表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/24

23 最強の杯派怒見廼7星を目指して

「では、レギュラーメンバー候補者、前へ。」


肩仏部長の静かながらも威厳ある声が響く。


その言葉を受け、9人のデュエリストがフィールドへと進み出る。

彼らこそ、全国大会団体戦の7枠をめぐる熾烈な戦いに身を投じる精鋭たちである。


勇希は、目の前に並んだ9人の姿を見つめた。

その並びはまるで、戦国時代の名将たちが一堂に会したかのような、壮観な光景だった。


「……これが、この部活の最強メンバーか。」


彼は、自然と息を呑んだ。


10人のレギュラー候補者たち

肩仏角田朗かたぶつ かくたろう【3年 / 部長】

OCG部の絶対的な支柱。

規律を重んじ、圧倒的な安定感と指導力を持つ。

使用デッキは「鉄壁の守りと精密なカウンターを誇る制圧型デッキ」。

堅実なプレイングと鉄壁のメンタルで、隙を見せない。


② 石田雫( いしだ しずく)【2年】

冷静沈着な戦術家。

肩仏部長からの信頼も厚く、部のNo.3の実力者。

そのスタイルは「精密機械のような戦略」と評される。


御伽修一おとぎ しゅういち【1年】

1年生ながら、唯一レギュラー争いに食い込んでいる期待のエース。

御伽玩具カンパニーの跡取り息子。

カードゲームを「最高の玩具」と称し、戦略とエンターテインメントを両立させるスタイルを持つ。

そのデッキとプレイングには、まだ謎が多い――。


宮野利央みやの としお【3年 / 副部長】

「トラップマスター」の異名を持つ、罠カードのスペシャリスト。

「何を仕掛けてくるか分からない」と言われるトリッキーなプレイングで相手を翻弄する。

使用デッキは「罠地獄コントロールデッキ」――相手の行動を完全に封じ込めることを狙う。


野中浩介のなか こうすけ【3年】

「海使い(シーサーヴァント)」の異名を持つ、水属性デッキの使い手。

海を制するかのようにフィールドを支配し、流れるような展開力を持つ。

使用デッキは「アトランティス軸の水属性ビートダウンデッキ」。


都築英児つづき えいじ【3年】

通称「オタクパイセン」。

熱烈なアニメ・ゲームファンでありながら、閃刀姫デッキを極限まで使いこなす実力者。

デッキを「キャラへの愛」と称し、デュエルでは一切の妥協を許さない。


腰引男こし ひくお【3年】

「守りの腰引き」とも呼ばれる、異色の防御型デュエリスト。

「負けないデュエル」を信条とし、徹底した耐久戦を仕掛ける。



影陰虎かげかげ とら【2年】

「影に潜む虎」の異名を持つ、ステルス型デュエリスト。

相手の意識の外から突然の一撃を狙うプレイスタイル。



熱決飛田ねっけつ ひーた【2年】

「熱血」の名を冠する、圧倒的な攻撃力を誇るデュエリスト。

とにかく豪快なプレイングで、相手をねじ伏せる。

使用デッキは「炎属性・戦士族ビートダウンデッキ」。


⑩ ???(候補10人目)

 今日はお休み。


全国大会を見据えた、本気の戦い

「団体戦の枠は7人。」


肩仏部長が静かに告げる。


「この中から3人は落選することになる。」


その言葉に、場の空気がさらに張り詰めた。


この戦いは、ただの部内戦ではない。

全国大会への切符を手にするための、真剣勝負なのだ。


勇希は、じっと御伽の背中を見つめた。


彼は、この10人の中に当たり前のように立っている。


一年生で、たった一人。


(……やっぱり、すごいやつだ。)


勇希は、ふと胸の奥が熱くなるのを感じた。


(俺も……いつか、あそこに立ちたい。)

部室の空気は張り詰め、9人のレギュラー候補が揃った。

彼らこそ、団体戦の7枠をめぐる熾烈な戦いに身を投じる精鋭たちである。


勇希は、その光景をただじっと見つめていた。


「……さすが、御伽。」


隣で腕を組みながら、天保がぽつりと呟いた。


「1年でこの場にいるの、アイツだけだからな。」


その言葉には、わずかな嫉妬と、そして確かな敬意が込められていた。


天保の視線の先、御伽修一

静かに前に進み出た御伽修一。

彼は特に気負うこともなく、軽く前髪を整えながら微笑んでいた。


「……強い奴は、どこにいても目立つもんだな。」


天保はぼそっと言う。


「ま、俺もまだまだ負ける気はねぇけどよ。」


「……お前も、レギュラー狙うつもりだったのか?」


勇希が驚いたように尋ねると、天保は少し笑った。


「は? 当然だろ?」


そう言う彼の目には、しっかりとした闘志が宿っていた。


「ま、まだ『候補』だしな。今からでも、いくらでもチャンスはあるぜ?」


喝!

「そうよ! まだまだチャンスはあるんだから!」


突然、部室の後ろのほうから鋭い声が飛んだ。


勇希が驚いて振り向くと、そこには美琴先生。

両手を腰に当て、少しむくれたように肩仏部長を見ている。


「何よ、もうレギュラー確定みたいな雰囲気出しちゃって! まだ候補なんだから、ここから全員ひっくり返る可能性だってあるわよ!」


彼女の言葉に、場の空気が少し変わった。


「……たしかに、そうですね。」


肩仏部長は、穏やかに頷く。


「候補10人のうち、7人が選ばれる。残り3人が落ちる。しかし、それが決まるのはまだ先のこと。今からの戦いで、すべてが変わる可能性があります。」


その言葉を聞き、天保はニヤリと笑った。


「……ほらな?」


「……ああ。」


勇希は、改めて目の前の「戦場」を見つめた。


「あら~? 天保くん、ちょっと悔しそうね?」


美琴先生が、にやにやしながら天保の肩をぽんぽんと叩く。


「ち、違いますって!」


「ほんと~? 『俺もまだまだ負けねぇけどよ』とか言ってたけど、負けてる時点で説得力ゼロよね~?」


「ぐっ……!」


天保が言葉に詰まると、美琴先生は満足げに頷いた。


「ま、天保くんもセンスはあるのよ。でもね……」


そこから、急に真顔に戻る。


「デッキ構築、もっと詰めないとね。」


「……え?」


「その場の流れで動くのがうまいのは認めるわ。でも、その場その場でやってる感が強いのよね。もっとデッキに一貫性を持たせなさい。」


「……ぐぬぬ。」


天保は、美琴先生の指摘を受けて、珍しく押し黙った。


鈴、調子に乗る

「そうだそうだ!」


鈴が腕を組んで、得意げに頷く。


「私も前から思ってたのよね~。天保って場の流れはうまいけど、なんかアドリブ感がすごいというか、計画性がないというか。」


「うるさい。」


「だから、もうちょっと長期的なプランを――」


「うるさい。」


「あと、サイドデッキの調整も――」


「うるさいっての!!」


天保がややキレ気味に言うと、今度は肩仏部長がゆっくりと口を開いた。


「……静かに!!先生も!!」


その一言で、部室が一瞬静まり返る。


「……あ、すみません。」


鈴が小さくなり、天保も苦笑いを浮かべながら肩をすくめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ