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国王の「妾の子」と呼ばれ王家から無視された王女は敵国の皇帝の側妃(人質)として嫁がされる。  作者: ロザンド


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3/10

003話 アンジュは辺境の領民の願いを聞く。

この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。

この物語はフェイクションです。

物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 アンジュは部屋で長旅の疲労を癒しながら休息を取りながら、侍女のルイスが淹れてくれた紅茶を飲み、もう王家の他の家族の目を気にしなくてもよくなり、皇帝とも会わずに済んだのは幸運だと感じた。


この辺境の地なら多少ハメを外しても直ぐにバレないだろうと思い、魔法の使って住みよい環境にしても好いかなと考え始めると、何だか外が騒がしいのに気付き窓から外を見る。


「う~ん?あれは領民かしらね、トーマスが対応しているみたいだけど」


「そうですね、私が様子を見て来ましょうか」

侍女のルシアがアンジュに様子を見に行きましょうかと伺いを立てる。


「そうね、お願いできる。暫らくは此処で暮らすから領民とも仲良くなりいたもの」

アンジュは領民が何か困りことがあるのなら助力したいと考える。


 侍女のルシアは直ぐ部屋から出て行き古城の玄関ホールへ向い、領民達が何をトーマスに訴えているいるのかを聞き耳を立てる。


「トーマス様、何とかならんのですか、こんなに水不足では作物が育ちません。農地の土壌が乾ききってしまいます」


「何んとかしたいのは私も同じです。皇帝陛下に陳情は送っています。打つ手が無いのです。再度私から陳情を送ってみますので、ここはお引き取り下さい」


そんなやり取りが1時程続き、執事のトーマスは領民達に何度も平謝りして、何とか事無く領民達を説得して帰って貰った。


「ふぅ~、困ったものです。あっ、ルシアさん、どうもお見苦しいところをお見せしてしまいましたね」


「え~と、水不足ですか、それでしたらアンジュ様に相談してみてはどうですか、魔法で解決してくれますよ、この事は私から伝えておきますね」


「魔法ですか、そんな事が出来るのですか」


「そうですね、アンジュ様は実家の王家の方達には隠してましたが物凄い魔法の使い手なんですよ」


「そうですか、では後程相談させて頂きます」


「はい、分かりました。溜池を作って欲しいようでしたら地図なども用意して下さいね、失礼します」

ルシアは執事のトーマスに一礼してからアンジュの部屋へ向かう。


 執事のトーマスはルシアが2階へ上がって行くのを見送り、執務室へ行き執務机の椅子に座り、羽ペンを取りガイアス皇帝宛てに陳情書を書き始めると、外から雨音がしてきて驚く。


今は乾季の時期で雨が降る事が今まで無かったのに珍しく雨が降った事に驚き、まさかアンジュ様の魔法のなのかと思わず窓から雨が降る様子を眺め続ける。


「うん、一応1時程ね雨が降る様にしたわ、明日になったら街の視察に行きたいわね、後でトーマスに相談しましょうか」


「そうなんですね、流石はアンジュ様です。これなら領民も喜んでくれましょう、とても素敵です」

ルシアはアンジュに領民が水不足で農地が乾いてしまうと陳情に来ていた事を知らせると、直ぐに魔法で雨を降らせたことに感激する。


 雨が降り出しだすと領民達は季節外れの大粒な雨が降ってきた事に歓喜し、外に出ていた民達は急いで家に帰ると、家の窓から雨が降るのを神に祈る様にして空を見上げていた。


雨はアンジュの言う通りに1時程で止んでしまったが、それでも農地の土壌を潤すには十分の量が降ってくれたので作物が枯れる窮地を何とか凌ぐ事が出来た。


 晩餐の時間になりメイドのユランがアンジュの部屋に呼びに来てくれたのでダイニングルームへと向かい、アンジュが席に着くと執事のトーマスと侍女長のメティアとルシアの3人と食事を一緒に摂るように命じた。


「トーマス、これからの事をじっくり話し合いたいので、貴方と侍女長とルイスの3人で食事がしたいから用意するようにね」


「えっ、はい、畏まりました」

執事のトーマスはアンジュの命に素直に応じ、メイドユランにも告げた。


執事のトーマスが指示をしてから、間もなくしてテーブルには4人分の食事が運ばれ、早速これからの事について食事を摂りながら話し合う。


「トーマス、まず確認したいのだけど、私の生活維持費の予算の有無を知りたいのだけど、教えてくれる」


「はい、御座います。月に100万ディルで御座います。後はこの領地の税収から賄うように指示されております」


「そう、なら私がこの領地の経営に携わっても良いのかしら、この城に来る途中で見る限り、何だか領民達の元気がない様に見えたの何とかして遣りたいの」


アンジュは自分の生活維持費が月に100万ディルあると聞いて、ゼロではないと知り安堵し後は税収から賄うようにと聞いたので、領民の生活を豊かにして税収を増やすことを決めた。


「アンジュ様が領地経営にですか・・・私の権限の範疇でしたらご協力頂きたいのです」

執事のトーマスは少し考え込んでからアンジュに応じる。


「そうよね、予算の掛かる事は出来ないのでしょう、先ほど領民が水不足の件で陳情に来ていたので、かなり困窮しているみたいだから1時程雨を降らせたけど」


「やはり、先ほどの雨はアンジュ様の魔法なのですか」


「えぇ、そうよ、でもあれは一時凌ぎだから貯水池を何ヶ所が設置した方が良いわね、トーマス、手始めに貯水池を私の魔法で設置しましょう、予算ゼロだから問題ないわよね」

アンジュは悪戯っ子の様な無邪気に舌を出した笑みをトーマスに見せる。


「分かりました。後程どの辺りの貯水池を設置するか検討致しましょう」

執事のトーマスは藁をも攫む思いでアンジュ様に領地の開発を託すことを決意する。


 執事のトーマスは領主でもあるガイアス皇帝が皇帝に就いてから日が浅く、隣国のイスダンタル王国との戦争の最中に皇帝に就き、帝国軍の最高司令官として指揮を執り帝国を勝利に導いた。


しかし戦争を勝利したとはいえ、ガイアス皇帝の政権基盤は未だに不安定な状態にあり、これから第2次政権闘争の幕が開く事になる。


これから政権基盤の安定を図るためにガイアス皇帝が次に行うのは、反ガイアス派の貴族などの粛清がこれから本格的に行われる。


ガイアスが皇帝に就くまでに皇帝の座を狙う皇族を全て粛清し命を奪い、皇帝の座に就いた経緯があり、冷徹鬼神の皇帝と周りから言われる様になった。


 執事のトーマスは政権基盤をこれから確固たるものにする為にガイアス皇帝が心血を向けて取り組まなければならない状況で領地の方まで御手を紛らわす事か出来ないとの思いで側妃でもあるアンジュ様に協力を求め相談する。


 アンジュはトーマスからガイアス皇帝の状況を聞き、それなら当面はこちらに目を向ける余裕が無いと判断し、ならば好き勝手に魔法でこの領地を開発しようとの思いに至る。


イスダンタル王家はアンジュにとって家族ではなく、自分達の母娘を苦しめてきた外敵以外の何者でもなく信用ならぬ者、だから自分の魔法能力をひた隠しにして利用されないようにした。


実はアンジュは今回で3度目の転生であり、1度目は大賢者ルアーナとして活躍していた時と2度目は日本のシステムエンジニアの仕事をしていたけど、過労の所為か突っ込んで来たトラックを避けきれず事故死した記憶がある。


3度目の転生は魔法が使える世界なので1度目の人生で培った魔法スキルが使える環境になったので、漸く自分のしたい様に魔法が自由に使える環境が整ったので、これから好きな様に魔法を駆使しようと決めた。


 アンジュは執事のトーマスと侍女長のメティアとの食事会を終えると、直ぐに古城に修復魔法を行使し真新しい綺麗な城に変貌させ、執事のトーマスと侍女長のメティアを驚かせた。


古城を修復魔法で綺麗にしてから、アンジュは転生してから初めてお風呂に入り疲れを癒してから部屋に戻りベッドの上で横になる。


「ルージュ居る」


「いるよアンジュ、どうやら本領発揮する気になったの」

守護妖精ルージュがアンジュの右胸から飛びたして愛らしい姿を顕現する。


「うん、これからはやりたい様にするわ、だから宜しくね」


「うん、良いよ幾らでも力を貸すからね」

守護妖精ルージュはアンジュの真上に浮きながら応じる。


「うふふ、そうさせて貰うわね、それじゃ、おやすみ」

アンジュは守護妖精ルージュにお休みの挨拶をして眠る。


守護妖精ルージュはアンジュの顔の横に小さい身体を丸くして眠り、これからはアンジュだけに姿を顕現した状態で共に行動しサポートすることにした。

お読み頂き、ありがとう御座います。

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