学園は青色か
カメレオンマン EP8「学園は青色か」
笠原が、パソコンで現場映像を確認している。
カチカチ、カチ、
何度も、何度も繰り返し見ている。
「あっ、」
何かに気づく笠原。
画面、
そこには、センター街での騒ぎの時、民衆をかばっているカメレオンマンの姿が映っていた。
その中、他の人々より、一人の女性を必要にかばっているカメレオンマン。
「おかしいぞ」
もう一度見てみる。
カチカチ、カチ、
何度も、何度も繰り返し見てみる笠原。やはり、この女性をかばっている。
「何故、この女性だけ特別なんだ。カメレオンマンの知り合いか?」
「この女性はいったい誰なんだ」
AIの追跡システムで追いかける笠原。
カチカチ、カチ
画面、
女性の利用した店、鉄道、駅。住んでいるマンションまで辿り着く。
「ここか、」
パルム学生マンション201号室、
検索する。
セントラル美術大学油絵学科3年生、岩崎桐子。
「こいつは絶対、カメレオンマンと繋がりがある!」
大学
ガガーッ、
見たことのない黒い車が、校内に乗り入れた。
学長室、
「どうでしょう、我が社とお宅の学生とで、イベントのコラボをしてみたいのですか?」
満面の笑みの男が話をしている。
その隣、困った顔の学長。
「うちは〜地味な学生が多くて〜派手なイベントは似合わないと思うんですが〜」
「いやいや、これからは、PRの時代ですよ。おたくの学校も、ドンドンアピールしなきゃ」
「そうですが〜」困った様子の学長。
「今回は、特別に我が社の宣伝も兼ねて無料で行いますよ。こんないい話はないですよ」
「是非、お願いします」
「そうですか…」
「準備は整った」
隊長が、ホワイトボードに計画を書いている。
「このイベントの最中に、テロを行う。そして、犯人が人質を取る。そして、その中の一人が岩崎桐子だ」
「必ず、カメレオンマンは現れる。そこに罠を張る」
「作戦は慎重に、そして綿密にだ」
「はい、解りました隊長」
「今度こそ、最後だ。カメレオンマン!」
「ハッピーセントラルーー」
司会者が、壇上の上で叫ぶ。
「今日は、セントラル大学の記念すべきイベントです」
パチパチパチパチ
学生たちが一斉に拍手する。
ボンボン、
花火が上がり、オープニングの垂れ幕が現れた。
「楽しみだね、レオン君」桐子が、うれしそうに笑う。
「ああ」
少し不安げなレオン。
ジャジャーーーン、
音楽学科の演奏と舞台学科の踊りが始まった。色とりどりの衣装に、派手な踊り。
芸術大学らしく、前衛的な演出だ。
「他の学科も見応えあるね、レオン君」
「ああ」
拓磨がピカソの扮装をして、やって来た。
「クレープいらんかえ〜」
「何だよ、その格好は?」
「美術学科のアートクレープだよ。美味しいよ」
そのクレープは、赤や青、黄色や緑色の派手な色付けのクレープだった。
「どうだい、美味しそうだろう」拓磨。
「ちょっと、派手すぎて食欲が減退するよ〜」桐子。
イベントは、滞りなく続く。
ラストの、学生全員でのダンスの時が来た。
ジャジャーン、音楽が鳴る。
一斉に踊り出す学生たち。
桐子たちも踊り出す。
「楽しいね、レオン君」
「ああ」
その時、
ガランガランガラン、
突然、空から巨大なドローンが現れた。
「何だ?」
慌てふためく学生たち、
「あれは、」
ダダダダダッーー
マシンガンの音。
学生に向かって自動小銃を撃つ男。
ショットガンに拳銃、ナイフ、
カパッ、マスクを取る男。
それは、あのセンター街での男だった。
「お前らの、生きる意味はあるのかー」
きゃーー
逃げ惑う学生たち。
「お前らは、地球が可哀想だと思わないのかー」
ダダダダダッーー
繰り返し、自動小銃を撃つ男。
ガッシャーン
割れた校舎のガラス片が桐子の上に降り注ぐ。
「危ない、桐子さん!」
一瞬で、透明になり桐子をかばうカメレオンマン。
ガシャン、ガシャン、
ガラス片が容赦なく二人に降り注ぐ。
「大丈夫かい?桐子さん」
「うん」
桐子は無事だった。
その時、
バババババーーー
響き渡る電撃音、
「ゔうっ…」
顔を歪めるレオン。
「やった、」
「引っかかったな、カメレオンマン!」
カメレオンマンは、桐子をかばおうとして、サンダースタンガンを浴びてしまったのだ。
ジリジリジリ、ジリーー
放電が青く光る。
「大丈夫ですかレオン?光学エフェクトのパーセントが低下しています」メルの声。
「解った…メル」
薄らと、姿が見え始めるカメレオンマン。半透明だが居場所が解る。
「もう、光学迷彩は効くまい」隊長が笑う。
「デジタルエフェクト、発動」レオン。
画面から消えるカメレオンマン。
「今だ、対カメレオン弾、発射!」笠原の声。
バババ、バーーーン
一斉に発射される黒い弾丸。
その弾は空中で炸裂した。そして、黒いコールタールの様な液体がカメレオンマンの全身に降り濯ぐ。
「こんな物、ヒートエフェクトだ」レオン。
ジリジリ、ジリジリーー
ヒートエフェクトの発動により、対カメレオン弾が赤く発火し始めた。
ジリジリ、ジリジリーー
「ううっ、熱い」
「体内温度上昇中」メルの声。
ヒートエフェクトにより、対カメレオン弾は燃えつきるはずだったが、逆に激しく燃え上がったのだ。
大きな炎を上げ、赤く燃え上がるカメレオンマン。
「スーツ内温度危険値、スーツ内温度危険値」メルの声。
「熱い、さすがに限界か」レオン。
「コールドエフェクトに転換、全開」
「OK」
ダン、ダダダン、
今度は、カメレオンマンの身体に対カメレオン速乾硬質弾が撃たれた。
「ゔうっ」
あっという間に、全身が硬化するカメレオンマン。
ググッ、ググッ、
完全に動きが止まるカメレオンマン。
「今度の対カメレオン速乾硬質弾は、速乾癒着弾とは違うぞ」笠原が笑う。
「対カメレオン速乾硬質弾は、粒子が細かい。対象物に対しての吸着率が10倍以上だ。そして、硬質化すると体積が三分の一になる。当然、冷やされると自己崩壊するに決まっている」
バリバリ、バリ、
カメレオンスーツにヒビが入る。
「緊急事態、緊急事態、スーツ破損。30パーセントの機能しか可動できません」メルの声。
「あの、背中の突き出たボックスを狙え」笠原が狙撃手に伝える。
「了解」狙う狙撃手。
バキューン、
ゴーン、
今までと違う音がした。弾が違う、それは鉄鋼弾だった。
ガガガッ、ボン、煙。
メルのAIボックスが破壊された。
「す…いま…せ…ん。機能…てい」メルの声。
「メル、メル、」
「まだまだ、メルがいなくても!」
レオン、腕のカバーを開け手動でデジタルデストロイのボタンを押す。
カチッ、
「デジタルデストロイ、発動ーーー」
バッシュン、バシュッン
再び、対カメレオン速乾硬質弾を撃たれるカメレオンマン。
パァーン、
瞬く間に、固まる硬質弾。そして、収縮する。
「何の、このスーツは1000万強度まで耐えられる!」
バババーン、
再び、速乾硬質弾を撃たれる。
バリ、バリ、
スーツが、少しずつ壊れていく。
「幾ら、強度に長けたスーツでも、限界があるはずだ。何度も、何度も繰り返し機能を維持できるわけは無い」笠原が笑う。
バリバリ、バリ
ナノマシンの修理も間に合わず、ボロボロと砕け落ちるカメレオンスーツ。
バリバリ、バリ、
「カメレオンマンが砕け落ちるぞ!」
バリ…
カメレオンスーツが全て剥がれた、
なに?
その中には、薄い、別のカメレオンスーツを着ていた。
「まだ、そんな物が残っていたのか」悔しがる笠原。
シューン、飛び上がる。
「早い、」
一瞬で、自動小銃の男と狙撃手たちの武器を破壊するカメレオンマン。
バシュッ、
ジャンプして、柱に捕まる。
サラサラ、サラ、
柱に、青色のカメレオンのイラストを描く。
「これで、おさらばだ!」
「これを見ろ!」
振り返るカメレオンマン、
そこには、桐子に銃を向けている隊長がいた…
「学園は青色か」ーーーー続く。




