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鉱山都市コールス

「コールスでは、このように石炭の採掘だけではなく、鍛冶等も活発に行われております」


 青喇さんにコールスを案内してもらってた。レンガの家が並ぶ街並み、鍛冶屋とか、あとあれは陶芸なのかな? とにかく火を使って何かを作るみたいな所が多いみたい。ウルテアとは違って、人通りも多くて、活気がある感じだよねー。


「賑やかだねー」


「そして、この街のほぼ中央、そこの建物が私達、紙上の折手の本部となります」


 紙上の折手の本部って言われた所は、見た目は教会っぽいんだよね。でも、よく考えてみると天使が仕切ってる組織だからそうなっちゃうのかな? それにしても大きいねー、コールスの中でも一番大きな建物なんじゃないかな?


「ふん。まるで天使の町とても言いたげだな」


「流石です。悪魔様の洞察力には感服いたします。この街は紙上の折手の支配下といっても過言ではありませんね」


 確かに影響力は強そうだもんねー。大きい建物だし、街の真ん中に建ってるし、こういうのって誇示するのがお決まりみたいなところがあるのかな? んー、そう考えると、町長さんの家って質素だったなー。


「俺には関係ないけどな」


「そうでしょうか? 確かに今現在、実権を握っているのは悪魔かも知れません。ですが、決して天使は負けていないのですよ?」


「何が言いたい?」


 天使と言えば、えっとー、法制連邦だっけ? それがこの国に負けたんだっけ? 後はー、そうそう、フォール君の組織が壊滅しちゃったんだよね。なんかボロボロじゃない?


「それは、私の口から話す事ではありませんね」


「気に入らないな」


 なんか、ギレーアも青喇さんの事嫌いなのかな? 悪魔だから相性悪いのかも知れない。二人が言い合ってる間、暇だから色々見てたけど、色々あるし、色んな人がいるんだねー。んーあれ? 向こうに居る女の子どっかで見たことあるようなー。向こうも気づいたみたいでこっち来た。


「あっ、勇者さんだ。久しぶりー。やっとウルテアの外に出たのね」


あ、この子トカレフちゃんだ。久しぶりって言うけどこの前会ったばかりだよね? それに今日は一人で来てるみたいだし、どうしたんだろう? もしかして、油断させて挟み撃ちにするとかなのかな? こんな町の中でそんなことしたら寧ろ危ないと思うんだけど。


「どうしたの? もしかして、さっそく私を倒しに来たの?」


「え、違うわよ。そういうって事は他のトカレフに会ったのね。私はウルテアで会ったトカレフ、別に敵意なんて無いわ」


 あー、最初に会ったトカレフちゃんかー。見た目が全く同じだから判別出来ないんだよねー。名前だって皆トカレフって名乗るし、どうやって判別してるんだろ? 何か印みたいなのがあるのかな?


「どうしたらどのトカレフちゃんか判断できるの?」


「そんなの、私にも解らないわ」


「え、解らないの!?」


 解らないって言われちゃうのは想定外! 凄くあっさり言われちゃったけど、それで良いの? だって誰が誰だか解らなくなっちゃうって事だよね?


「私は私で、それ以外は他のトカレフなのよ。それだけだわ」


 なるほど、自分自身が解ってれば、それで良いのかな? そっか、それなら困る事は無いのかも知れない。でもこれだと誰が攻撃してくるトカレフちゃんか判断できないよね。どうしたら良いのかなぁー。なんて考えてたら、誰か、というにはさっき見たばかりの女の子が割り込んできた。


「ちょーっと待った―! 見つけたわ! 今度こそ私が勝たせてもらうわ!」


「こんな所で暴れるのはあまり良くないわ、考え直してもらえるかしら」


「え、待って待って、私の顔で騒動起こさないで欲しいわ」


 なんか、トカレフちゃんが三人に増えてる。本当に誰が誰だか解らないよ。後から来た二人は私と戦ったトカレフちゃんかな? とりあえず、ウルテアで会ったのは一号、私に戦いを挑んでくるのを二号、二号と一緒に居るのを三号って事にしとこっと。


「えーと、トカレフちゃん一号、二号、三号ね!」


「センスに対して不服だけど、解りやすいならそれでいいわ」


「二号って何よ! ふざけた名前つけないで欲しいわ!」


「私は気にしないけど、それで判別できるのかしら?」


 うん。やっぱり誰が誰だか解らないけど、ないよりは良いかなって。それにしても、トカレフちゃん達がわいのわいのって賑やかにしてると、なんか微笑ましくなってくるよね。あ、賑やか過ぎてギレーアと青喇さんが怪訝な表情しながらこっち見てる。


「まあいいわ。ここでアホ勇者をポンコツにしてあげるんだから!」


「……それは、この町、コールスで暴れるという事でしょうか?」


 あ、青喇さんがにこにこしながらトカレフちゃんに詰め寄ってる。もしかして、怒ってるのかな? これは怒ってるみたいだよね? まぁ、自分の住む街で騒動おこされそうになったら、私も怒るかもしれない。んー、どうだろ。


「うっ、そのー」


「私は、紙上の折手です。もし、その気になれば貴方方の居場所など、失くしてしまう事も出来るのですよ? それは、とても困る事でしょう?」


 え、紙上の折手ってそんな事出来るのって思ってたら、ギレーアがこっそり教えてくれた。この街で暴れたって事実を広めたら、入れてくれる街なんて無いって事みたい。まぁ、そうだよね。暴れるような人を入れたいって街は無いもんね。


「ほら! 二人とも! アホみたいなことをやめるのよ!」


「私はまだ諦めた訳じゃないわ! 一旦退却するだけよ!」


「逃げてばっかりな気がするわ」


 三人とも逃げてった。相変わらず青喇さんはにこにこしてる。んー、怒ってるような気がしたのは気のせいだったのかな? なんかよく解らない人って気がしてきたよ。


「では、そろそろ行きましょう。フェイクライフ様がお持ちしております」

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