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いつも君がいた  作者: 遙香
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057:ホラー映画・2


 時計は夜中の2時を過ぎており、駿が部屋を出て行って一人部屋に残った零は再びホラー映画を観た事を激しく後悔しながらクマのぬいぐるみを抱きしめる。

・・・と、とりあえず、シャワー浴びなきゃ・・・。

零は窓ガラスや鏡、TVの画面に怯えつつもシャワールームで大急ぎでシャワーを浴びる。シャワーを浴びている途中も不意に背中から肩を叩かれるのではないかと思うと気が気ではなく、急いで髪を洗うとバスタオルを頭から被ってバスローブを羽織って部屋に戻る。

・・・怖くないもん。あれは、作り物!

ドレッサーの前に座って、自分に言い聞かせる。それでも鏡越しに、背後に何か映ったらどうしようと思うと今日は眠れそうにもない。くまのぬいぐるみを膝の上にのせてドライヤーで髪を乾かし始めると、周囲の音が聞こえなくなる分、少しだけ落ち着ける。

・・・何で世の中にホラー映画なんかあるんだろう・・?意味わかんないしっ。

その瞬間に恐ろしいシーンを思い出して思わず後ろを振り向いてしまう。

・・・やっぱ、怖いかも・・・。

恐怖を紛らわせるために、音楽をかける。大好きなアーティストの最新アルバムはラブソングが中心で聞いていると共感できる部分が多く、切なくなったり幸せになったりできる。

パジャマに着替え、クマのぬいぐるみを抱きしめてソファーに座ってみる。窓の外で吹く風の音にさえビクビクしてしまう自分が情けない、と思っていると、不意にドアが開き、零は小さく悲鳴を上げた。

「入るぞ・・・おい、悲鳴上げることないだろう。」

「いっ、伊織クンッ!」

「お前の事だから、どうせ怖くて眠れずにいるだろうと思って様子を見に来てやったんだ。ありがたく思え、」

・・・な、なんかデジャヴ・・・

いつもなら反論もしたいところだが、今は少なからずホッとしている自分がいる。

「・・・お前って本当にわかりやすいヤツだな?ほら、眠るまでいてやるからさっさと寝ろよ、」

・・・みんな、同じ事、言うんだ・・・。

駿が言うのと伊織が言うのとで印象が全然違うのはどうしてなんだろう、と零は内心思う。

「なら、添い寝してやろうか?」

「だっ、大丈夫っ!一人で平気だから!」

「そう?そうは見えないけど?そんなクマ抱きしめてないで俺を抱きしめてくれよ。」

「えっ?!あ、こ、これは、その・・・」

・・・しまった、抱きしめたままだった・・・。

何となく、一番見られたくなかった人に見られてしまったような気がして、零は少し動揺し、慌ててぬいぐるみをソファーの上におろす。

「強がり言ってないで、頼りたいときは頼ればいいんだよ、まったく。」

普段は隙だらけのクセにこんなときばっかりガードして、といいながら伊織は零の隣に並んで腰をおろし、零の肩を抱き寄せる。

「・・・お前さぁ、もうアイツのことが好きってわけじゃないんだろ?」

「え・・・?」

いつもとは違う伊織の声のトーンに零は戸惑う。

「想っても想っても、振り向いてくれないヤツより、お前の事を想ってるヤツの側にいたほうが、幸せだと思わないか?」

「そ・・そんな・・・」

「俺はお前の事だけを見てるよ。お前の事だけを想ってる。お前が何を見て何を感じているのか、何をしたいのか、いつも、見てる。」

まっすぐに目を見ながら紡がれる言葉に、零は心の奥が締め付けられるような苦しさを覚える。熱い炎のような伊織の想いが伊織の瞳から伝わるようでめまいがするほどに苦しくなる。

「好きだ。」

いつもの自信に溢れた伊織とは違う、不安や哀しさや切なさの入り混じった瞳。そのまま伊織に抱きしめられた零は身動きも出来ずに伊織の腕の中で目を閉じる。

伊織の腕の中で狂おしいほどに暴れる伊織の鼓動を感じた零はそれが自分の鼓動なのかどうかさえも判断できずに俯く。

「俺は絶対に、お前を不安にさせたりしない。だから、俺の側にいてくれないか、」

「・・伊織君・・・」

・・・どうして、こんなに苦しいんだろう?どうしてこんなに心が痛いの?私、どうしていいのか、わかんないよ・・・。

かおるに言われた言葉が心の中に甦る。『絶対に辛い思いや寂しい思いはさせないって約束するよ。』

・・・どうして、かおる君も伊織君も・・・。

「俺ではアイツの代わりはできないか?」

「代わり、って・・・」

「私・・・そんな風に想ってもらえるような子じゃないのに・・・」

口にすると、急に悲しくなって思わず泣きそうになる。今このタイミングで泣き出したら間違いなく伊織を困らせる、そう思った零は泣き出さないように必死に心を静める。

「お前がどんな風に想っていようがそんなことは関係ない。俺がお前を好きなんだ。」

・・・心が痛いよ、伊織君・・・。

「・・・そんな顔すんなよ。」

「俺はお前を泣かせたい訳じゃない。お前の側でお前を守りたいだけだ。」

伊織の胸の中は温かくて、さっきまで怯えていた自分が嘘の様に感じる。伊織の言葉の一つ一つが零の心を揺さぶり、心の芯が熱くなった。




もう・・・(*´q`*)

願望そのままですみません。

書きながらにやにやしているからいつまでたっても稚拙な文章・・・。

でもまだまだ続けます。

みんなが卒業するまで、ぜひお付き合いくださいませ。

ポイント付けて下さって、本当にありがとうございます☆

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