだ!もう取れないと思ってたのに!」

「良かったじゃないですか!!どんなスキルなんですか?」

「『手加減』だってさ!力の加減をもっと緻密にできるみたいだ!」


取得スキル『手加減』は技の威力を最低まで落とすことができるスキルだ。

その都度発動させるスキルだが、スタミナ消費はないようだ。

このおかげで不用意に人を殺すことがなくなりそうだ。


「とりあえずスキル発動させて、ガンガン敵を無力させようか!」

「そうですね!さっさと終わらせましょ!!」


門番を片付けたオレ達は、門を蹴破り家の扉まで駆けていく。

扉の先は広いロビーのようになっていた。

そこには、オレの挑発を聞いたからか、用心棒のような男が10人立っていた。


「なんだお前!領主様の家に突っ込むとはなに考えてんだぁ!!」

「なに考えてんだぁはオレのセリフかな?誘拐犯捕まえにきたんだよぉ!!」


男達は、みんなブロードソードを持っていた。

室内で戦う場合の得物は短いほうがいい。

長いと突く以外の選択ができないからだ。

彼らはそれを知らないのか、横に振ろうとする。

が、味方に当たり負傷させ、または剣と剣がぶつかり攻撃の邪魔をする。

こいつらバカなのだろうか。


「お前ら、真面目にやってる?室内でそんな戦い方あり得ないでしょ!!」

「なっ!!」


一人が顔を真っ赤にして突っ込んでくる。

彼の間合いに入ったのか、放った攻撃は突き。

オレは、半身でかわし、彼の持ち手に手刀を打つ。

それは手首に当たり、ボキッと音を立て剣を離す。


「あ、スキル使うの忘れてた!手加減したつもりが、一撃で折れたみたいね!」

「ぐぅわぁー!!」


彼は手首を押さえて悶える。

そこにオレは、改めてスキル『手加減』を発動し、首元に手刀を落とす。

ガクンっと首が下がり、彼は意識を飛ばした。


「今度は上手くいったな!よし次!」


オレは、左手を敵に向けた出し、掌を上に向けてクイクイっと挑発した。

彼らは、一瞬の出来事で挑発されたことを理解できなかった。


「はぁー……気分乗ってきたのにこれかよ……さっさと眠らせて領主のとこに行くか!」

「さっきもそう言ったじゃないですか!!」


キングに呆れられてる……

オレは、思い切り床を陥没させるくらい強く蹴り、男達の背後に移動する。

そして残りの9人全員の首元に、手加減して手刀を打ち込んだ。

彼らは全員残らず、意識を手放した。

バタバタっと音と共に……


「おやすみ!目を覚ましたら真面目に働けよ!って無理か!」


オレ達は、彼らを縛りあげてから行動を再開する。

領主がどこにいるかはわからないので、手当たり次第部屋を開ける。

メイドが集まって避難してたり、趣味の悪い調度品が並んでたりしてた。

そして、二階の一番奥の部屋に領主はいた。

気になったのは、領主の姿だ。


「お前が領主か……ってお前どこかで会わなかったか?」








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