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いつも君がいた  作者: 遙香
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051:夏休みの課題・1

これからも頑張って更新します☆どうぞよろしくお願いいたします。

今回はオールスターです☆

 夏休み、とは言ってももしかすると普段の学園生活以上の課題に埋もれ、零は夏休みの初日にかおるとプラネタリウムに出かけて以来、ずっと寮に引きこもって課題の山と格闘していた。食事の時間にかおるが迎えに来てくれなければずっと部屋に引きこもっているのではないかと思うほどに、あっという間に時間が過ぎる。朝から夕食の時間までは数学、夕食の後はドイツ語、と自分の中で時間を割り振ってはいるものの、両方とも苦手な科目だけになかなか思うように進まない。

「はぁ・・・・」

「どうしたの、零ちゃん。溜息なんかついて。」

夕食の時間、いつもよりゆっくりと食事を取った零はかおるが淹れてくれた香りの良いコーヒーを飲みながら思わず溜息をつく。

「課題。難しすぎて頭が沸騰しそうなの。」

「そんな眉間にしわ寄せてちゃだめだよ、」

にっこりと微笑んで額に触れられると今更ながらドキドキしてしまう自分に零は慌てる。

「そうなんだけど・・・」

しゅんとする零にかおるは微笑む。

「健に比べたら零ちゃんはまだまだ楽なんだから、あんまり落ち込まないで。」

ほらみてごらんよ、とかおるはちょうどその時食堂に姿を現した健を指す。片手に英語の課題図書と思われる本を持ってふらふらと現れた健を見て零は「数学以外がダメ」だと言っていた健の課題の量を思い出す。

「零ちゃん・・・助けて・・・」

食堂に零の姿を見つけた健はふらふらと近寄って空いている隣の席に座る。

「ひ・・久しぶりだよね?健君最近食堂でも会わなかったし・・・大丈夫・・・?」

二教科でも泣きそうな自分の課題を思うと、健の事を笑えない、と零は思う。

「零ちゃんの顔見たら元気出たぜ!さあ飯食うぞー!」

英語の本を置いてカウンターへ食事を取りに行った健を見て零は思わず笑う。健はいつも元気で話すたびに笑顔になれる。

「・・・英語なら、すぐ終わるのになぁ・・」

健の置いていった本をパラパラとめくって零は溜息をついた。

「ドイツ語なら、俺が教えてやる。零はリスニングが得意なんだろ?俺様が朗読してやってもいいぜ?」

「いっ、伊織君っ!」

慣れてきた、とはいえ、いつもいつも現れてすぐに背後から抱きしめられると心臓が飛び跳ねる。

「伊織、離れろ、」

「いやだね。」

かおるに睨まれると伊織の腕がさらに強く零を抱きしめる。

「ちょ、ちょっと!伊織くん、離してっ!」

「おい、そのくらいにしておけ、」

ふらりと現れた駿が伊織の肩を掴む。相変わらずの無表情で、少し不機嫌そうな声。

「・・・痛ってえな・・・そんな力入れんなよ。お前も姫さんを守りたいってか?硬派な駿様が姫に構うとまたバカどもが騒ぐぜ?」

不満そうに駿を睨みながらも伊織は零を離し、自分より背の高い駿に挑戦的な視線を向ける。

「俺はお前達と違ってそう言う事には興味がないんだ。」

「へぇ?興味がないのにいちいち俺に絡む理由が知りたいね。興味がないなら姫が誰に抱かれていようが関係ないだろ?」

・・・だ、抱かれるって人聞き悪いっ!

そう思いながらも零は伊織と駿のやり取りに口を挟むことが出来ずに黙って見守る。当事者であるはずなのに、かおると伊織と駿、そして今は我関せずを決め込んで食事をしている健、と4人の男前に囲まれていることに気付いて今更ながらに困惑する。もしこの4人が本気のキメ顔で写真を撮ったら本当にヘタなアイドルよりもかっこいいと思う。

「あぁ、関係ないね。だが自分の力で何も出来ないチビを助けたってバチは当たらないだろう。嫌がられてる事くらい、いい加減気付け。」

駿は零の方を見向きもせずにそう言うと不機嫌そうに伊織を睨む。身長があるだけに駿が怒ると迫力がある、といつか健が言っていた言葉を思い出す。

「嫌がられてるかどうかは、抱いてる俺が一番良く分かってるさ。なぁ零?」

「えっ?!なっ、何、」

「言ってやれよ。いつも抱きしめられて体温が上がるくらいドキドキしてます、ってさ。」

「ちょっ!な、何言って・・・!」

伊織の言葉が真実なだけに、零は反射的に真っ赤になる。

「ほらな?」

ニヤリ、といつもの毒のある笑みを浮かべた伊織を駿は一瞥して、呆れたような溜息を残して食堂を後にする。

「素直じゃないねぇ、相変わらず。」

せっかくチャンスをくれてやってるってのにバカなヤツ、と伊織は駿の背中を見送りながら呟いて、ニヤニヤ笑いながら零の隣に座る。

「で、どうすんだ?ドイツ語?特別講師やってやろうか?」

・・・読んでほしいけど、何かヤダ。

なぜか伊織の言葉は素直に受ける気になれない。からかうような口調のせいなのか、探るような視線のせいなのか、と零は思う。

「お前のは下心が見え見えだからダメなんだよ、バーカ。いい加減にそのやりたい放題、やめたらどうなんだ?」

食事を終えた健が食器を片付けながら伊織に声をかける。

「ね、零ちゃん、俺の英語の課題、手伝ってよ。俺もリスニングは得意なんだ!零ちゃんが読んでくれたら間違いなく上達すると思うし!」

「え?私?うん、いいよ。」

零の返事にざまぁみろ、とでも言わんばかりの得意げな表情で伊織とかおるを見る健と、珍しく少し慌てるかおる。

「れ、零ちゃん?健の手伝いしてて平気なの?」

「え・・?あ・・・一日くらいなら大丈夫かな、って・・・」

「俺、零ちゃんの数学手伝うし!それなら大丈夫だろ?!」

「あ、うん!ありがとう。」

数学を手伝う、と言われて嬉しそうに笑った零を見て、かおると伊織は内心舌打ちをする。

後で零ちゃんの部屋へ行くよ、と100%の笑顔で食堂を後にした健を見送り、零も席を立つ。

「一人でやってるよりはかどるかもっ!頑張ろーっと・・・あれ?二人ともどうしたの?」

「零ちゃん?数学なら、僕も教えてあげられる、って言ったのに僕には頼ってくれないんだね。」

「えっ?!そ、そんなつもりじゃ・・・」

「俺だって零の役に立ちたいと思ってるだけなのに、健は良くて俺はダメなんて信用ないんだな、俺って・・・」

「えっ?!ち、違うよ、そんなんじゃないって・・・」

目に見えてテンションの下がった二人に零は慌てる。

「か、かおる君に迷惑かけちゃいけないって思ったし、伊織君だって、自分の課題あるでしょ?だから、私自分の事は自分でやろうと・・・」

「僕は零ちゃんを助ける事を迷惑だ何て思ったことは一度もないよ」

「俺はもう課題なんかとっくに終わってんだよ。だからこの身体は零のために空いてるんだ。だったら問題ないよな?」

「えっ?!あ、そ、それじゃあ、いい、けど・・・」

「じゃあ、今日は健に譲るけど、明日からは僕に数学を聞くこと、いいね?」

「明日からは俺様が直々にドイツ語レッスンしてやるから夜は開けとけよ?」

いいながら、明らかに二人の間に飛び散る火花に零は溜息をついた。

・・・・な・・なんでこうなっちゃうの・・・?

お気に入り登録して下さっている方☆マジテンションMAXになります!

まだまだへたくそな文章ですが、どうぞよろしくお願いいたします☆


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