エルフと人間
作戦のため命令を拒否した一行は、戦闘に臨む準備をする。
リグナムバイティ大会と中央広場
帰還命令を拒否し、単独行動を決意したアレス一行
一連の経緯を聞いたアズサは戸惑ったが、すぐにリーグ・ナムバイティのための行動だと分かり、特に反発はしなかった。
リーズは、自分たちが帰還した後、保安局がどんな反応を示すのか、とても不安に思っていたが…..
命令拒否だと..本当に大丈夫なのでしょうか….."
「全部大丈夫だって言うから、そうだね。 名声に比べると、見た目より怖がりなみたいだね? "
あなたのあののんびりとして単純な頭の中が、今だけは本当にうらやましいです
「何? それ、今私を皮肉ってるんでしょ?」
はい、その通りです。 意外と気づかれましたね?」
「これマジで!」
ミドナーがまた因縁をつけようとすると、心配でいっぱいだったリーズの顔に少し生気が戻り、罰についてのことは一時忘れたように見えた。
こんな状況に慣れたアレスは、リグナムバイティに来てから元気をなくしたアズサに近づいた。
「おい、アズサ、お前大丈夫か?」
「え?艦長さん? 私、私、全然元気です! 怪我をしたところも痛いところもありません!」
ここに来てからというもの、一度も笑みを浮かべたことがないはずがない。 言えない事情があるのなら、まだしも。
必要ならいつでも言ってね。 聞いてくれるくらいなら、いくらでも手伝えるから
王国のため、上層部の命令を拒否したアレスが自分を気にかけてくれたことで、他の帝国の人間とは違う感覚を覚え
苦い笑みを浮かべながら、アレスの配慮に感謝を伝えた。
ミドナーとリズが言い争うのを見て、かろうじて微笑んだ瞬間、彼女の頭の中で声が鳴り響いた。
お姫様がお呼びですか? 私はハイツです
突然、しかもテレパシーで連絡してきた序列2位のエルフに、アズサは疑問を覚えた。
ハイツさんが? 突然、どうしたの
「プライム様が将来、お姫様が技術者になるなら渡すようにという品物がありました。 しかし、突然の死により王室が騒然としている
その最中に姫様までもが王国を去ってしまい、なかなかお伝えする機会がなかったため、今になってご連絡いたします
父が残した物?
アドナーの死後、彼に関連するほとんどの装備品や物品は、機密保持および危険であるという前提のもと、王国の倉庫に封印された。
だから彼女もまた、自分の父を思い出させるようなものは何一つ持つことができなかった。
そんなアズサの前に、アドナーが直接残したものが存在するのか?
無視できるはずがない。
「旧研究所でお待ちしております。 機密区域であるため、周囲の方々はお控えいただき、お一人でお越しいただきたいと存じます。
明日の正午にお会いしましょう。 どうか、お体にお気をつけてください
露骨だ。
引き寄せる囮や「一人で来い」という言葉に至るまで、すべてアズサを孤立させようとしているのは明らかだ。
それでも彼女はハイツの言葉をただ流すのではなく、素直に応じることにした。
それだけ、一つの種族を率いてきた先駆者が残した物の価値が、自分の安全よりも重要だという意味だった。
そして、偽物でも本物でも重要ではない。 自分の父親が残したものだから、彼女はとにかく行くつもりだ。
大事なのは、彼に単独で会いに行かなければならないということだけだ
自分の一行がこのあり得ない提案に応じることを許してやろうか?
ハイツの話を仲間に打ち明けると、ミッドナーが理解できないと怒鳴った。
「できるか!? あなた技術者だよね? じゃあ、その老人の意図が何か分かるだろ? それでも行くのか? 私は反対だ。 絶対に!」
私も、とても危険な行動だと思います。 アズサ、あなたが私たちにとってどれほど大切な存在であるか、知ってください
ミドナーとリーズはどちらも、当然だというか、あり得ないと否定的な意向を示した。
二つの否定的な意見を聞いてアレスが悩んでいたとき、王国の制服を着たレギリスが遠くから姿を見せて近づいてきた。
「レギリス…」
「お姫様」
一行に合流したレギリスと目が合わないアズサに代わり、アレスが状況を説明し、予想したかのようにハインリに遠隔で報告した。 報告を終え、アズサにこのような提案に応じるのは賢明ではないと説得に出たが、彼女は許可を得るために話したのではないと言い、まったく引き下がる気配を見せなかった。 その様子を横で見ていたアレスがついに口を開いた。
じゃあ、こうしよう。 私がアズサに同行するよ。"
"??"
「それなら、お前たちがそんなに心配している安全を確保できるのではないか?」
「えっ?! それがどうした?! それに、同行者なしで来るように言わなかったのですか? どれだけ考えてもあまりにも無謀です!」
かなり非常識な意見にレギリスも呆れて見つめ、リズは驚愕して艦長に抗議したが
ミドナーは彼女と考えが違うのか、アレスを肯定した。
「レイピアマスターなら十分かもしれない··· しかし、リーズの言う通りに同行したら、何が起こるかわからない。
その部分はどうやって解決するつもりなの? 俺たちは隠密装備もないだろ。"
「それは私が解決してあげる。」
レギリスが手に魔力を集めると、黄金色の小さなポータルが生成される。
自分では大したことないふりをして使ったけど。 この魔法は、黄金帝国に従属することによって得た権能で
ごく少数の大魔法使いだけが使用する高位の魔法だ。
能力は単に物を保管し取り出すことにすぎないが、わざわざ荷物を持ち歩く必要がないという点に大きな意味がある。
ポータルに手を入れ、彼が取り出したのは拳ほどの黒い光のルーンだった。
色だけを見ると何という不敬な物だろうと思うが、それなりに貴重なアーティファクトでルーンを活性化すれば、所有者と現世との繋がりを断ち、他人に決して知られないように使用者の存在を消し去る。 1回限りの使用で、無効化すると同時にルーンは破壊され、空中に散らばる。
これで十分だ。 人間にとっては分不相応なものだが、お姫様のために協力しているのだと思う
レギリスがこんな形で現れるとは全く予想していなかった3人
普段は人間に対する感情を脇に置き、公私を分ける彼を見て
ミッドナーが遭遇したあの狂戦士のイメージはまったく見当たらなかった。
ああ!!そうだ!! ねえ、あなた、耳が大きいんだから
「…?私のことを言ってるのか?」
「よし!あなた!」 いきなり私を殺そうと襲いかかってきたこと。 覚えてないのか! "
「うーん…、気が遠くなっただけだよ。」
あ、そうですか? そのままその時に捨ててくればよかったのに。 あお
七味の時は、レギリスとリズ、そして激怒したミッドナーの3人と、アレスとアズサの計2つのグループに分かれることになる。
つまり、3人がアサシンロイドたちと対峙することになる
個々の戦闘力は優れているが人間を嫌うエルフと、自己主張が非常に強い問題児、そしてその間に挟まれたリズ
彼女は諦めたようにため息をつき、明日の任務のために休息を提案した。
「任務に関することは私が補佐官に伝えておく。 君たちは明日のために身の回りのことをしておけ
「わかった、それならみんな解散しろ。 明日ここでまた集まろう
みんなが部屋に戻るとき、リズは多くの思いにとらわれ、苦しげな様子を見せた。
アレスも気にしていたが、すぐに明日の準備をしなければならず、彼女を世話することができなかった。
「命令違反に加え、単独行動、そこに保安局の介入。そして..黄金帝国のシーフマスターまで.. 一体これはどういうことなのか…」
エルフの森に入ってから、もう一日だ
明日は王国を脅かす存在たちと戦う可能性が高い。
それらが帝国の兵器なら、私は味方と戦うことになるのではないか? それとも、彼らを敵と認識すべきなのか?
セキュリティ局は俺たちを見て、どんなことを考えるのだろう。
混乱している。 そして怖い。 彼らにどんな罰が下されるのか。
とりあえず明日.. 明日の任務を終えてから、その時また考えよう
雑念が増えるのを恐れて、改めて気持ちを整えた彼女は、ルーンナイフを強く握りしめて歩みを進めた。
エルフの森の中の結界で隔てられた機密区域
プライムの旧研究所
アドナーの死後、誰も足を踏み入れることができなかった場所
捨てられたルーンがいっぱいのこの場所に、気配が漂った。
「うちの姫様はうまく誘導できたか?"
絶対に来る。 絶対に無視できない囮を仕掛けたのだから
自信がついたので、心配しなくてもよさそうだし.. さあ、これを受け取って
テジナは赤い宝石がはめ込まれた指輪を手から取り出して投げた。
この指輪がアーティファクトであることは分かりますが、用途が分かりませんね。 どこに使うの
手に取ったハイツが疑問を抱いて尋ねると、テジナは満面の笑みで彼の質問に答えた。
それ? 我々機械帝国が開発した新しいアーティファクトだ。 その指輪でアサシンロイドを操作できる。"
とんでもない物だ。
たかがこの小さな指輪一つで、あの兵器たちを操れるというのだから、これさえあれば王国を制圧することも不可能ではないだろう。
これを私にくれる理由は何だろう? 本来の計画は、あなたが奴らを連れて襲撃することではなかったのか?」
「お姫様をおびき寄せろと言った理由だ。 あなたはロイドたちを率いて、障害物や女帝を倒しなさい。 我々の技術者様は私がお迎えしますから
「そうか? ならこれを受け取れ。」
ハイツが懐からティアラを取り出して渡した。
女帝アリサが着ているティアラと形は同じだったが
既存のルーンが緑色だったとしたら。 これは赤い色のルーンが刻まれていた。
「ティアラ? これがあのエルフの技術者が残したものだって
あいつが俺に任せた物だ。 アズサ姫が技術者になるなら引き渡すようにと言ったが….."
ああ、私はこういう雰囲気が大嫌いだ。 年を取ったエルフが悲しんでいるのは、あまり見たくないし
ティアラを受け取り、耐え難い雰囲気が漂おうとすると、すぐにそれを打ち破るテジナ。
失礼だな。 そして、特に悲しいとも思わない。 むしろあいつを憎んだ
え? 面白そうな話
人間に聞かせるつもりはない。 君ならなおさらです。 私はもう戻らない
つまらないけど.. 明日はお互いによくしようね
テレポート魔法で閃光とともに消えたハイツ。
夜空と暗い森を照らす月明かりの中で、それぞれの個性を誇示するルーンたち
そして、そこでは明るい笑みを浮かべ、赤い瞳を輝かせるテジナ。
お姫様が私を見たら、どんな反応をするのかな? あ〜楽しみだ
旅行に行く子供のように浮き立つ彼女と共に、夜は更けていった。
物語を書くのは楽しいです




