001話 アンジュはガイザダール帝国へ側妃(人質)として嫁ぐ。
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この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
イスダンタル王国は皇帝争いで皇族内で紛争中のガイザダール帝国に宣戦布告し侵攻を始め序盤戦は有利に戦況を進めた。
しかし後継者争いの中でガイアス・ガイザ・ガイザダールが圧倒的な武力で後継の皇子を討ち果たし皇帝に就任し、直ぐさま帝国を統制してイスダンタル王国の軍勢に反撃に出る。
ガイアス皇帝の圧倒的な武力と指揮の下で、帝国軍に勢いが付き反撃に転じて、帝国軍の攻勢を受け一気に戦況が不利になり国境の奥まで後退し進軍されイスダンタル王国軍が後に降伏する。
「クッソ、このままでは・・・降伏する。使者を帝国に送る」
国王バランダルは戦況が逆転され、このままでは国が亡びると判断し降伏する事を決める。
イスダンタル王国から降伏状を受取ったガイアスは降伏の条件として侵攻して得た東側の領土と王女を人質として側妃を嫁がせる条件を国王バランダルへ送った。
国王バランダルはガイアス皇帝からの降伏条件の中に合った王女を人質として側妃を嫁がせるのに第1王女のケティアを嫁がせるのに心が痛んだ。
「ケティア、悪いが帝国へ行って貰えんか」
国王バランダルは申し訳なさそうに第1王女ケティアに告げた。
「嫌よ、何で私が人質として帝国に行かなきゃいけないのよ」
「しかし、王女を側妃として寄こせと言われたら・・・」
「あっ、王女ならもう一人居るじゃないの、妾の子が」
「妾の子か、そう言えば居たな、だったらそうするか、直ちに余の所へ来るように呼べ」
国王バランダルは今まで存在を忘れていた妾の元下級メイドのルジュンが生んだ娘が居た事を思い出す。
その頃、王城の敷地の外れに在る古びた離宮の庭のでアンジュは育てていた野菜の収穫を唯一の専属の下級メイドのルイスと共にしていた。
「ふふふ、このトマトも良い感じで育ってくれてるね」
アンジュは菜園の中で今日食べる分の野菜などの収穫に勤しんでいる。
「はい、そうですね、他にもキャベツもキュウリも良い感じですよ」
専属の下級メイドのルイスも菜園で育てている野菜達の育ち具合に満足する。
母親が妾の王女して離れの古びた離宮に隔離されて過ごしていたアンジュは存在そのものを無視され、幽閉生活をしていた為に王国が戦に敗戦した事も何も知らされていなかった。
アンジュは王家の証でもある金髪と黄金色の瞳をしていた為に放逐されず、ただ妾の子として離れの離宮に幽閉生活を強いられていた。
王家の証として語られるのは初代国王ケビナスの外観が金髪で瞳が黄金色であり、膨大の魔力を保持し剣王と呼ばれるほどの強者であった。
その高い能力を駆使し乱世の時代に在った無数に在った小国を纏め、統一を行いイスダンタル王国を建国した。
代々の国王は金髪と黄金色の艶やかな王族の中から選出し国王に就任する慣わしであり、金髪で黄金色の国王は魔法と剣技に優れており、その高い能力を持って王国の発展に貢献して来た経緯がある。
アンジュの母親ルジュンは王城で平民出の下級メイドとして勤めていたが、かなりの美貌とスタイルであったために国王バランダルの目に留まり妾とされてしまった。
ルジュンはアンジュを身籠ってから、アンジュが住んでいる離宮に移され幽閉生活を送る事になり、最低限の生活維持できる予算で慎ましく暮らす事になる。
アンジュが12歳の時に母親のルジュンが流行り病に罹り亡くなってからは一人の専属の下級メイドのルイスだけを就けるだけで、生活維持できる予算も削られ食事も真面に摂れなくなる。
アンジュは母親のルジュンが病に倒れる前から離宮の敷地内に菜園を作り、野菜や薬草の栽培を行い野菜類は自分達の食材にして、薬草でポーションを作り下級メイドのルイスが街に行って売って貰い生活費の足しにしていた。
アンジュが菜園で栽培した野菜の収穫が終り、離宮へ戻ろうとした時に城から使者が来た事に気付き玄関前まで来た所で立ち止まる。
「アンジュ王女殿下様、陛下がお呼びです。直ぐに登城の支度をお願いします」
使者は平民服を着ているアンジュを見て流石は妾の子だと蔑む。
「えっ、陛下がですか、でも登城の支度と言われても着ていくドレスなど持ち合わせがないので無理ですけど」
アンジュは使者から登城の支度をする様に言われて困惑する。
「えっ、うっん、ならばそのままで結構なので、御同行をお願いします」
使者は困惑するアンジュを見て思い出す。
離宮の生活維持は王妃ケティアナ様の意向で生活維持費の予算が殆んど無い事を思い出し、平民服のアンジュをそのまま陛下の所へ連れて行く事にした。
「はぁ~、ルイス、このお野菜をお願いね・・・それでは参りましょうか」
アンジュは城に行きたくないけど、仕方が無く足元に収穫した野菜が入った籠を足元に置いて、使者と一緒に城へ向う。
「はい、畏まりました。アンジュ様、行ってらっしゃいませ」
ルイスは不安そうな表情を浮かべアンジュを見送る。
アンジュは使者の男の後方を付いて歩き、今まで一度も登城した事もなく、父親である国王バランダルとも今まで会った事もないのに、何で呼ばれたのか嫌な予感しかなかった。
王城の中を始めて足を踏み入れたアンジュは城の中を見て周りながら歩いていると、城内に居る者達が平民服を着て歩くアンジュを異物を見る様な視線を向ける。
アンジュは使者に案内されて謁見の間の前の扉の前まで来て、使者が扉を開けて中に入る様に促されたので、そのまま謁見の間に入り赤い絨毯の上を歩き、赤い絨毯の端の手前で止まりカーテシーを取り頭を下げる。
「陛下のご用命に寄り参りました」
「うん、表を上げ、しかし登城するのに何だその格好は」
「申し訳ございません。ドレスを購入するだけの余裕がないので1着も持ち合わせが無いのです」
「うっ、それはどう言う事だ・・・まぁ、良いか、では用件を伝える。其方にガイザダール帝国の皇帝に側妃として嫁いで貰う」
国王バランダルは王妃ケティアナをチラ見し、気まずそうな表情を見て直ぐに察し直ぐにアンジュに用件を伝える。
「はい、畏まりました」
アンジュは嫌な予感が的中したかと思い、何を言っても既に決定事項なのだと察し、抵抗しても無駄だと思い応じた。
「ケティナ、この者にドレスを最低限の数量くらい持たせろ。好いな、あまり無様な格好で送ると帝国側に変に勘繰られて機嫌を損なうからな」
国王バランダルは王妃ケティアナに帝国側に悟られないように用意する様にと命ずる。
「はい、直ぐに手配いたします」
王妃ケティアナはアンジュの睨みつけ、苦々しい表情をしたが帝国側に不信感を持たれては不味いので渋々応じた。
玉座に脇に立っていた王太子デュランダルと第1王女ケティアはアンジュを見つめて『いい気味だわ、妾の子には丁度好い役目だと』とほくそ笑む。
「うん、三日後に出立して貰う」
国王バランダルは早めに決着したいとの意向で出発する日時を三日後に決めた。
「あの陛下、専属の侍女にルイスを連れて行っても宜しいですか」
「あぁ、良いだろう。侍女もつけずに送る訳にもいかんからな」
こうしてアンジュのガイザダール帝国のガイアス皇帝の元へ人質の役目を果たす為に側妃として嫁ぐ事が決まり、王女としての最低限の身嗜みを維持する為にドレスなどの衣類が慌ただしく用意された。
アンジュは帝国へ行く前に離宮の菜園から野菜や薬草の収穫を侍女のルイスの二人で行い、菜園から収穫した物を全て異空間収納に収納した。
アンジュは出発前夜に専属侍女となったルイスと共に荷造りを行い、野菜や薬草の種をあるだけトランクに詰め、大切に仕舞っていた母親のルジュンの形見である首飾りの入ったケースを枕元に置いて眠る。
アンジュはガイザダール帝国に出発する日がちょうど17歳の誕生日であり、まさかこんな形で朝を迎えるなんてつい先日まで夢にも思わなかった。
「アンジュ様、大変お綺麗です」
ルイスはアンジュのドレス姿を始めてみて、美貌だった母親のルジュンの事を思い出す。
「うん、ありがとう、ルイス」
アンジュは鏡で自分の姿を見て満足したのでルイスにお礼を言ったけど、帝国に行ってからの事が不安もあり何だか複雑な気分となる。
ドレスを身に付けて母親の形見の首飾りを首に掛け、馬車に侍女のルイスと二人で乗り込んで王城からガイザダール帝国へ向けて出発する。
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