第15話 侍女 (二章:終)
「女将。雛子から、文来てるよ。」
「ありがと。ったく、後宮に行ってからすぐなのに、一体何だ?」
女将は鈴音から手紙を貰うと、舌で指をペロっと舐めてから、文を読み始めた。
「なんだろうね。」
鈴音は、女将の後ろから文を読む。
『女将へ。後宮の妃になっちゃって、侍女がほしいから、禿で処分する予定の子、頂戴。』
女将と鈴音はその手紙を読んで、発狂をするのであった。
「なにぃぃぃ!?!?」
「雛子…。なにしたら、いきなり妃になるのよ。」
女将は驚きのあまり騒ぎ、鈴音は素朴な疑問を抱くのであった。
◆◆◆
(処分する予定の子って聞いてたのだけれど…。)
「なんで、鈴音姐さんと紬と利湯姐さんも来るの…?」
雛子の目の前には、その3人がしっかりといるのであった。
「あら〜。もう、私はあなたの姐さんじゃ、ないわよ。それに私の主は雛子様です。どうぞ、私めのことは鈴音、とでも。」
「雛子。…じゃなかった。雛子様のために全力を尽くしたいと思います!」
「雛子様が不安だからと、女将に侍女をしろと命令を受けました。私のことも利湯と。まぁ、私と鈴音は、すぐに遊郭に戻るが。…それまでは、雛子様の侍女だ。」
(なにやってんの、女将。私の元先輩に侍女の仕事、頼めるわけないじゃん。)
雛子は思わず頭を抱えているのだった。
(まぁ、こっちは…。)
雛子は視線をずらす。すると、そこには禿でも、差別されたものたちであった。
(処分される予定だった禿は、3人であった。1人は、前髪で顔を隠した女。2人目は、手に火傷を負った女。そして、2人目は…。)
雛子は3人目がいる方に視線を動かす。その視線の先にいたのは、虫と戯れる女であった。
(あれは、変人か。)
雛子は、一度呼吸を整え、重要な役割を決めようとするのだった。
「この中で、誰か毒見役をしてくれない?」
(まぁ、名乗り出る人なんて、そんな…。)
「はい!あたい、やる!」
虫と戯れていた女が言うのであった。
「しょ、正気ですか?毒見役ってあれですよ?下手したら、その…。死ぬ!」
前髪で顔を隠す女がそう言う。
(まぁ、そうだよね。私だってやりたくないし。)
「だってさ〜。人間、どうせ死ぬんだよ〜?ま、そんなことは置いておいて。毒見役やるから、部屋に虫置いていい?」
「あ、うん。いいわよ。」
「やったぁぁ!!!」
(この子、虫を使えば利用しやすいんじゃ、ないの?大丈夫?)
「なんか、女将。とんでもない子を雛子の侍女に選んじゃったわね…。私達の方が先にここに向かってたから、どんな風に選んでたのか、ちょっと気になるかも。」
「あの子達、危なっかしいな。」
この後、色々と役割を決めた結果、侍女長が一時的に鈴音になることが決まったのであった。




