8/20
第8話 事情
「これは、どういうことか、説明してもらはないと。」
雛子は今、女将に呼び出されている。
「さぁ?さっさと薄情してもらはないと。」
女将の手には、雛子が書いたであろう絵の模写があった。
(やばいやばいやばい。)
この状況になったのは、あの絵が知られたことでだろうか。
◆◆◆
「なぁ!万灯楼に天才の娘がいるんだろう?」
「俺にも一目見せてくれよ!」
「14歳の女の子なんだろう?」
「俺に身請けさせてくれ。」
朝起きると、やたら外が騒がしかったので雛子が来てみると、こんな有り様であったわけであった。
(まずいことになったな。)
雛子は頭を抱えていた。
(客を持つのは、15歳からというのに…。こんなに注目されたら…。身請けされる!)
雛子はその現実に身体をびくりと震わされていた。
(落ち着け、私。まだあと半年も猶予がある。それまでになんとか…。)
「雛子!女将がおよびだってさ!」
鈴音が雛子にそう言うのだった。
◆◆◆
そして現在。女将に雛子は、洗いざらい吐くのであった。
「まったく。お前は、どこでそんな情報を…。まぁ、お前は入ったときから変だったからな。それよりも、だ。」
女将は頭を抱えながらも、姿勢を整え、私を真っすぐ見据えて口を開くのであった。
「帝がお前に会いに来る。」
「…え?」
雛子は女将の言葉にアホらしくそう反応するのだった。




