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第9話 向かう
「姐さん。今日は、そんなにもお偉い人がくるの?」
紬は姐さんである利湯に洗濯物を畳みながら、そう聞くのであった。利湯は帯を身体に巻きながら、口を開く。
「当たり前でしょ?」
利湯はため息をついて、紬に言うのだった。
「今日来るのは、帝様なんだから。」
◆◆◆
「女将。」
「ん?」
雛子の言葉に女将はすぐ様反応をする。
「私がこんな大層な着物…。着ちゃっていいんですか?」
雛子は自分が来ている着物を見ながら、そう言った。色彩豊かで、とにかく豪華。おまけに顔に化粧を塗ったくられていた。
「普段なら、お前には着させもしない品物だけど…。意外と似合ってるじゃない。」
「動きづらい…。」
「それくらいは、我慢しな。自分でまいた種でしょう?」
「…っ。」
(帝…。後宮の最高位である男がなんで私なんかに…。おかげでこんな格好までさせられて。)
「くれぐれも、評判を落とすような真似だけはするな?わかったか?」
「そうなったら、どうせ切り捨てるくせにですか?」
雛子の言葉に女将は顔を曇らせる。
「なんだ分かってんじゃないか。」
(分かるに決まってるだろ。それぐらい。)
「ほら。帝がいる部屋はその奥の大部屋だよ。」
女将に命令されるがまま、部屋へと向かった。
(首が吹っ飛ばされないといいんだけど。)
私は部屋の扉を開けるのであった。




