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幼女の政  作者: 物江花 あさり
一章 開幕
10/15

第10話 挨拶 (一章:終)

「ご機嫌麗しゅう。帝様。私は、雛子と申します。本日は、お会いできて光栄です。」


雛子の言葉に帝は興味のない様子であった。


(挨拶には興味はない、か。はは。私も同感だよ。)


帝は、漆黒の髪にブラックサファイヤ色の瞳を持った人物であった。横には、護衛らしき宦官が立っている。


(わあ。イケメン。私みたいなイケメン好きにはたまらんな。ま、前世の推しよりどうでもいいけど。)


「お前、前宮の財政を立て直す助言をしたそうだな。その後にも、この絵を書いて。」


帝は雛子に例の絵を見せつける。雛子の表情は「うわぁ」となった。


(まさか後宮の帝にも知られるなんて。)


「この絵に描かれるものは、未だ数少ない人間にしか知られていない。どこで、この情報を知った?」


帝が少し圧を入れて聞いてくる。


(これが大人の圧力ってやつか…。)


「わ、私には未来が見えまして…。」


雛子は、咄嗟に変な言い訳をしてしまう。その言い訳を聞き、宦官はひやひやな顔をしていた。


「ほう。では、この後俺が君をどうしようとしているか、分かるか?」


(分かるわけないだろ。そんなの。)


「私を身請する、とか?」


雛子は深く考えず、冗談げに言うのだった。宦官は咳き込む。


(冗談だから、別にいいでしょ。でも、今のは流石にまずかったか…?)


雛子が後悔していると、突然帝が笑い出した。


(笑い声までイケボって、どういうことだよ。)


雛子はそう思いながら、変な顔で帝を見ていた。


「お前は、本当に未来がわかるようだな。」


「…え?」


「俺がお前を身請けする。」


「…えぇぇぇぇぇぇ!?!?」


雛子は、冗談で言ったことが、本当の未来になってしまうのであった。

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