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国王の「妾の子」と呼ばれ王家から無視された王女は敵国の皇帝の側妃(人質)として嫁がされる。  作者: ロザンド


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006話 ルワイド商会

この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。

この物語はフェイクションです。

物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 アンジュが湖を魔法で創ってから民達に寄ってアンジュ湖と呼称される様になり、水不足が解消され周辺の農業を営む民達の畑の土壌が潤い、アンジュの魔法の効果も相まっての栄養分を含んだ豊かな土壌に改善された。


その成果として枯れかかった作物が蘇り順調に育ち始め、作付けした作物の実が次々と生って、湖が創ってから僅か1週間で久しぶりの豊作となる見込みが立ち収穫に勤しみ農家の民達に活気づく。


 アンジュは民達が喜ぶ姿を見て嬉しく思い、それが切っ掛けで城の周辺の集落や街を視察して周り、民達が何にか問題を抱えてないか聞いて周り、次々のと問題を魔法を駆使して解決して行った。


アンジュが古城に来てから僅か2週間で周辺の集落や街には活気が蘇り、店先には彩り豊かな瑞々しい野菜などが店頭に置かれ、民達にも笑顔が多く見られて様になる。


 この領地に在るルワイド商会も作物を売りに来る民達から大量の農作物を買取り荷馬車に積み、それぞれの街の各支店に配送し支店を通じて収穫された野菜などを販売して行く。


ルワイド商会の会長エドワールは古城の新たな主となったアンジュの噂を聞き、アンジュが民達と交流し問題があると魔法を駆使して解決する様を秘かに監視した。


 エドワールはアンジュの容姿を見て、どことなく追放された姉のルジュンの面影に似ているなと思ったが、姉は銀髪碧眼であったがアンジュの髪の毛と瞳の色が金髪で瞳が黄金色と色が違うのでまさかなと感じた。


「アンジュ様か、どことなく姉に似ているが、まさかな、しかしあの魔法は凄いな、いったい何者なのだろうか調べてみるか」

エドワールはアンジュの魔法に感心を示し古城の主と言うことなので、ガイアス皇帝に手紙を出し尋ねることにした。


エドワールは従弟でもあるガイアス皇帝ならアンジュの素性がある程度は知る事が出来ると思い、その日の内に帝都の皇城に宛てた訴状を送った。


 ルワイド商会はルワイド侯爵家がルジュンの罪を犯したとして連座制で御取潰しになった時に、領地に留まり家臣の騎士達と共に傭兵団を結成し、魔の森で魔物を討伐し魔物の素材を売るのを生業にした。


 当時の当主は傭兵団の団長となり魔物の素材を捌き各店に売って生計を立て、資金を貯めて商会を立ち上げ商売の事業を拡大して行き、嘗ての領地に拠点に置き見守り続けている。


事業を拡大しながら帝都にも支店を置き、ガイアス皇子を影から支える様に勤め、知り得る様々な情報をガイアス皇子に提供等を行い秘かに関係を維持じ、今でもガイアス皇帝を影で支え続けている。


ただエドワールは見守り続けて来た領地にここ最近起こった干ばつ被害に対し、手の施しようがなく出来る範囲での支援を続けて来たが、干ばつ被害が益々酷くなる一方で解決策が取れず悩んでいた。


しかし、最近になって領主の城にアンジュが来てから、アンジュの魔法で干ばつ被害が収まり領民達を救ってくれているのを見て、何の目的で手を差し伸べてくれているかは不明だが様子を見ることにした。


そんな事を考えていたエドワールは商会の3階の執務室の窓辺に立ち街並みを眺めていたら、見覚えのある騎士ルファンが馬に騎乗し早い速度で城に向って走り行くのが見えた。


エドワールは時間を作り時間を調整し城に行き、ガイアスの護衛騎士だったルファンに会いに行けばアンジュの素性が分かるかもしれないと考えた。


 ルファンは急ぎ城に戻り、まるで別世界に来たような変化に至る状況について、執事のトーマスに何が起こったのか直ぐに問い質した。


「トーマス、ここに来る途中で見たが随分と領内の環境が改善されていたが、随分と変化した様に見えたが、どう言う事だ」

ルファンは執務室で執務の書類に目を通していた執事のトーマスに問いかける。


「これはルファン様、お戻りなりましたか、全てはアンジュ様の魔法のお力のお陰です。お陰様で領民達もかなり喜んでおります」

執事のトーマスは目を細め、冷静沈着にルファンにアンジュ様のお陰だと伝える。


「アンジュ様か、確かに多彩な魔法力を持っているのは知っていたが、干ばつ状態だったのをここまで改善出来るものなのか」


「はい、私も湖をお創りしたのを目の当たりにしましたが、言葉が出ない程に驚きを隠し得ませんでした。まるで女神様が降臨したのでわと思った程です。領民からも女神様と呼ばれております」


「ハッ!湖の魔法で創ったのか、そんな事が可能なのか」


「まぁ、普通なら信じられないと思いますので場所を教えますので、後程ご自分の目で見て貰た方が良いと思います」


「ところでアンジュ様はここに居るのか」


「いいえ、昨日からディストランス山脈の麓に行っておりまして、何でも塩湖が出来たから塩の工房を建てるので、暫らくの間は麓の宿屋に泊まると午前中に使いの騎士が参り伝言を聞いております」


「オイ、トーマス良いのかアンジュ様は一応ガイアス皇帝の側妃ではあるが実質上は人質だぞ、幾ら何でも自由にし過ぎだろう」


「そうですな、でもアンジュ様はこの領地で骨を埋めたいから、それまでにこの領地を発展させて領民達と幸せに暮らしたいと、目を輝かせておりましたから、お止めする気になれませんでした」


「まぁ、アンジュ様の母君はおそらくだが、没落したルワイド侯爵家の長女ルジュン様だろうからな、本能的にこの領地が気に入ったのかもな」


「やはりそうでしたか、どことなくルジュン様に面影が似ていると思いましたが、ですがアンジュ様のあの魔法の能力は父方の方から引き継いだのでしょうか」


ルファンとトーマスの二人は暫らくの間アンジュの素性について色々と情報交換を行い、アンジュ様の今後の対応についても協議を行い暫くは行動制限をせずに見守って行く事になった。


 ルファンが執事のトーマスとの打合せが終り、アンジュが創ったという湖を見に行こうとした頃にルワイド商会の会長のエドワールの訪問を受ける。


「ルファン様、これからお出掛けですか」


「えぇ、これはエドワール殿、これからアンジュ様が創ったという湖を見に行こうかと思いまして」


「そうでしたか、ルファン様はアンジュ様の素性をどの程度お知りになってますか、何となく姉のルジュンに似ている気がするのですが」


「あぁ、それなら間違いないです。アンジュ様は敵国の王女ではあるが母君の名はルジュンと聞いてます。それに帝国から追放されたとアンジュ様が母君から聞いたと申してましたね」


「そうですか、思い過ごしではなかったか、すいませんが姉のルジュンが帝都へ行く前に描いた肖像画をアンジュ様にお渡し下さい。大切にしてくれると思います」


「この方がルジュン様ですか、なるほどなこれだけの美貌でしたら敵国の王が妾にされたのも分かるな、ルジュン様はどうやら敵国の王城で下級メイドとして勤めていた様です。それで王の目に留まり妾にされたそうです」


「姉上は国外追放されても苦労されたのですね、それではまだ生きているのですか」


「いいえ、残念ですがアンジュ様が12歳の時に病に罹り亡くなったと聞いてます」


「うっ、そうですか、姉上は追放されてからどんな思いで生きていたのか、さぞかし無念だったろうな、あっ、すいませんでした。これで失礼します」

エドワールはルファンから姉の死を聞いてガックリとして目から涙が滲み泣きそうになり、直ぐにルファンに挨拶して商会へ帰って行った。


 ルファンはエドワールから受け取ったルジュンの肖像画を大事に持って、エドワールの後姿を見送ると、ルジュンの肖像画を近くに居たメイドに手渡しアンジュの部屋の壁に飾って置くように頼んだ。

お読み頂き、ありがとう御座います。

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