第2話 遊郭
「雛子ちゃ~ん。どこ言ってたのかな?」
雛子よりも年上でありそうな、着飾った女がそう言った。おそらく、先輩なのだろう。先輩らしき人物は文を書いている途中で、私に話しかけてきたのだ。
(…どこと言われても。)
「薬屋に。」
「下手な嘘つかないでね~。薬屋だけなら、こんなに時間、かからないよね~?」
そう言うと、女は私の肩に手を置き、ため息をついたあとに口を開く。
「あんたねぇ。鈴音姐さんじゃなきゃ、餌食にされてたんだよ?」
さっきの少女が雛子に向かってそう言った。
(餌食って...怖っ。)
雛子たちがいる館は万灯楼と呼ばれる館であるそうだ。表に看板が書いてあるのであった。
(まじでここどこなん?私、もしや転生したのか?こんなレトロな場所に⁉)
雛子は自分の体の様子を見ているのだった。
「雛子ちゃん?」
「なにしてるの、雛子。」
雛子の様子に2人はきょとんとしていた。
(私の体だ...。じゃあ、私は、転移したってこと?)
雛子は口元に手をおきながら、考え事をする。
(いや、重要なのはそこじゃなくて、ここがどこで、私は誰なのか、でしょ。雛子って名前は、そのままだし…。なにより、ここは、一体...。さっき姐さんって言ってたよね?それに、あの恰好...。もしやここって。)
「遊郭なの...。」
「何言ってるの?雛子。当たり前じゃん。」
少女は雛子の呟きにそう答えた。
そう。雛子がいるこの場所は、遊郭なのである。




