第16話 脱走中!
今回もキング視点です。
ボク、今隠密行動中です!
といっても一人じゃなくて、二十三人の少女達とリザードマン一匹とですが。
ボクたちが入れられた檻は、地下にあったようで、部屋から出ると長い階段でした。
上の階に出ると廊下で、あちこちに高そうな調度品があったり、よくわからない絵画が飾ってあります。
きっとお金持ちの家なのでしょう。
上の階はボクを連れ去った男達の仲間に見える人達がたくさんいます。
でも中にはメイド服を着た女性や、執事のような老人もいました。
「ご主人様のロリコンっぷりには困ったものだなぁ……村の発展に力を注いでほしいのに……」
「そうですね……あの人の事後のシーツの処理はもう辛いです……」
メイドと執事は愚痴をこぼしている。
どうやらこの子達は犯人の慰みの道具にされてたみたいですね。
ピンクの髪の少女の手に力が入るのを感じました。
「どうしたの?」
「この子達がどういうことされてきたのか、わかったらイライラしてしまって……許さない……」
ギリギリと奥歯を噛み締めてるのがわかりました。
彼女は今すべきことを理解しているようです。
ボク達は逃げることを最優先にしなければなりません。
許せないからといって直接殺りにいってはいけないのです。
まぁボク一人ならできますが!
とにかく少女達を逃がす為に、この建物の出口をぞろぞろと探しながら進みます。
やっと出口を見つけました。
長めの時間と緊張感で、少女達の体力もだいぶ厳しくなってきました。
なるべく早く外に出なければ!
でも出口が難所でした。
扉の向こうに人が二人立っていました。
いくらこっちが見えなくても、突然扉が開いたら気付いてしまうでしょう。
なのでボクは、先に一人で外に出ました。
もちろん、透明化は解除されます。
ボクは躊躇せずに扉を開け放ちました。
外にいたのは門番のような人でした。
悪いことをしていない人でも、騒がれたら見つかってしまいます。
なので善人だろうと悪人だろうと結果は同じ、眠ってもらいます。
ボクは両腕をスライムに戻して、二人の門番の顔を掴みました。
頭から首元まですっぽりと覆い、ボクの腕の中で溺れてもらいました。
やり過ぎると死んじゃうので気を失った辺りで解放しました。
「もう大丈夫だよ!早く出よう!」
「わかりましたわ。皆さん、もう少しで帰れますわよ!」
ボク達は、やっと外に出られました。
外の景色は見たことある気がしました。
周りには何体も同じ石像が置いてありました。
ピンクの髪の少女もその像を見て驚いてました。
「ま、まさかあの人が……」
「ねぇ、この家ってさぁ……」
ボクの言いたいことがわかったのか、彼女は頷いていました。
彼女の表情は、何かを決めたような顔でした。
ボク達は、この家の敷地から出られました。
あとは少女達を両親の元へ連れていくだけです。
「キングさん、あなたはこの後どうするのですか?」
「うーん、みんな送り届けたあとは、ご主人様次第かなぁ」
やられたらやり返す精神のご主人様なら、きっとやってくれるはず!
ただボクには決められないので、そう答えるしかありませんでした。
「あ、家が見えてきた!」
ある少女が元気に言いました。
「あぁー、まだ家には帰らないでね!みんな一緒に来てほしい場所があるんだ!それにこの時間はまだ仕事してるでしょ?」
みんな、不思議な顔をしています。
やっと家に帰れるのに、別なところに来てくれと言われればそうなると思います。
ボクは、それでも少女達を連れて行きます!
住居区を抜けて、畑の方へ。
ボクは畑にある人を見つけました。
「ご主人様!!やりましたよ!!」
「おぉー!その声はキング!良くやったな!って見えないから!」
「メレメレ!早く解除してください!」
「わ、わかったっすよぉー!」
メレメレが透明化を解除して、少女達の姿が現れます。
するとご主人様の後ろから歓声が上がりました。
少女達は一瞬驚き、次の瞬間には号泣しながら走り出してました。
ご主人様の後ろには、誘拐された少女達の家族が待っていたのです。
「おかえりなさい!」
「ごめんなさい!」
そんな言葉を交わしながら、腕の中にいる娘が夢じゃないことを、確認するようにどの家族もきつく抱きしめてました。
「皆さん!無事に救出完了いたしました!子供たち!よく頑張った!腹が減ったろ?たくさん用意したから食ってくれ!」
少女達みんながわぁーっと食べ物に群がっていく。
さっきまで泣き顔だったのが、今度は満面の笑顔でした。
「ご主人様、今後はどうされますか?」
「そうだなぁ、飯食いながら考える!」
そう言ってご主人様はガツガツ食べ始めた。
ホントに考えてるのかなぁ……




