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スキルが全ての異世界で俺は何度でも蘇る  作者: P.P.
一章 召喚された勇者の記憶

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3/12

002 自己紹介


「「「「「おぉ!!」」」」」


 召喚された勇者一同は、案内された部屋を見て感嘆の声を上げていた。


 前の世界でもここまで豪華な部屋は見た事がない。金の装飾とかされてるけど、あれいるか? 眩しすぎて目も当てられないぞ。

 

「では、勇者様。また、明日の朝方に」


 案内人は、そう言って部屋から出ていった。何となくだが、あの人めちゃくちゃ可愛いぞ。ローブにはフードが付いており、一瞬しか素顔を見ることが出来なかったが綺麗な人だった。


 とローブを着た女性に見惚れていて気付かなかったが、俺たち勇者の雰囲気は最悪らしい。


「「「「「・・・・・」」」」」


 沈黙が続く。

 思えば、この世界に召喚されてから他の勇者たちと会話すらしていなかった。

 それに先程の様子で大体把握したが、どうやら俺以外の勇者達は面識があるらしい。

 

 つまり俺はめちゃくちゃ気まずい。

 あぁ、さっきから名を名乗れと圧が凄い(被害妄想)




 ☆☆☆




「「「「「・・・・・」」」」」


 圧を感じながら二十分、俺たち勇者は沈黙を貫いていた。

 仕方ない、ここは年齢的にも最年長(自称)の俺がトップバッターをいくか。


「あー、俺の名前は犬間 庄司だ。歳は十九で、趣味は小説を読むこと。ゲームとかもやってるオタク男子だ!」


 よく頑張ったな俺。よくぞこの沈黙を打ち破った。

 この雰囲気結構キツいんだよ。俺だけ除け者にされてる感じがして。


 てかよ、自己紹介なんていつぶりだ? 大学じゃ自己紹介なんてしないからなぁ。高校生ぶりか?   

 自己紹介をすると、俺になぞって次々と他の勇者達も自己紹介を始める。


「僕の名前は後藤 晴馬(ごとう はるま)です。高校一年生で趣味はゲームかな」


 靡く赤髪、爽やかな笑みを浮かべ自己紹介をする後藤と言う名の青年。その甘いマスクボコボコにしてやろうか、あぁん? あともう一つ、何で赤髪なんだよ。高校の校則どうなってんだ。


 爽やかイケメン後藤君の自己紹介が終わると、可愛らしい女の子がおずおずと手を上げ自己紹介を始めた。


「わ、私の名前は姫川 杏子(ひめかわ あんず)です。高校一年生で、趣味はお裁縫です・・・・」


 うん、黒髪ボブで、童顔であどけない顔。指をもじもじさせてる所もポイント高いよ。結婚してほしい。でもちっぱいだな・・・・それでも俺はいいぞ!


 貧乳は正義だ。これは世界共通認識にした方がいい。まあデカパイも全然アリだが。


 鼻の下を伸ばす俺はさておき、次は大分派手な髪色の女の子が髪をいじりながら自己紹介を始める。


「私の名前は星川 菜音(ほしかわ なの)。高一。趣味はない」


 スタイル抜群で、派手に染めた金髪のポニーテールをシュシュで纏めたギャル。明るい子だと勝手に思っていたが、話し方的に大分クールな子らしい。見た目と性格のギャップが激しい子だ。


 そして、最後に自己紹介を始めたのは身長が百五十センチぐらいの女の子だった。


「あたいは小林 美玖奈(こばやし みくな)っす! 中学三年生で趣味はお菓子作りっす!!」


 短髪の黒髪、運動系女子みたいな雰囲気だ。というか、中学生で異世界召喚とかクッソ迷惑じゃね? 受験シーズンだろうに・・・・ご愁傷様。体格はロリ。


 因みに俺は受験勉強を死ぬ程努力した人間なので、受験の苦しみや辛さを人一倍理解していると自負している。


 とまあこんな話は置いておき、これで全員の自己紹介が終わった。若干の気まずさを感じつつも、一番乗りで自己紹介をしたおかげか、皆俺に声をかけてくれる。


 あぁ、なんていい子たちなんだ。


 それと、皆の関係性について聞いたが、元の世界では幼馴染だったらしい。この様子だと、俺が雰囲気に馴染むのに随分時間が掛かりそうだ。それに、結局俺が一番年上だったので肩身が狭い。

 

「そういえば、皆はどんなスキルだったか確認した?」


 爽やかイケメン後藤くんがスキルの話題を出す。

 俺は屍蘇という意味の分からんスキルだったが、皆はどんなスキルなのだろうか。今後はこのパーティーで魔王討伐に向けて旅に出るわけだし、各々の能力ぐらいは確認しておいて損はないだろう。


「因みに僕は覇者というスキルでした。まだ能力は分かりませんが・・・・」


「なにそのスキル名、かっこよ」


 流石はイケメン爽やか後藤くん。まさかスキル名まで爽やかイケメンだったとは・・・・・


「わ、私のスキルは治癒でした・・・・」


 姫川のスキルは治癒か。

 名前通り、回復系のスキルだな。傷を負った時とかに回復できる便利なスキルだ。思い返せば、ゲームでも治癒スキルにはお世話になりっぱなしだったなぁ。


「私は賢者っていうスキルだった」


 クールギャルの星川は賢者か・・・・・魔法とか魔術とかに関係する力か? 魔力や魔術に関係するスキルだったら戦力として大分期待できる。


「あたいはギフトっていうスキルっす!」


「ギフト・・・・?」


 俺も後藤も小林のスキル名を聞き、怪訝な表情を浮かべる。


 ギフト・・・・日本語に戻すと贈り物だが、何かバフとか配ったりするのか? まあ、なんにしろ名前から能力を把握するのは難しそうだな。 

 

「うーん・・・・」


 結局、大体スキルの力を推測できるのは二人ぐらいか。

 自分の力も分からないまま、冒険に出るのは流石に危険な気がするが、スキルを試す機会もないしな。

 

「犬間さんはどんなスキルだったんっすか?」


 小林は聞きながら、俺に好奇な目を向けてくる。


「屍蘇っていうスキルだったんだが、名前以外なんも分からん。うーん、現時点で大まかな能力の予想が出来るのは姫川と星川だけか」


 俺と後藤と小林のスキルは使ってみなきゃ分からないだろう。

 実戦に使えるかどうかも分からないが、今度試せる時があったらすぐに試してみよう。

 というかスキルの詳しい能力すら分からないって、この世界案外シビア?


「使ってみないと能力すら分からないスキルばかりだね」

 

 後藤が呟く。

 まあ、そこも含めて今後の見通しを立てていかないとな。やっぱり、力がない人間は知識で勝負していかないと。


 それに、俺はこのパーティーの中なら年長者だ。

 威張れる程、立派な人間だとは思ってもいないが、出来るだけ皆んなから頼られる人間でいよう。


「じゃあ取り合えず、これからよろしくな」


 こうして、俺たちの異世界生活が始まった。


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