表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
国王の「妾の子」と呼ばれ王家から無視された王女は敵国の皇帝の側妃(人質)として嫁がされる。  作者: ロザンド


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/10

002話 帝国領の辺境の古城に到着する。

この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。

この物語はフェイクションです。

物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。

 アンジュと侍女のルイスは馬車に揺られ王城を発ってから2週間が経ち、帝国が勝ち取った新たに設定された国境に漸く到着すると、そこから帝国側が用意した馬車に乗り替えた。


「ここからは王女様、ここからは我々が用意した馬車に乗り替えて貰います」

帝国の騎士ルファンからアンジュに冷徹に言い渡された。


「はい、分かりました。指示通りに致します」

アンジュは騎士ルファンの表情から歓迎されていない事を察し、大人しく指示に従いルイスと二人で馬車を乗り換えた。


 アンジュとルイスが持参した荷物を積み終ると、帝国側が用意した馬車が動き出し、暫らくして戦争の爪痕が残る街並みをアンジュとルイスは車窓から眺める。


「あぁ、本当に戦争が合ったのね、なんて愚かな」

アンジュは車窓から見える破壊された家屋や火事で焼けた跡を見て悲しくなった。


「そうですね、王国が帝国に戦争を仕掛けた様ですね、知りませんでした」

ルイスも車窓から見える街並みを見て悲しむ。


アンジュとルイスは馬車に揺られながら悲しい思いを抱き、帝国領内の街々を馬車で通る度に破壊された街並みを見る度に憂鬱になった。


 帝国領に入国して4日目に夜営する事になり、アンジュとルイスは簡易釜土をアンジュが魔法で作ると、ルイスが近くの森へ行き小枝を集めに行く。


アンジュは簡易釜土を作った後に釜土の上に大鍋を置き、大鍋の中に魔法で水を注ぎ、台を異空間収納から出して置いてから野菜と香草など出して台の上で刻み始めると、騎士ルファンがアンジュの傍に寄って来た。


「王女が料理をするのか」

ルファンはアンジュの包丁捌きの手際良さに興味を抱く。


「はい、私は確かに王女ではあるけど、『妾の子』なので離れの離宮で幽閉生活を送ってました。だから自分である程度は身の周りの事をしないと生きていけなかったの」


「うっん!それは本当なのか、ハァー、その事を皇帝に報告しても良いのか」

ルファンはアンジュの素性を知り、皇帝に報告する必要があると判断する。


「はい、別に構いません。私は王家の方達を家族と思った事はないので、信じて頂けないかもしれませんが、亡くなった母は元々帝国の民だったそうです」

アンジュは何時も悲し気だった母の事を思い出しながらルファに語る。


「そうなのか、しかし何で帝国から移り住んだだ」

ルファンはアンジュの母がなぜ王国に移住したのか疑問を持つ。


「事情は知りませんが国外追放されたと聞いてます。もし機会があればなぜ母が国外追放されたのか調べて頂けませんか、母の名はルジュンと申します」


「そうか、ルジュンか、気が向いたら調べる」

ルファンはアンジュの母親が国外追放されたと聞き内心驚く。


国外追放の罰を受けるのは貴族以上の身分の者でしか与えられない罰なので興味を更に持ち、この事も皇帝に報告する事にした。


 ルファンは人質のアンジュに興味を抱き、旅路の間に単なる我儘な王女様ではないアンジュの為人を観察しガイアス皇帝に全てを報告する事を決めた。


近くの森から侍女のルイスが小枝を集めて持ってくると、アンジュが作った簡易釜土の中に小枝を籠めると火を点ける。


「う~ん?大鍋で作るのか、二人で食べるには随分な量を作るのだな」

ルファンは大鍋で料理を作るのに疑問を持ちアンジュに尋ねる。


「あら、護衛の騎士さん達の分も作ってますけど、敵国の私の作った料理では食べて頂けませんか」


「いいや、せっかく作って頂けるのなら頂こう、私が貴女達を監視してますから大丈夫でしょう」


「うふふ、それなら張切って美味しい野菜スープを作りますわ」

アンジュはルファンが食べると言ってくれたので上機嫌になり、気合いを入れて沸いてきた大鍋に中に刻んだ野菜を入れて行く。


 アンジュが作った干し肉入りの具沢山スープを10人程の護衛の騎士達に振る舞うと、騎士達も美味いと言って食べてくれたので嬉しくなる。


そんな一夜を過ごした後の旅路は、護衛の騎士さん達とも和み、帝国内の入国して2週間の旅路は割と楽しく過ごせるようになった。


旅路の途中で近くに森がある街道を通過する時には魔狼の群に襲われる時もあり、護衛の騎士にアンジュも加勢して討伐する事があった。


 アンジュは約1月の旅路を終えて辿り着いたのは帝都ではなく、帝都より馬車で1週間は掛かる南側の辺境の街にある古城であった。


「アンジュ様、これから先はこの古城で住んで頂きます。帝都では敵国の王女に対する風当たりが強いので、ほとぼりが冷めるまでの配慮だと思ってください」


「そうなの、まぁ、好いわ、ねぇ、ルファン私はここで自由に過ごして好いのよね」


「そうですね、この領はガイアス皇帝の直轄領なので、管理している執事のトーマスが居りますので詳しい事はトーマスにお聞きください。私は一旦帝都に戻ります」


「そうですか、ここまでの護衛頂き、ありがとう御座います。お気をつけて下さい」


「はい、こちらこそ何かして頂き感謝致します。それでは失礼します」

ルファンはアンジュに一礼してから、魔馬に騎乗して古城の玄関前から騎士5人を引き連れ帝都へ向かった。


「アンジュ様、わたくしはこの古城を管理しております執事のトマースと申します。長旅でお疲れでしょう、どうぞ中へお入りください、お部屋にご案内いたします」

執事のトーマスはアンジュに一礼し挨拶をして古城の中に専属侍女のルイスと共に招き入れる。


「はい、お願い致します。隣に居るのは専属侍女のルイスです。これからお世話になります」

アンジュは簡潔に執事のトーマスに挨拶をして古城の中に入る。


古城に勤めるメイドや従者達が馬車からアンジュの荷物を降ろして城内に運び入れて行くのを見ながらアンジュとルイスは古城の玄関ホールに足を踏み入れる。


 古城の玄関ホールの中は薄暗く全体的に汚れてはいないけど、手入れが行き届いているとは思えず、まるで今まで住んでいた古びた離宮と代わり映えが無いなとアンジュは思えた。


「アンジュ様、大変言いにくいのですが、本来なら修繕しなければならないのですが、領地からの税収が少なく修繕の予算が取れずこの有様です」


「そうなの、ところでトーマス、私はどこまで自由に行動が出来るのかしら」


「はい、皇帝陛下からは特にアンジュ様の行動についての制限は聞いておりません。しかし何かする時は私に事前にご相談下さい。私の裁量の範疇で決めさせて頂きます」


「そうなの、分かったわ、その都度トーマスに確認するわね」


アンジュは執事のトーマスの案内で部屋に侍女のルイスと入ると、その後にアンジュの荷物が部屋の中へ運び込まれて行く。


 アンジュはソファーに座り一息吐いてから寛ぎ、メイド達が運び込まれた荷物の荷解きを始めて、ドレスなどをクローゼットの中へ仕舞い込まて行く。


部屋の中は広くベッドなどは真新しく、部屋に置かれている調度品等は新しく交換されており、それなりの気遣いがされているは見て分かった。


 アンジュの荷物はそれ程多い訳でもないので、半時程でメイド達のお陰で荷物の片付けが終り速やかに退室して行った。


「アンジュ様、片つげ終りましたので、私達は一旦失礼いたしますので、ごゆっくりお休み下さい」


「はい、ありがとう、これから宜しくね」

アンジュは片付けをしてくれたメイド達にお礼を言って、メイド達が部屋から退出するのを見送った。


 アンジュはこれから始まる人質生活をどう過ごそうかと思案を巡らせ、この古城に勤める従者達を見る限り、育った離宮での暮らしよりはマシになったかなと感じの様に思えた。

お読み頂き、ありがとう御座います。

もし面白いと思い頂けたなら、ブックマーク、いいね、リアクションの評価をして頂きますと励みになりますので、宜しくお願い致します。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ