第42話「霊感商法にご用心!?」
「えっ!? 何々!? ビックリしたぁ……」
いきなりの大声のせいで脈が早くなるカリン。
「ビックリしました……。どうされたんですか?」
どうやら声の主は例の老人だったらしい。アオイが驚き冷めやらないながらも、老人へ事情を尋ねている。
「な、なんと……」
先ほどの大声からは一転。今度は、わなわなと震えながら絞り出すような声で話す老人。
「お主、あの祠を壊してしまったのか……」
段ボールを踏みつけた状態のカリンを指差す老人。
「え? 私?」
まるで何のことか分からず、鳩が豆鉄砲くらったような顔になるカリン。
「壊すだけに飽き足らず、足蹴にまでしておるとは……。あな、恐ろしや恐ろしや……」
カリンが段ボールを踏みつけているのを見て、何かに怯えるように祈りだす老人。
「え、足蹴?」
カリンは念のため足元を再確認するが、そこには「精肉 かんぴろばくたぁ」と書かれた段ボールしかない。
「え? 祠ってもしかして……この段ボールのこと……?」
ようやく話が繋がり、カリンの肩の力がどっと抜けていく。
「その祠には海王リヴァイアサンが鎮められているというに……。壊してしまうとはなんと恐ろしい……」
「何のことかまるで分からないけど……。そういう祠って普通、もっとオリエンタルなあやかしとかが封じられてるものじゃないかしら……?」
「いや、そもそもこの祠には『唐揚げ用鶏もも肉 業務用』しか封印されてないけど……」
想像の斜め上の設定に戸惑うカリン。傍らではノアが、祠の中身を冷凍庫にしまいながら淡々と呟いている。
「必ずや海王の祟りが訪れるじゃろう! お主らはもうお終いじゃあぁぁぁ!」
今度は妙にテンションが上がりだした様子の老人。
「助かりたければ、このお札を買うがよい」
懐からおもむろに、しわくちゃのお札を取り出す老人。
「何……? 新手の霊感商法だったの……?」
すっかり呆れた様子のノア。
「えっと……ちなみにおいくらでしょうか……?」
「いや、騙されてんじゃないわよ……」
かたや財布を取り出し、そのお札を買おうとしているアオイ。カリンがその頭を軽く小突いて静止する。
怪しい壺とか普通に買ってるんじゃなかろうか……。カリンの脳裏にそんな心配がよぎる。
「ていうか、それ肩叩き券じゃないの……。お孫さんが悲しむからやめなさいよ……」
しわくちゃのお札には「おじいちゃんへ かたたたき ぷれみあむこーす 120ふん 35000円」と、子どもの字で書かれていた。
「かたたたきけん? 何のことじゃ?」
何のことか分からないと言わんばかりに、とぼけた様子の老人。
と、その時。
カランコロン。
またもドアベルが鳴り響いた。
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