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悪意への問い掛け

「解ったか? 俺達のようなシステム側の存在と、一般の存在は大きくその性質が違うんだ。全く、これくらいすぐ解る筈だろ」


「あー、うん。わかったよー」


 山道を歩きながら、ずっとギレーアにお説教されてた。私がトカレフちゃんを叩き斬ろうとしたのが駄目な事だったんだって。そんな事言われても、レアルさんから聞いてないって言っても、聞く耳もってくれなかった。ホント、頑固な所あるよねー。


「俺の話しっかり聞いてるか? お前、普段適当なのはもう諦めたけど、今回のは取り返しのつかない事なんだからな?」


「もー、何度も聞いたよー」


 私はまだ実感無いけど、私達は例え破壊されても、次の世界で復活するんだってー。コンティニューって事かな? それが出来ない人を巻き込むなーって事みたいなんだよねー。もうそんな話ばっかりで疲れちゃったよ。体力的に疲れるって事は無いんだけどね、なんかもう飽きちゃって、適当に景色みてたら、私達の後ろから誰か歩いて来てるのが見えた。


「おい、何をキョロキョロして」


「ねー、ギレーア。後ろから誰か来てるみたい」


「はあ? こんな山道に誰が……」


 ギレーアが後ろを振り向いた瞬間、もう目にも止まらない速度で、後ろをついてきてた人に斬りかかってた。もうほんと一瞬って感じだったよ。私が斬られた時もこんな感じだったな―。でも、その人工具みたいなので剣を防いでた。なんかもう、色々付いていけないよ。


「おい、ギレーア。ぬるま湯に漬かり過ぎて鈍ったんじゃないか?」


「お前こそ、何の用だ? 俺達に関わる必要は無いだろ」


 その後ろから付いてきてた人は、白髪で緑色の眼が特徴的な、不機嫌そうに見える男の人だった。ギレーアと同じような、羽とか尻尾とかがあるし、多分悪魔なんだと思う。普通の人間ならあの攻撃を防げるわけが無いもんねー。 普通の人間じゃ無ければ防げるって訳じゃないとも思うけど。


「俺は別にお前たちに興味なんて無い。だけどな、そうとも言えないだろ?」


「少なくとも、俺はお前と関わりたくない」


 あ、ギレーアもだんだん不機嫌になってる。そうだよね、こんなよく解らない事言われたら嫌になっちゃうよね。剣と工具がギリギリ言ってるけど、力自体は互角みたいで、そのまま動いてない。


「ギレーア、お前、同じ独りぼっち仲間だと思っていたのに、良い仲間が出来たじゃないか? 多くの人とも触れ合って、中々有名人になったらしいじゃないか? そのどれもが、俺の持っていないものだ」


「俺の知ったことか」


 緑目の人は、不機嫌そうに、それでいて薄気味悪い笑みを浮かべてる。なんかもう、明らかな敵って感じの風貌してるよ。あれなのかな、今のうちに斬っておいた方が良いのかな? 普通の人間じゃないみたいだし、別にギレーアが怒ったりしないよね。話に夢中になってるうちに一発ドーンってやっちゃおう。


「おっと、羨ましいじゃないか。お前を思ってくれる仲間が居るなんてな」


 ウルティアムを振り下ろそうとしたら、緑目の人は工具で受けてた剣を弾いて、そのまま後ろに下がっちゃった。私はそのまま空ぶって、地面に叩きつける事になった。その間にギレーアが追撃しようとしてたみたいだけど、全部防がれてるみたい。でも少し引き離して、私の所まで戻って来た。


「ダメだったかー」


「スフィア、あいつは嫉妬の悪魔レイトア。詳しい権限は知らないが、悪意を感じる事が出来るらしく、不意打ちの類は全く効かない。だから、手を出すな、俺が相手する」


 そんな事言って、そのレイトア君の事まで瞬時に移動すると、なんかもう、腕が複数あるかのように見える位に剣を振ってる。ギレーアって速度特化なステータスな感じだよね。力なら私の方が上なんだけど、速すぎてどうにもなんない。


「手数で押し切るつもりか、昔から変わって無いな」


「俺に出来るのはこれだけだからな」


「解って無いな、根底に潜むものこそ、大きな武器であると」


 なんか話してるみたいだけど、私が見た感じ、レイトア君はギレーアの攻撃をギリギリ防ぐのでいっぱいいっぱい、凄い押されてるようにしか見えない。これだけ防げてるのも凄いんだけど、悪魔になるとこれくらい普通なのかな?


「関係ない、ここで押し斬る!」


「今見せてやるよ! 醜い根底の悪意を!」


 二人の攻防のさなか、何かが落ちて、それは凄い光を出した! 流石のギレーアも一瞬怯んだみたいで、光のせいで眼を閉じて、そして開くとレイトア君が迫ってきてて、私に向かって腕を伸ばしてた。なんかよく解んないけど、触られたらヤバイって逃げようとしたけど、足が動かない。


「させるか!」


 レイトア君の手が、私に一瞬触れて、腕が何処かに飛んで行った。ギレーアが斬り飛ばしたみたい。こんな世界だもん、もしかしたら触れたら発動する能力みたいなものがあってもおかしくなかったよね。明らかになんか狙ってたし。


「おい、無茶苦茶だな?」


「知るかよ。まだやるつもりか?」


「ふん、先に手を出したのはお前だろって言いたいが、流石に片手で勝てる気はしないし、純粋な奴は対象外だ」


 まぁ、うん。確かに最初に攻撃を仕掛けたのは、ギレーアだったね。あれ? そうなると悪いのって私達って事になるのかな? まぁいっか! 考えても仕方ない事だよね。


「それなら、さっさとどっか行け」


「言っただろ。俺は別にお前たちに興味なんて無い。ただ、ファーアに言われたから来ただけだ。そして確信した、純粋さは無害じゃない。気を付けろ」


「おい、それはどういう……」


 ギレーアが呼び止めようとしたけど、レイトア君は何も答えないで山を下りてったみたい。一体何が言いたかったんだろ?

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